中東和平の現状と今後の見通し
平成15年4月
1.概要
2000年9月末のイスラエル・パレスチナ間の衝突発生以降、中東和平問題の核となるパレスチナ・トラックをはじめ、全トラックで交渉は中断した状態。事態打開の枠組みとして、2001年5月にミッチェル報告書が発表され、双方は同報告書の履行に基本的に同意し国際社会も広く支持しているが、実施には至っておらず、暴力の悪循環が継続。
2002年3月末以降、パレスチナ過激派による自爆テロが連続して発生、これに対しイスラエル軍はパレスチナ自治区へ大規模な侵攻を行う等両者間の暴力の悪循環が激化し、更に7月中旬以降、イスラエル軍によるガザ空爆、パレスチナ自治政府議長府への包囲、ヘブライ大学でのパレスチナ過激派による爆弾テロが発生する等、緊迫した情勢が続いている。
事態打開のため、米国をはじめとする国際社会は、パレスチナ国家樹立を睨んだ治安、人道・経済復興、和平交渉の加速化の3つのプロセスを押し進めるべく取組を行っている。更に、同プロセスの進展の鍵ともいえるパレスチナ改革については、パレスチナ暫定自治政府の改革努力支援のため、パレスチナ改革への取組が本格化している。
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