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アジア欧州会合(ASEM)第3回外相会合
(概要)

平成13年5月28日

1.日程・出席者等

 5月24日、25日、北京においてアジア欧州会合(ASEM)第3回外相会合が行われた。本会合には、田中外務大臣をはじめアジア側より10か国(日本、中国、韓国、及びASEANのうち7か国)の外相が、欧州側よりEU加盟国15か国の外相及び対外関係担当欧州委員が出席した(一部は代理出席)。

2.議長声明

 会合後、朝鮮半島情勢、WTO、環境など、政治、経済、文化その他のASEM活動の3つの分野での議論を総括し、アジアと欧州のパートナーシップの強化を強調する議長声明が発出された(仮約(PDF)骨子別添)。

3.議論の概要

 今回の外相会合は、平成12年のASEM第3回首脳会合(ASEM3)で合意されたアジア・欧州間の協力の強化を実践する重要な機会であり、出席者の間で、幅広い問題にわたって率直な意見交換が行われた。
 24日のワーキング・ディナー及び25日午前のセッションにおいては、主に地域・国際情勢についての政治対話が行われ、朝鮮半島情勢、ASEAN+3、EU拡大、バルカン情勢、国連、軍備管理・軍縮、中東和平等について議論された。
 25日午後のセッションにおいては、経済・金融分野における協力として、WTO、デジタル・デバイド、中小企業協力等について議論され、また、文化その他の分野における協力として、地球環境問題、国際犯罪、女性と子供の密輸等について議論された。また、ASEMにおける議論のあり方や、ASEMへの新規参加についても議論が行われた。

4.我が方からの発言

 田中大臣からは、朝鮮半島情勢、国連、WTO、環境の4つの事項について、概要以下の発言を全て英語で行った。

(1) 朝鮮半島情勢

 先般のEU代表団の訪朝等前向きな動きが見られるが、北朝鮮の国内体制には変化がなく、安全保障上の懸念や人道・人権上の問題が依然存在。こうした懸念・問題に対する北朝鮮の前向きな対応をASEMとして一致して求めるべき。日朝国交正常化交渉については、韓米両国との緊密な連携の下、北東アジアの平和と安定に資するような形で粘り強く進める。拉致問題等の人道上の問題やミサイル等の安全保障上の問題を含む日朝間の諸懸案の解決のため、全力を尽くしたい。

(2) 国連

 安保理改革については、今や残された論点( 1)安保理の議席数、2)新しい常任理事国の選出方法、3)拒否権等)について議論を進めるべき。また、多様化している国連平和維持活動の改善・強化は重要。日本は、PKOに対する協力を継続していく。

(3) WTO

 11月のカタルにおける閣僚会議での新ラウンドの立ち上げを極めて重視。市場アクセスのみならず、貿易ルールも交渉対象とし、各国の幅広い関心に応えることが重要。日本は、途上国がWTOに積極的に参加できるよう、貿易関連の能力向上についても、積極的に取り組んでいる。

(4) 環境

 開発問題の視点とともに、環境問題解決に資する革新的技術の開発が必要。京都議定書の2002年までの発効に向けた努力を継続すべき。米国が京都議定書を締結することが極めて重要。COP6再開会合に向けて、柔軟かつ建設的な姿勢で交渉再開に臨むことが不可欠。気候変動問題でアジアと欧州とが協力すること、及び中国を含む途上国が自主的努力を米国を含む国際社会に示すことが重要。


4.二国間会談等

 田中大臣は北京滞在中、唐家?中国外交部長、韓昇洙(ハン・スンス)韓国外交通商部長官、フィッシャー独外相、及びヴェドリーヌ仏外相と二国間会談を行った他、アジア側及び欧州側各国の外相と会談の前後や、昼食・夕食の機会を捉え懇談を行った。




(別添)
ASEM第3回外相会合議長声明骨子


【アジア欧州協力】 アジア欧州協力の強化を再確認。平和、安定、持続的発展、民主主義、法の支配、人権及び基本的自由の促進のため、国際協力が必要。

【政治対話】 政治対話の促進の重要性を再確認。

【地域協力】 ASEAN+3、ARF等の地域協力の重要性を認識。

【朝鮮半島】 第2回南北首脳会談の早期開催を含む南北対話の強化及び和解と協力のプロセスの進展を期待。EU代表団の朝鮮半島訪問を歓迎。南北和解、安全保障、人道、人権の問題に関する会談の前向きの結果に留意。これらの問題に関する北朝鮮とASEM参加国との間の更なる対話を期待。

【バルカン】 国際社会、特に南東欧安定化協定による改革の履行に向けた重要な貢献を強調。

【東チモール】 東チモールの和解と国造りに国際社会が独立後も積極的に参画すべきとの認識を共有。

【中東】 状況悪化阻止、停戦に向けた努力を要請。ミッチェル委員会報告書、エジプト・ヨルダン提案を支持。

【国連等】 軍備管理・軍縮、国連改革の分野でのASEMの対話を更に進展させることに合意。国連での協力強化のため、国連総会の前にASEM参加国の協議を開催することを決定。

【経済情勢】 アジア地域経済の回復とユーロ地域の安定を歓迎。

【グローバリゼーション】 グローバリゼーションから最大限の利益を得る上でASEMは重要な役割を果たし得る。

【WTO】 全てのWTO加盟国の利益を考慮したバランスのとれた包括的なアジェンダで、新ラウンドを第4回WTO閣僚会議において立ち上げるため、努力を強化。全てのASEM参加国のWTO加盟はWTOを強化する。

【経済面での協力】 9月にハノイで開催されるASEM第3回経済閣僚会合に期待。デジタル・オポチュニティに関するASEMセミナーの成果を歓迎し、デジタル・デバイドへの取り組みの継続的努力を支持。

【金融面での協力】 平成13年1月神戸で開催されたASEM第3回財務大臣会合の成果を確認。神戸リサーチ・プロジェクトの開始を歓迎。

【文化交流】 両地域間の文化交流等に貢献するアジア欧州財団の活動を賞賛。

【国際組織犯罪】 国際組織犯罪への取り組みに関連するASEMの活動に期待。国連国際組織犯罪条約及び議定書を歓迎。

【環境】 ASEM第1回環境大臣会合に期待。地球温暖化は国際社会全体が協調して取り組むべき深刻な課題との認識を共有し、京都議定書の重要性を強調。

【新規参加等】 ASEMの対話のあり方を議論。ASEMへの新規参加につき意見交換を行い、次回外相会合で再度議論することに合意。

【次回外相会合】 ASEM第4回外相会合の2002年6月スペイン開催に合意。


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