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第2回アジア欧州(ASEM)外相会合の概要


平成11年3月29日

1.日程

 3月28日、29日、ドイツのベルリンで第2回ASEM外相会合が行われ、我が方から高村外務大臣、丹波外務審議官等が出席した。高村大臣は、この機会に、議長国独を始めとし、EUトロイカ、中国、韓国、インドネシアの外相との二国間会談を行った。 

2.主要テーマ

 今回の大きなテーマは、(1)世界経済情勢、(2)地域・国際情勢についての政治対話、(3)ASEM活動のレビューと今後のあり方の検討であった。全体的に見れば、これらの重要な現下の国際問題について外相間で率直かつ活発に意見のやりとりが行われ、アジアと欧州の対話フォーラムとしてのASEMの重要性を再確認した。

(1) 世界経済情勢

(イ) 平成10年のロンドンでの首脳会合でも主要テーマとなったアジア経済危機については、国際社会の支援のもとアジア諸国の安定化と改革の努力は実を結び始めている一方で、危機の社会的影響は厳しい状況にあるとの認識が一致した。また平成10年の第2回ASEM首脳会合(於ロンドン)での危機対応に関連した諸イニシアティヴ(世銀でのASEM信託基金、欧州金融専門ネットワーク(EFEX)、ハイレベルのビジネス・ミッションの派遣等)の迅速な実施・進捗状況を評価した。
(ロ) WTO
 WTOの下での多角的貿易体制を強化することは重要であり、広範な論点についての将来の交渉に関するASEM経済閣僚会合の重要性に言及。またすべてのASEM諸国のWTOへの加盟がWTOを強化するものである旨強調した。
(ハ) ユーロ
 また平成11年1月よりのユーロ通貨のスムーズな導入を歓迎し、ユーロが世界経済の発展に資することへの期待を表明。


(2) 政治対話

(イ) 朝鮮半島、カンボディア、旧ユーゴ、ロシアの情勢などに関し、率直な意見交換が行われ、ASEMとしてこれらの国、地域の安定・発展のために協力することで意見の一致があった。
(ロ) 中でも朝鮮半島情勢については、前向きな進展を評価すると同時に、大量破壊兵器拡散防止などの懸念解消の重要性に理解を得られた。
(ハ) また地球規模の問題についても安保理改革を含む国連改革へのコミットメントや「犠牲者ゼロ」の目標に向けた対人地雷除去の努力など、日本の主張も充分反映された。
(ニ) ASEMにおける政治対話は、過去首脳会合、外相会合、SOM会合で実施されており、アジア欧州間の意見交換の場として定着したと言える。


(3) ASEM活動のレビュー及び今後のあり方の検討

(イ) 第2回首脳会合で決定されたプロジェクト、会合等の進展を歓迎。
(ロ) 21世紀に向けたASEMの中長期的な協力枠組みに関するヴィジョン・グループの報告書が提出され、外相はこの報告書の提言を注意深く検討する。
(ハ) 新規参加問題については、特段の結論は出ず、今後更にSOMの場で検討を行っていくこととなった。


3.日本の貢献

(1) アジア経済の再生に必要である日本経済の再生努力につき説明。一部に明るい兆しが見え始めたことを紹介。約800億ドルのアジア支援策等の日本の努力がアジア経済の改善に奏功してきた感あり。

(2) 政治対話を進めるに当たって、アジア欧州間の相互理解と協力を促進するために、建設的で有意義な議論が行えるように積極的に関与した。

(3) 調整国との協力を通じたASEMプロセスの進展に努力。特に2000年首脳会合の開催国である韓国とは今後とも緊密な協力。





第2回ASEM外相会合議長声明の主要点

(同議長声明・仮訳(PDF))

包括的な政治対話:欧州とアジアの情勢

  • アジアと欧州が共通の関心を有する地域及び国際問題についての包括的な政治対話の実施。
  • 朝鮮半島に関する前向きな進展への言及及び大量破壊兵器の拡散防止等の共通の懸念を解決するための対話継続への希望。
  • 南アジアにおける核実験の影響への言及及び当該国が前向きなステップをとっていることを歓迎。
  • ユーロ導入及びEU拡大の進展を議論。
  • ASEAN10の実現、ARF及びASEAN拡大外相会議等での対話の進展を歓迎。


地球的規模の諸問題

  • 国連の包括的改革案(トラック2)に関する作業の進展を歓迎。引き続き改革を推進し、国連を強化するために協力していくとの決意を表明。
  • 大量破壊兵器の軍備管理・軍縮及び不拡散に関する作業の進展の必要性を強調。
  • 対人地雷禁止条約の発効を歓迎。「犠牲者ゼロ」の目標に向けて地雷除去活動実施の必要性につき認識が一致。
  • 小火器に関するEU共同行動及び国連小火器政府専門家グループの活動を歓迎。
  • 人権の重要性につき意見が一致。
  • 薬物取引、国際犯罪、貧困撲滅等の地球規模の諸課題に関する対話の重要性。
  • 気候変動について京都議定書を歓迎。ASEM各国間の協力増進。


金融・経済問題での協力

  • アジア経済の回復の兆候があるが社会的影響は深刻との認識。
  • 保護主義圧力に抵抗、更なる多角的自由化を模索。
  • 国際金融システムのアーキテクチャー強化。
  • WTO強化の重要性、広範な論点についての将来の交渉に関するASEM経済閣僚会合の重要性に言及。
  • アジア欧州間で民間ビジネスと金融部門の協力強化。両地域への生産的な投資活動の維持・拡大。
  • 中小企業、インフラ等他の経済分野での対話・協力の推進。


文化、教育、環境、科学技術分野での協力

  • 科学技術面での協力強化の更なる努力。科学技術大臣会合を歓迎。
  • ASEMの諸活動(アジア欧州財団、環境技術センター等)の評価。
  • 文化遺産の保護・推進。


ASEMプロセスの将来の道筋

  • ヴィジョン・グループ報告書による中長期的ヴィジョン。
  • ASEM作業計画の改訂。


第3回ASEM首脳会合とその後

  • ASEM3開催(2000年10月20-21日於ソウル)。
  • 第3回外相会合(2001年北京で開催)。


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