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最終報告及び提言 要 約 (仮訳) はじめに 1. アジアと欧州との間のより緊密な経済パートナーシップ(CEP)のためのASEMタスクフォースは、最終報告書を作成するにあたり、2003年及び2004年に5回の会合を開催した。この報告書は、タスクフォースのCEPに対する展望、ASEMプロセスの将来のためのASEM首脳への一般的な提言及びCEPのための具体的で行動指向的な提言を提示するものである。 前文:一般原則及びASEM CEPに向けた展望の説明 2. タスクフォースは、CEPがASEMプロセスを本質的に強化すると考える。タスクフォースは、このパートナーシップが意味のあるものであり続けるには、ASEMの更なる機構面での強化が不可欠であると確信する。 3. タスクフォースは、大西洋を挟んでの、及び太平洋を挟んでの政治並びに経済面での連携が優位を占めている現在の国際社会において、CEPがアジアと欧州の関係を強化するという重要な戦略的価値を持つことを強調する。 4. タスクフォースは、ASEMの米ドルへの依存度を軽減することにより、CEPがより安定した国際通貨制度の構築の支援も行うべきであると信じる。 5. また、タスクフォースは、CEPがアジアと欧州とを結んでいる地域の繁栄と安定に貢献することを試みるべきであろうと考える。従ってCEPは、欧州とアジアのASEM参加国だけではなく、ASEM参加国を結ぶアジアと欧州の間に位置する国々において、運輸、通信、水資源及びエネルギー・インフラの開発を促進することも目標とするべきである。 6. タスクフォースは、ASEM首脳が、WTOのドーハ・ラウンド多角的貿易交渉を迅速かつ成功裡に妥結するために明確な貢献を行うよう強く促す。タスクフォースは、ASEMプロセスが多角的貿易体制と矛盾し、世界経済の更なる自由化と競合するものではなく、また決してそう見なされてはならないことを強調する。 7. 地域間及び多角的に更に自由な貿易を促進するためのASEMの努力は、中小企業にとって特に重要である。貿易障壁、特に非関税障壁は、大企業よりも中小企業に対して、均衡を失してより有害な影響を与える傾向がある。CEPがASEMビジネス界への情報の流れを改善しようと試みることは、中小企業への支援にもなる。 8. タスクフォースは、ASEMの経済の柱の見直しを行っているSOMTIの取り組みと同様に、アジア欧州ビジネス・フォーラム(AEBF)及びASEMビジョングループが行った最も適切な提言のようなASEMの過去の実績をASEM参加国が認識し、これらを基礎とするべきであるとも考える。このような調整と組織的な努力は、ASEMの機構面における更なる強化を必要とする。 9. タスクフォースは、CEPのためにはASEM首脳が、東アジアにおけるより深化した経済統合と、欧州連合におけるより速やかな経済改革に取り組む必要があると結論付ける。 ASEM首脳に対するタスクフォースの一般的な提言 10. ASEM参加国は、ASEMの機構組織の面で運営上の強化を行い、ASEMプロセスを対話のためのものから協力のためのものに正式に格上げするべきである。 11. CEPは、ASEM参加国の米ドルへの依存度を下げ、ユーロの国際的役割を増大し、より均衡した国際通貨制度を作るため、アジアの域内貯蓄のより合理的でより有効的な活用に向けて段階的な措置をとるべきである。 12. ASEMは、欧州とアジアの間に位置する地域の繁栄と安定をASEMの協力の新たな優先分野とし、この地域のASEM参加国において、及び欧州とアジアを結ぶ内陸路に沿って、運輸、通信、水資源及びエネルギー・インフラの長期的な開発を促進するべきである。 13. ASEMの公式目標として、地域間自由貿易の2025年までの実現を宣言するべきである。さらに、ASEM首脳は、いかなる形式の開かれた地域主義がASEMの利益に最適であるかについて、詳細な研究を委託するべきである。 14. ASEMは、ASEM地域内及びASEM地域間の中小企業活動の促進が、ASEMの経済の柱における活動の中心的な優先事項であると宣言するべきである。 15. ASEMパートナーシップは、地域の主要な課題-アジアにおけるより深化した経済統合の実現と欧州における速やかな経済改革-の解決を最優先政策課題に据えるべきである。 タスクフォースによるCEPのための具体的で行動指向的な提言 16. タスクフォースは、将来のASEM活動の組織化、活動の追跡及び明文化を統合できるASEMバーチャル事務局の設置を提案する。そのような措置は、ASEMプロセスを対話から協力と高めるという勧告と軸を一にするものである。事務局は短期的には“バーチャル”(新たなASEMウェブサイトの形式を利用)であるべきだが、タスクフォースは、中期的には、この“バーチャル事務局”をスタッフ、設備及び予算を備えた物理的なASEM事務局へと転換する必要があるかもしれないことを強調する。このような提案は、更なるASEM拡大に向けた圧力に対処し、ASEM対話の活力と努力に更に建設的に焦点をあて、組織としての蓄積をより効率良く利用し、ASEMの知名度を高め、そして最終的にはASEM参加国の国民や首脳に対してASEMの妥当性及び有益性を高めるといった観点からASEMを支援することを目的としている。 17. タスクフォースは、円、ユーロ及び米ドルから成るバスケット通貨建てのASEM“YES”債券市場及びASEM“YES”債券基金の創設を提案する。このような債券市場の創設は、アジア債券市場の発展を加速させることにより、アジア各国における銀行融資及び対外資金調達への過度の依存が引き起こすリスクを軽減させ、アジアでの域内貯蓄のより合理的かつ有益な利用を促進し、潜在的に不安定要因となりうる米ドルに対する過剰依存を徐々に縮小させ、将来のアジアにおける一層の経済的及び金融的統合にむけて取りうる更なる取り組みを促進するなど、お互いにとって多くの目標に役立つものである。更にはユーロの国際的な利用を促進させるであろう。ASEM債券基金は、このプロセスの触媒としての役割を果たすことにより、このプロセスを進展させる。 18. タスクフォースは、ASEMがエネルギー問題に関する定期的な協議を正式に経済の柱に組み入れ、広範囲に及ぶアジアと欧州のエネルギーに関する共通の関心をASEM対話の中心に置くことを提案する。また、多くのASEM参加国がエネルギー純消費国及び純輸入国として共通の関心を有していることから、タスクフォースは、多くの共通のエネルギー目標に関する更なるASEM協力を進展させることも提案する。この提案は、CEPが、欧州とアジアの間に位置する地域の運輸、通信、水資源及びエネルギー・インフラへのASEM協力を通じ、これらの地域の繁栄と安定に貢献することを試みるべきであるというタスクフォースの一般的な提言を補完するものである。 19. タスクフォースは、主としてASEMの中小企業の活動を刺激するがこれに限らず、また新たに提案されたASEM高級経営責任者諮問ネットワークの活動を統合及び調整する、貿易・投資及び観光に関するASEMバーチャル促進センターの創設を提案する。新たなASEMウェブサイトの形式を利用したこの提案は、ASEM参加国内及びASEM参加国間の双方における中小企業の活動を促進させる情報及び資源の重要な流れを改善するために、刷新され、協調され、且つ一貫した努力をASEMが行う必要があることを認識している。 20. タスクフォースは、ASEMビジネス諮問委員会(ASEMBAC)の設立を提案する。このような提案は、ASEM対話の文脈内及びその文脈を越えて、ASEMビジネス界とASEM首脳のより強くかつ持続する関係を構築することにより、AEBFの活動を補完することを目指している。 結論 21. タスクフォースは、ASEMはアジアと欧州の双方にとって、戦略的に中心的な重要性を有しており、有意義なCEPを創造するために協調して努力することは、ASEMプロセスを強化する上で、重要な必要条件であると結論付ける。ASEM地域やアジア・欧州関係における前向きな変遷を促進するため、より具体的な形の協力に取り組むことで、ASEMでの対話は深化を続けるものと考える。最後に、タスクフォースは、より強く、より戦略指向的な欧州とアジアのパートナーシップは、真に多角的な国際システム及びより安定し繁栄した世界秩序の形成を支援することにより、国際社会全体に対して利益をもたらすと確信するものである。 |
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