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(仮訳)
日豪貿易経済枠組み


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 日本とオーストラリアは、

 長年にわたる生産的かつ相互に利益のある協力を通じて発展させてきた、緊密かつ永続的な関係をさらに強化することを望み、

 通商に関する日本国とオーストラリア連邦との間の協定及び日本国とオーストラリアとの友好協力基本条約を想起し、

 世界貿易機関に反映された多角的貿易体制を強化し補強する意思を再確認し、

 アジア太平洋経済協力会議の場における協力を通じ、地域の経済成長を促進する重要性を再確認し、

 グローバル化、技術的進歩及び自由貿易地域の創設を通じた地域統合の結果としての世界的な経済環境の変化が、両国に新しい挑戦と機会をもたらすことを認識し、

 両国経済の更なる統合を通じ、また、貿易投資の自由化及び拡大を通じて経済的繋がりの深化と拡大を進めることにより、両国の相互利益を促進することを希求し、

 次のことを決定した。

1. 両国は、様々な方途を活用しながら、均衡をとりつつ包括的に、日豪間の貿易投資の自由化に向けて取り組む。

2. 両国は附属文書Iで規定された協力分野に関する協議を行い、それぞれの分野において特定された共同行動の実施をすみやかに取り進める。

3.
(1) いずれかの国の立場を予断することなく、両国は、附属文書IIに規定された貿易投資の自由化に関する作業計画を実施する。

(2) 両国は、附属文書IIに規定された共同研究を行うための政府の代表者を指名する。

(3) この枠組みの下に設けられた合同協議委員会は、この枠組みの目的に沿って共同研究の結果を検証し検討する。

4.
(1) いずれか一方の国が単独又は複数の第三国との間で交渉中あるいは既に効力を生じている協定であって、貿易投資に関する特恵的な取り扱いを定めている協定が及ぼしうる影響に関し、一方の国は、他方の国から提起がある課題について情報交換のための協議の機会を十分に提供する。

(2) この協議の要請を行う国は、協議で取り上げられるべき課題を特定する情報を提供する。

(3) 両国は合同協議委員会を通じてこの協議を速やかに行う。協議は非公開とし、国際法の下で両国が享受する権利を害するものではない。

5.
(1) 両国は、一般的に適用される全ての中央政府の措置であって、日豪間の貿易投資活動に影響を及ぼすものが、合理的、客観的、公平かつ透明性のある方法で施行されるべきであるとの見解を共有する。

(2) いずれか一方の国が、上記の措置に関する特定の情報の提供を求めて行うすべての要請に対し、もう一方の国は速やかに回答する。各々の国は、この任務を遂行するよう一任された連絡先を設ける。

(3) このような措置に関し、一方の国は、もう一方の国によって提起された課題に関する情報交換のための協議の機会を十分に提供する。両国は合同協議委員会を通じてこれらの協議を速やかに行う。協議は非公開とし、国際法の下で両国が享受する権利を害するものではない。

(4) この枠組みのいかなる規定も、この協議の結果としていずれか一方の国が特定の措置を導入し、修正し、あるいは撤廃することを求めるものではない。

(5) このパラグラフは地方公共団体がとる措置については適用されない。また、政府以外の公的機関が政府の目的のために購入する物品やサービスの調達であって、商業上の転売を目的とせず、あるいは商業上の販売のための物品の生産又はサービスの提供に利用することを目的としないものに関する措置にも適用されない。

6.
(1) 両国は貿易投資に関する合同協議委員会(以下、合同協議委員会)を設立する。

(2) 合同協議委員会は両国の代表者で構成され、日豪の次官級の事務当局者が共同で議長を務める。

(3) 合同協議委員会は必要に応じて、閣僚に報告する。

(4) 合同協議委員会はこの枠組みの実施状況につき定期的な検証を行うために定期的に会合する。合同協議委員会は特定の貿易投資問題についての協議を設定する。

(5) 合同協議委員会は、作業を円滑にするため、同委員会と同時にあるいは個別に会合しうる作業部会を設立することができる。

7. この枠組みの下での協力は、各々の国の法令に従い、かつ各々の国の政府が利用しうる資金の範囲内で行われる。

 2003年7月16日に東京で署名した。

 小泉 純一郎
 日本国総理大臣
ジョン・ハワード
オーストラリア首相




附属文書I

両国で相互に決定した協力分野

1. 食品

(a) 食品安全に関する検査及び証明書の制度について、両国間の情報交換を推進し、透明性を向上し、それぞれの制度への適合性を向上し、両国間の信頼関係を構築するため、消費者保護を確保するとともに安全性が確保された食品の両国間の貿易を促進するとの視点に立ち、二国間の実務家レベルで技術的な議論を行う。

(b) 相互に受け入れ可能かつ有益な改善と認められる分野を特定するため、食品に関する技術的問題を対象とする、二国間の実務家レベルによる技術的議論を継続し、又は適当な場合には新たに開始する。

2. 情報通信技術と電子商取引

 1999年の電子商取引に関する共同声明の主要な要素を再確認し、双方は特に次の分野で日豪関係当局間の協力を増進する。

(a) 電子証明書の相互承認に係る法制度理解促進の確立。

(b) 他の商取引利用者に与えられるものと同様の保護を電子商取引の利用者にも与えることの確保。

(c) 電子的に送信される個人情報プライバシー保護の促進。

(d) 電子政府を促進するための政策対話。

(e) 情報格差(デジタル・ディバイド)解消に取り組むための政策対話。

(f) ブロードバンド・アクセス・サービスの導入促進のための政策対話。

3. 税関協力及び貿易取引文書の電子化

(a) 貿易円滑化を促進するための共同の措置についての協力を目的とする二国間の協力枠組みの作成。

(b) 食品や農産物の衛生証明書の電子化について、技術的な情報の交換を行う。

4. 専門職業資格の相互承認

 専門職業資格分野のGATS第7条に合致する専門職業資格の相互承認に関する、前向きな作業計画。この作業計画は、特定の技術分野を優先して開始する。両国は機械、電気、化学分野のエンジニアに関する相互承認のための枠組みをすみやかに作成する意図を有する。

5. 投資促進

 情報通信技術、生物工学、超微細工学を含む、相互に関心のある分野における研究、投資及び商業的連携の促進のために、豪州連邦政府投資促進庁(Invest Australia)、豪州連邦政府貿易促進庁(Austrade)及び日本貿易振興会(JETRO)の間の協力の増進。

(a) 日豪間双方向の投資促進を目的とする相互協力の増進と対話の強化を図るために、日本貿易振興会、豪州連邦政府投資促進庁、豪州連邦政府貿易促進庁の間で了解覚書(MOU)を作成する。

(b) 特に、適当な場合には、当事国の企業によるこれらの分野での投資に関する特定の照会に関連し、日本貿易振興会、豪州連邦政府投資促進庁、豪州連邦政府貿易促進庁の間の対話を強化する。

(c) 強化された対話を通じて、促進事業の効果の最大化を探求する。

6. エネルギー

 政策対話と協力を拡大・深化するための、エネルギー及び鉱物資源に関する二国間枠組みの強化。枠組みには、例えば二国間貿易投資の前向きな環境の促進、エネルギー及び鉱物資源政策に関連した持続可能な発展、相互に関心のある分野における研究協力及び共同研究が含まれ、また、民間の参加も可能とした。

7. 競争政策

 締結可能性のある正式な協力取り決めを通じた、豪州競争消費者委員会と日本公正取引委員会との間の情報交換、法執行支援及び対話の促進のための選択肢の探求。

8. 証券市場に関する監督上の協力

 関係当局間の二国間取極を通じた情報交換に関する対話の促進。

9. 知的財産権

 特許に関する先行技術調査/審査の結果の相互利用に関する情報交換を行うための、豪州特許庁と日本国特許庁の専門家間の対話の確立。

10. 政府調達

 政府調達手続に関する情報交換の促進。

11. 建設業許可

 建設業許可に関連し、建設業において双方が合意した事項に関する情報交換の更な る促進。




附属文書II

1. 日豪間の物品、サービスの貿易及び投資の自由化の得失を検討するために政府間の共同研究を行う。

2. 共同研究の付託事項は次のとおりである。

(a) 政府間関係の主要な要素を含め、二国間貿易投資の最近の傾向に関する概観を作成する。

(b) アジア太平洋地域における経済統合取り決めに特に焦点を当て、最近の国際的な貿易政策の展開及び日豪貿易投資の流れに対して生じうる影響について評価する。

(c) 日豪間で存在する貿易投資障壁を特定し、記述する。これには、物品(関税、関税割当及び非関税措置)、サービス、投資(事業法人の設立に関する事前、事後の条件、市場アクセス、自然人の一時的移動)及び政府調達や競争政策等の他の関連する問題、及び附属文書・に規定された協力活動を実施する際に生じうる問題も含まれる。

(d) 物品、サービス貿易及び投資の流れに対する障壁の完全または部分的な除去がもたらす影響について、分野別の及び経済全般における詳細な評価を提供する。これは、経済モデル分析から描かれる結果という形での定量的データと定性的資料の双方を含む。

3. 共同研究は2年以内に完了し、その結果は合同協議委員会に報告される。



目次


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