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パレスチナ・トラックについて、当面の課題は2000年9月末以来続いている暴力の悪循環の停止および治安を含むパレスチナ改革。米政権が2002年6月の示した3年間以内のパレスチナ国家樹立に向けた「ロードマップ」が、同12月20日の四者会合後の公表には到らなかったが、イスラエル・パレスチナ双方のコンセンサスを形成し和平の道筋として実行力をもつものとなることが重要。また、パレスチナ改革については、パレスチナ側が提示した「改革実施100日計画」の円滑な実行と、それを支援するパレスチナ改革タスクフォースの成果が期待される。一方、イスラエルは2003年1月28日に総選挙を控えており、和平に向けた前向きな姿勢が取りにくい状況にある。
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シリア・トラックについては、バッシャール新大統領の政権基盤は固まりつつあるが、イスラエル軍によるレバノン内シリア軍施設攻撃等により深まった両者の対立は、未だ緩和されておらず緊張が続いている。イスラエル側から和平交渉を行う用意があるとの発言もあるが、和平交渉の再開は当面困難と思われる。
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レバノン・トラックについては、南レバノンにおけるヒズボラとイスラエル間の緊張の高まりに要注意。またシャロン首相はレバノンとの平和条約を目指すとしているが、和平交渉の再開にはシリア・トラックの進展が不可欠と見られる。
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