アジア欧州会合第5回首脳会合議長声明
(骨子)
政治
- テロ、大量破壊兵器等新たな脅威の評価とこれらの問題解決に向けたASEM参加国の決意を表明。
- 総会及び安保理の改革を含む国連改革を支持。来年のミレニアム宣言にかかる国連総会ハイレベル全体会合の成功に努力。
- テロとの闘いにおける国際協調を確認。
- 大量破壊兵器、国境を越えた犯罪へのASEMの取組を強化。
- 京都議定書の重要性を強調し、ロシア政府による同議定書批准提案を歓迎。
経済
- ASEM参加各国に対し、国内経済改革の継続を奨励。
- より緊密なASEM経済パートナーシップ宣言を採択し、閣僚に宣言の速やかな実行を指示。
- 石油価格高騰に対する懸念を表明。産油国に適切な供給を呼びかけると共に、消費国側での省エネ等の重要性を強調。
- ASEMタスクフォースの提言を高く評価し、閣僚に検討とフォローアップを指示。
- ASEMの政府部門と経済界の相互交流を促進することに合意。
- WTOドーハ・ラウンド交渉の成功を目指し、ASEM参加各国間の協力を一層強化することに合意。ベトナム及びラオスのWTO早期加盟を支持。枠組み合意を歓迎し、WTO加盟国に対して、引き続き交渉の進展を目指すよう奨励。
- 経済統合に向けた取組を歓迎すると共に、WTO規則との整合性を保つことの必要性を強調。
文化等
- 世界の平和、安全及び発展への協力を保持する上で、文化と文明に関する対話が重要であることを強調。文化と文明に関する宣言を採択。
- 社会開発、労働雇用、教育訓練、公衆衛生及び環境について対話と協力の推進。
- アジア欧州財団(ASEF)の運営及び長期的財政安定に関する勧告を承認。ASEM情報ボードの立ち上げを歓迎。
地域情勢
- EUの拡大と深化、ASEAN、ASEAN+3等の枠組での協力強化を歓迎。
- 六者会合を通じた朝鮮半島の非核化を支持。核問題に取り組むため調整された措置をとると共に、全ての関連する懸念に取り組むことを奨励。
- 中東和平に関し、(イスラエル・パレスチナ)双方がロードマップ上の義務を果たすよう要請。
- イラクの安全確保のための暫定政府の努力、及び国連、国際社会との協力を支持。来年1月の選挙の予定通りの実施を期待。
- アフガニスタンの再建と安定、移行政権への支持。テロ、麻薬の製造及び密輸を懸念。全ての軍閥の武装解除、動員解除、社会復帰(DDR)が必要。10月9日の大統領選挙を歓迎。
- ミャンマーの全ての関係諸勢力が国民和解プロセスの成功に向けて努力することを奨励。国民議会は国民和解及び民主化にとって重要な要素、並びに、全ての政治勢力が参加する真に開かれた議論の場となるべき。諸政党に課された制限が早期に解除されることを待望。
ASEMの将来
- ASEMの調整と運営機能を引き続き改善させる必要性に合意し、ASEMの作業方法に関する提言を承認。
- 13か国のASEM新規参加を歓迎。
- 来年5月の第7回外相会合に向けてASEMとしての具体的な協力分野の検討を高級実務者に指示。ASEMの機構の改善及び更なる新規参加問題に関する検討と提言の提出を外相に指示。
- 新しいイニシアティブの承認。
- 2006年9月14-15日にフィンランドで第6回首脳会合を開催することを承認。
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