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スマトラ沖大地震およびインド洋津波災害に関する閣僚級ドナー会合
(概要と評価)

平成17年1月13日

【ポイント】

11日、ジュネーブにおいて津波災害に関する閣僚級ドナー会合が開催された。
我が国からは谷川秀善外務副大臣が代表として出席した。

国連緊急アピールに応え、各ドナーより、当面6か月の緊急ニーズに対する国際機関を通じた資金拠出として約7億5600万ドルの拠出意図表明がなされた(アピール要請額(約9億7700万ドル)の77.4%に相当)。

我が国は、ドナー国の中で最初にスピーチを行い、国際赤十字(IFRC、ICRC)への拠出を含め上記拠出総額の約3分の1に当たる2億5000万ドルの拠出を表明各国際機関、関係国より高い評価を得た

 11日、ジュネーブ国連欧州本部において、国連主催により、スマトラ沖大地震およびインド洋津波災害に関する閣僚級ドナー会合(the Ministerial-level Meeting on Humanitarian Assistance to Tsunami-Affected Communities)が開催されたところ、その概要と評価は以下のとおり。

1.会合の概要

今次会合は、国際社会の支援の現状を説明し、今後の支援に対する拠出を募るべく、国連が呼びかけ、被災国、ドナー国、国際機関の参加を得て開催。我が国からは谷川秀善外務副大臣が出席

主催者であるエグランド国連人道問題担当事務次長を始めとする国際機関、および被災国(インドネシア、スリランカ、モルディブ、セイシェル、タイ、インド)からの発言に続き、60のドナー国(日本、EU議長国(ルクセンブルク)、米国、英、ノルウェー、独、仏、カナダ、オランダ、豪 他)が発言。我が国はドナー国のトップとしてスピーチを行った

ドナーからは、1月6日に発表された国連緊急アピール(約9億7700万ドルを要請)に対し、総額約7億5600万ドルに上る明示的な拠出表明が行われた。これは緊急アピール要請額の約77.4%に相当する。

我が国は、国際機関(国際赤十字(IFRC、ICRC)を含む)を経由して、総額2億5000万ドルの拠出を行うことを表明し、各機関への拠出内訳を発表した(別添資料参照)。我が国の右支援額は、ドナー各国の中で最大のもの(各国表明総額の約3分の1、国際赤十字分を除いても約3割)であり、特に目立った存在となった。

主要ドナー国の国連緊急アピールに対する具体的拠出意図表明額
(会合後のエグランド事務次長による記者会見での発言に基づく額)

日本: 2億5000万ドル
英: 7400万ドル
独: 6800万ドル
ノルウェー: 6500万ドル
EU: 6100万ドル
豪: 4000万ドル
米: 3500万ドル
フィンランド: 3000万ドル
カナダ: 2900万ドル
スウェーデン: 2300万ドル
デンマーク: 2200万ドル
中国: 2000万ドル

なお、主要なドナー国からは、上述の緊急フェーズの支援に加え、中長期の復旧・復興を視野に入れた支援の意図が表明された。

被災国側からは、国際社会のこれまでの支援に対して謝意が述べられると共に、更なる支援への要請が表明され、また被災国側としても支援の効果的な実施のために必要な管理を行っていく旨が表明された。

参加者より、津波の早期警戒、予防及び防止が重要であるとの指摘がなされた。

2.評価

(1) 今次会合には、ナツィオス米国際援助長官、ベン英国際開発大臣、ミュラー独外務担当国務大臣、EU議長国としてシルツ協力・人道支援活動大臣(ルクセンブルグ)など多くのドナー国、及びインドネシア、スリランカ、モルディブ等の被災国から関係閣僚等が出席し、ドナー60か国を含む計65か国がステートメントを行った。同会合には、WFP、UNICEF、UNHCR等の国連機関、IFRC、ICRC、IOM等の国際機関の代表者も出席し、人道支援会合としては近年に前例がない程のハイレベルかつ盛況な会合となった。

(2) 今回のドナー会合では、1月6日に国連が発表した緊急アピールにおける要請総額である約9億7700万ドルの約77.4%に当たる約7億5600万ドルの拠出意図が、緊急ニーズに対する支援として明示的な形で表明された。災害発生から約2週間後、アピール発出からはわずか5日後という時点で開催されたドナー会合で、このように多額の支援が明確な形で約束されたことは極めて異例なことであり、我が国を含む国際社会がいかに今回の津波災害の甚大さと迅速な救済活動の必要性を深く認識しているかを示すものと言える。会合を主催した国連のエグランド事務次長も、国際社会の支援と連帯に満足と感謝の念を表明した。

(3) そのような中で、我が国は谷川外務副大臣を代表として本件会合に臨み、各国の担当大臣に先んじて、ドナー国としては最初にステートメントを行うと共に、2億5000万ドルに上る多額の拠出を誓約し、また実際の拠出についても早急に実施する旨明確に約した。このような我が国の支援内容及び積極的な支援姿勢は、他のドナー国の追随を許さないものであり、国際機関や関係国から極めて高い評価を得た(国連、各国際機関、被災国代表より谷川副大臣に対して個別に感謝の念が表明された他、エグランド事務次長が、記者会見において日本の貢献を高く評価する旨特に言及した)。

〈参考〉
  1. エグランド国連事務次長の発言概要
    • 人道活動の調整に国連が主導的な役割を担っていく。
    • ドナーが拠出誓約を早期に実施に移すこと、また、緊急ニーズのために更なる支援を行うことを期待する。
    • 多大な資金の使用法について透明性をもったシステムを構築していく。
    • 被災国には全ての被災地へのアクセス、ドナーには津波早期警戒システム構築への協力、各国際機関には相互のパートナーシップを要請する。
    • 今後緊急支援から復旧・復興支援への移行が確実に行われるよう最善を尽くし、その後の援助調整は然るべき開発援助パネルに委譲していくこととなる。


  2. 谷川外務副大臣のステートメント概要
    • 国際社会の共感と連帯の精神および国連の中心的な役割が重要であり、我が国も「資金」、「知見」、及び「人的貢献」の3局面で最大限の支援を行っている。
    • 「資金面」では、当面5億ドルを限度とする無償支援について、インドネシア、スリランカ、モルディブの3ヵ国への総額2億5000万ドル相当の二国間無償資金協力を行う。また、残りの2億5000万ドルを国際機関に対して拠出する(具体的拠出先内訳を発表)。
    • 我が国の支援は、緊急のニーズに対して行うものであり、早急に実施に移す。他の諸国に対しても、自ら表明した支援を早急に実施に移すことを呼びかける。
    • 「知見」に関しては、インド洋地域に津波早期警戒メカニズムを速やかに構築するよう努力する。また、神戸で開催される国連防災世界会議の「特別セッション」において、具体的な協力のあり方について議論し、我が国の知見と技術を積極的に提供していく。
    • 「人的貢献」については、インドネシア、タイ、スリランカ、モルディブの各被災地への国際緊急援助隊の派遣、自衛隊を活用した捜索・救助活動や輸送支援を実施。
    • 更に、今後は、上記3局面の緊急支援に加え、新たに中長期的な復興支援についても、各国・国際機関と緊密に協調し、最大限の支援を行う。




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