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(仮訳)

議長声明

第5回アジア欧州会合
ハノイ 2004年10月8-9日


 第5回アジア欧州会合(ASEM5)は、2004年10月8日及び9日にハノイにおいて開催された。首脳会合には、アジアから13か国の首脳が、また欧州から欧州理事会議長としてのルクセンブルク首相を含む25か国の首脳と欧州委員会委員長が出席した。ベトナム社会主義共和国首相ファン・ヴァン・カイ閣下がこの重要な会合の議長を務めた。

 首脳は、1996年にバンコクで、1998年にロンドンで、2000年にソウルで、2002年にコペンハーゲンで開催されたこれまでの首脳会合を想起し、「アジア欧州パートナーシップの更なる再活性化と実質化」という全体テーマの下、共通の利益と関心に係る様々な問題について包括的で詳細な、かつ、実りある議論を行った。

 首脳は、これまでの首脳会合において意見の一致を見、アジア欧州協力枠組み(AECF2000)に示された原則に基づくASEMプロセスの進展に満足の意をもって留意した。首脳は、ASEM4以降の外相会合、経済閣僚会合及び財務大臣会合、並びに環境大臣会合、文化担当大臣会合及び農業協力に関するASEMハイレベル会合で得られた積極的な成果に賞賛の意をもって留意し、これらの会合の勧告を承認した。

1. 政治対話の深化

1.1. 首脳は、ASEM4以降に生じた現在の国際情勢の複雑かつ重大な変化を振り返り、これらの変化は地球規模かつ多面的な特質を有するものであり、世界の平和及び安全、並びに持続可能な経済開発にとり、機会と挑戦の双方をもたらすものであることを強調した。首脳は一方で、大きな流れは引き続き平和的、協力的及び発展的なものであることに同意した。
1.2. 首脳は、不安定性、テロリズム、分離主義、大量破壊兵器の拡散、国境を越えた犯罪、グローバル化の負の側面、富裕層と貧困層の乖離の拡大、感染症、環境破壊、並びに気候変動といった新たな地球規模の課題と脅威に取り組む決意を再確認した。この目的のため、首脳は、ASEMの対話と協力、並びにアジア欧州パートナーシップの文脈の中で、協調及び協力を強化することで合意した。
1.3. 首脳は、こうした地球規模かつ多面的な特質をもつ重大な課題は、相互理解、平等並びに相互利益に基づく徹底した対話と緊密な協力を通じた多国間アプローチ及び集団行動をもって取り組まれるべきものであることを認識し、国連が中心的役割を果たす中、多国間主義及び公正、正当かつルールに基づく国際秩序への強固な決意を再確認した。
1.4. 首脳は、国連システムの代表性、透明性及び実効性を強化し拡充させるため、総会及び安全保障理事会を含む、国連並びにその主要な機関の改革に関する進行中のプロセスへの支持を繰り返した。首脳は、ASEM参加国が2005年の国連総会ハイレベル全体会合の成功を確かなものとするために最大限の努力を行い、ミレニアム開発目標、並びに脅威、課題と変革に関するハイレベル委員会のフォローアップを含む、ミレニアム宣言におけるあらゆるコミットメントの履行に取り組む決意であることを強調した。首脳はまた、国際刑事裁判所に言及し、本件につき引き続き対話していくことで合意した。
1.5. 首脳は、世界的な多国間体制を強化することを促すため、ASEM並びに地域内及び地域間の枠組みにおける多国間の対話と協力を強化する必要性につき合意した。首脳は、ASEM参加国の間で多国間の問題に関する協調を拡充することを確保する必要性を強調し、適切な場合には多国間の枠組み、とりわけ国連におけるASEMの協調を強化するための提案を行うため、既存のASEM手続きを見直すべきとの外相による勧告を承認した。首脳はまた、2004年4月にアイルランドのキルデアにおいてASEM外相により発出された「多国間主義に関するASEM宣言」を歓迎した。
1.6. 首脳は、一連のテロ攻撃を非難し、特にインドネシア、ロシア及びスペインにおけるテロ攻撃の犠牲者の家族に対する衷心からのお悔やみと哀悼の意を表した。首脳は、依然として国際の平和及び安全、持続可能な開発、及び政治的安定に対する重大な脅威となっているあらゆる形態及び示威行為としてのテロと闘う強い決意を再確認した。首脳は、テロとの闘いが、テロリズムの根本的原因を十分に考慮しつつ、包括的なアプローチ、集団的な努力、及び国連が主導的な役割を果たす国際的な協力を必要とするものであることを強調した。首脳はまた、テロとの闘いは、不干渉、領土保全及び国家主権の尊重、並びに人権と法の支配の尊重を含む国連憲章の諸原則と国際法の基本的な規範に則って行われなければならないことを強調した。首脳は、国際社会が全ての対テロ関連条約並びに議定書を締結及び履行し、決議1373を含む対テロ関連国連安保理決議の完全な履行を確保することの重要性を強調した。
1.7. 首脳は、ASEM4において表明された決意を想起し、特定のイニシアティブ及び実践的方策並びに必要な場合にはキャパシティ・ビルディングによる支援を通じたテロとの闘いにおけるASEMの協議、協力、及び協調を一層強化することの必要性につき合意した。首脳は、2003年9月に北京で開催されたテロ対策に関するASEMセミナーの成果に賞賛の意をもって留意し、2004年10月にドイツにおいて開催される次回セミナーを待望した。首脳は、ASEM及びASEM参加国の間における、並びに欧州連合、ASEAN地域フォーラム、ASEANプラス3及びAPECといった地域枠組みにより最近着手されたその他のテロ対策イニシアティブを歓迎した。
1.8. 首脳は、国境を越えた犯罪がもたらす惨禍並びにそのテロとの連関の可能性に留意し、マネー・ロンダリング、武器密輸、人身売買、違法薬物の製造及び密輸、並びにコンピューター犯罪といった国境を越えた犯罪その他の国際の平和と安全に対する非伝統的な脅威と効果的に闘うため、緊密にかつ国連憲章の諸原則並びに国際法に従って取り組むことに合意した。
1.9. 首脳は、大量破壊兵器及びその運搬手段の不拡散に対するコミットメント並びにこの分野におけるASEM協力の深化への決意を再確認した。首脳は、多国間アプローチ及び協力を強化する必要性、並びに核兵器その他の大量破壊兵器及びその運搬手段の不拡散に関する各々の多国間制度、とりわけ国連の拡充された役割の強化の必要性を強調した。首脳は、不拡散に向けた努力は、軍縮へ向けた努力並びに平和目的での技術の研究及び使用における国際協力の拡充と並行してなされるべきであることで合意した。首脳はまた、大量破壊兵器及びその運搬手段に関する違法取引に対する懸念を表明し、大量破壊兵器及びその運搬手段がテロリストの手に落ちることを許さない強い決意を表明した。
1.10. 首脳は、エイズに関する国連バンコク会議の結果に留意し、世界的なHIV/エイズの伝染がその規模と衝撃ゆえに、世界的な緊急事態となっているという懸念を表明した。HIV/エイズは、世界中の社会的・経済的発展を妨げ、社会のあらゆるレベルに影響し、人間の生命と尊厳に恐るべき困難をもたらしている。首脳は、HIV/エイズに関する国連特別総会において発出されたコミットメント宣言の実施に対する決意を再確認し、HIV/エイズとの闘いはASEM協力の枠組みにおいて重要なものとなるべきであることで合意した。
1.11. 首脳は、地球規模の環境問題、とりわけ気候変動に関する立場の調整におけるASEM環境大臣の役割を賞賛した。首脳は、環境問題に関する協調を追求及び強化する必要性を強調し、次回環境大臣会合を待望している。首脳は、気候変動は引き続き地球が直面する最も重大な環境問題の一つであるという確信を確認した。首脳は、国連気候変動枠組条約に対する支持を確認し、枠組条約の究極的な目標を追求する唯一の既存の世界的制度として京都議定書の役割の重要性を強調した。首脳は、国家院に対し京都議定書を批准するよう提案するとのロシア連邦政府の決定を歓迎し、未だ京都議定書を批准していない国々に対し早期に批准するよう促した。首脳は、気候変動枠組条約の目標を達成し、気候変動に取り組むにあたっての措置の実効性を向上させるため、共同ではあるが各々異なる責任に基づき全ての国の参加を可能にする国際的なパートナーシップに基づく地球規模の行動を確立することとなるよう、2012年以降の枠組みに向けて共に取り組んでいく。
1.12. 首脳は、ASEM移民担当高級実務者により示された具体的措置を通じ国際移民の分野におけるASEMの協力を強化する必要性を強調し、移民問題に取り組む国連の努力に対する支持を表明した。


2. より緊密な経済パートナーシップ

2.1. 首脳は、世界経済におけるアジアの重要性の高まり及びEU全体としての経済成長率を歓迎した。首脳は、全てのASEM参加国が持続的な成長を確実なものとするために各国の必要性と優先度に従って国内経済改革に引き続き取り組むよう奨励した。
2.2. 首脳は、アジア欧州間の経済パートナーシップを包括的かつ未来指向の協力という新たな段階へ導く決意を再確認し、このために、ASEM経済協力の強化のための方向性と方策を示した「より緊密なASEM経済パートナーシップに関するハノイ宣言」を採択した。首脳は、この重要な宣言の迅速な履行に取りかかるよう閣僚に指示した。
2.3. 首脳は、ASEMの経済関係の活動を、アジア欧州間の貿易並びに投資の円滑化及び促進の拡充、地域的債券市場間での更なる協力を含む金融問題における協調と協力の強化、情報通信技術及び知識ベースの経済、エネルギー、運輸、観光、知的財産権、及び中小企業といった共通の関心分野における協力の拡大、持続可能な経済成長、雇用に関する対話、及びASEM参加国間での発展度合いの乖離の縮小の促進、並びにビジネス界の役割及び更なる関与の強化、といった点において強化し、焦点を合わせる必要性につき合意した。
2.4. 首脳は、地域の経済成長を減速させかねない石油価格の高騰に対する懸念を表明した。したがって首脳は、産油国に対し適度な価格を確保するため適切な供給を行うことを求める必要性につき合意し、また消費国におけるエネルギーの節約並びにエネルギー効率の向上の重要性を強調した。
2.5. 首脳は、アジア欧州間のより緊密な経済パートナーシップのためのASEMタスクフォースにより提出された思慮深くかつ重要な勧告を高く賞賛し、経済閣僚及び財務大臣並びにその高級実務者に対し、将来の作業において、現実的かつ可能な場合には、アジア債券市場の進展並びに貿易、投資及び観光の促進に関するバーチャルASEMセンターを含め、具体的な成果を生み出すためにその建設的な勧告を検討しフォローアップするよう指示した。
2.6. 首脳は、より緊密なアジア欧州経済パートナーシップに向け、政府とビジネス界の間の交流を促進かつ強化することで合意した。首脳は、この点に関し第9回アジア欧州ビジネス・フォーラムによる建設的な勧告を歓迎し、経済閣僚及び財務大臣並びにその高級実務者に対し、これらの勧告の適用可能性につき検討し、ASEM6に報告するよう指示した。
2.7. 首脳は、世界貿易機関(WTO)の下での開放的かつ公正な多角的貿易体制に対するコミットメントを再確認し、ドーハ・ラウンド交渉を成功裏に終結するためにWTO関連の課題につきASEMの協働及び協調を一層強化することで合意した。したがって首脳は、ラオス及びベトナムのWTOへの早期加盟に対する強い支持を表明した。
2.8. 首脳は、WTO加盟国がジュネーブにおいてドーハ開発アジェンダ(DDA)交渉の枠組み合意に達したことに祝意を表し、WTO加盟国に対し、将来の交渉においてバランスのとれた持続的な進展を達成することを目指して引き続き残された作業に取り組むよう促した。
2.9. 首脳は、非差別的な地域主義に基づく経済統合へむけたイニシアティブを歓迎しつつ、あらゆる地域的あるいは二国間での経済統合に関する合意はWTOのルールに整合的であるべきであることを確保することの必要性を強調した。


3. その他の分野における協力の拡大と強化

3.1. 首脳は、文化と文明間の対話と協力が人々の間での理解と寛容を促す効果的な手段の一つであることを確認した。首脳は、とりわけグローバリゼーションの文脈において世界の平和、安全及び発展への協力を保持する上で文化と文明に関する対話が重要であることを強調した。
3.2. 首脳は、「文化と文明間の対話に関するASEM宣言」を採択し、この重要な課題に関する共有された確信を表明し、相互の尊重及び平等を基礎としてASEMの枠組みの中であらゆるレベルでの対話を更に促進する強い決意を再確認した。
3.3. 首脳は、文化と文明間の対話を促進するあらゆるASEMの活動に満足の意をもって留意しつつ、2003年12月に北京で開催された第一回ASEM文化と文明に関する会合において担当大臣により採択された提言を支持すると共に、2005年にフランスにおいて開催される第二回会合でこの重要な分野におけるASEMの対話及び協力の長期的計画を練るよう要請した。首脳は、アジア欧州財団(ASEF)に対し、具体的活動とプログラムを引き受けることを通じこの対話に一層の貢献を果たすよう促した。首脳はまた、2005年にインドネシアにおいて開催される予定の異なる信仰間の対話を歓迎した。
3.4. 首脳は、文化多様性は人類の共通の財産であるとの確信を強調し、多様性の中の一致及びあらゆる文化と文明が等しく有する尊厳の尊重を促進する必要性について合意した。首脳は、現下の情報通信技術及びグローバリゼーションの急速な進展に直面して、特に国民の文化的アイデンティティーを保全する必要性を強調し、あらゆる形態あるいは示威行為の下での文化的価値の強制並びに差別を否認した。この点において、首脳は、文化多様性に関する条約草案に関する現在進行中の交渉の中で、UNESCOにおける対話を追求するとの決意を強調した。
3.5. 首脳は、社会開発、労働及び雇用、教育及び訓練、公衆衛生、環境といった様々な分野におけるあらゆるレベルでのアジア欧州間の協力の重要性と可能性を確認した。首脳は、これらの分野におけるASEMの協力を更に拡張し強化することで合意し、この目標に向けた行動・結果指向の計画を練るよう閣僚に指示した。
3.6. 首脳は、アジア欧州間の人的、文化的及び知的交流を促進するためにASEFが実施している重要な作業を賞賛した。首脳は、財団の事業がASEMプロセスとより緊密に連携されるよう更に奨励するため、別添のとおり、ASEFの組織・運営戦略と長期的な財政的安定に関する勧告を採択した。首脳は、ASEFによるパイロット・プロジェクトとしてのASEM情報ボードの立ち上げを歓迎した。首脳は、新規参加国に対しASEFに参加するよう促し、ASEF事務局に対し、2004年11月のハノイにおける理事会会合にASEM新規参加国の代表が含まれるように必要な調整を行うよう促した。


4. 最近の地域情勢

4.1. 首脳は、欧州における平和、安定及び発展を促進することとなるであろう直近の加盟国拡大を含む欧州連合の統合プロセスを歓迎した。首脳はまた、アジアにおけるより緊密な協力へ向けた努力、とりわけバリ・コンコードIIに特に反映されている2020年までにASEAN共同体を構築するとのASEANの決意並びにASEANプラス3、ACD(アジア協力対話)、並びに中国、日本、韓国の三国間協力といった枠組みの下での協力の拡充を歓迎した。
4.2. 首脳は、アジア及び欧州におけるこうした最近の進展は、ASEMが対話と協力を強化する過程において、機会と挑戦の双方をもたらすであろうことに留意した。首脳は、ASEM参加国に対し、アジア欧州間の相乗効果を発展させ、アジア欧州間のパートナーシップの促進に対する潜在的影響を含む諸課題に効果的に取り組むために、全ての可能性を完全に活用するようあらゆる努力を行うことを奨励した。
4.3. 首脳は、平和的解決及び六者会合のプロセスを通じた朝鮮半島の非核化への強い支持を表明し、六者会合をできるだけ早期に再開するよう要請した。首脳は、関係国に対し、引き続き、核問題に取り組むため調整された措置をとると共に、全ての関連する懸念に取り組むことを奨励した。首脳はまた、朝鮮半島における平和と相互の繁栄を促進することにつながるであろう韓国と北朝鮮の間での継続的対話と協力を支持した。
4.4. 首脳は、中東情勢につき議論し、双方に対し、二国家方式による解決の実施へ向けた道を開くため、ロードマップの下で各々の義務を果たすよう要請した。
4.5. 首脳は、イラクにおける安全と安定の確保に努めるイラク暫定政府に対する支持、並びにこうした目標を達成すべく国連及び国際社会と共に関与し、イラクの復興に貢献していく意志を確認した。首脳はまた、2005年1月に予定されている選挙の実施、並びにその直後に憲法に則って選ばれたイラク政府が樹立されることを待望する。
4.6. 首脳は、アフガニスタンの再建及び安定化、並びにアフガニスタン移行政権に対する支持を表明した。この点に関し、首脳は、テロ行為並びに麻薬の製造及び密輸により引き続きもたらされている脅威に懸念をもって留意し、あらゆる軍閥の完全なる武装解除、動員解除、社会復帰の必要性を想起した。首脳は、2004年10月9日に行われる大統領選挙を歓迎し、それにより同国に平和と安全がもたらされ民主化プロセスが安定化されることへの期待を表明した。
4.7. 首脳は、ミャンマー代表団長によるミャンマーにおける最近の政治的進展に関する報告に留意した。これに関連し、首脳は、同国における全ての関係諸勢力が進行中の国民和解プロセスの成功を確保するために共に努力することを奨励した。国民議会は、国民和解及び民主化プロセスにおける重要な要素、並びに、国内の全ての政治勢力の参加を伴う真に開かれた議論の場となるべきである。首脳は、諸政党に課された制限がミャンマーによる保証に沿って早期に解除されることを待望した。首脳はまた、国連事務総長特使の努力に対する支持を再認識した。


5. ASEMプロセスの前進

5.1. 首脳は、ASEM発足以来の力強い発展と意義深い成果に満足の意をもって留意しつつ、ASEMが21世紀におけるアジア欧州間の包括的なパートナーシップを育成する基盤と枠組みを提供すべき必要性を強調した。この目的のため、首脳は、明確な目標と結果指向のプログラム/プロジェクトを伴って協力を拡充していくことへ向け、ASEMプロセスを更に活性化させ、実質を与えていくことに合意し、高級実務者に対し、2005年京都における次回外相会合での検討のため実質的な協力の分野を探求するよう指示した。
5.2. 首脳は、開放的で段階的に進化し非公式なプロセスであり続けるASEMが、引き続きASEM3で採択されたアジア欧州協力枠組み(AECF2000)に規定された目標と主要な原則に基づくものであるべきことに合意した。首脳は、全ての参加国首脳による最も高いレベルでの完全な参加が重要であること、並びに、政治対話を強化し、経済協力を補強し、その他の分野での協力を促進することにより三つの主要な柱をバランスのとれた形で前進させていくことが必要であることを繰り返した。
5.3. 首脳はまたASEMの特質と発展段階に応じてASEMの調整・管理体系の改善を続けていく必要があることで合意した。この目的のため、首脳は、AECF2000の不可分の要素を構成する外相からの「ASEMの作業方法に関する提言」を別添のとおり承認した。


6. ASEM拡大

6.1. 首脳は、以下13カ国のASEM参加を暖かく歓迎した。カンボディア王国、キプロス共和国、チェコ共和国、エストニア共和国、ハンガリー共和国、ラオス人民民主共和国、ラトビア共和国、リトアニア共和国、マルタ共和国、ミャンマー連邦、ポーランド共和国、スロバキア共和国、スロベニア共和国。
6.2. 首脳は、ASEMプロセスの発展における重要な標石として拡大を賞賛しつつ、13カ国の新メンバーの参加はASEMプロセスに更なる活力を与え、アジア欧州間の対話と協力を拡充し拡張するのに役立つであろうことを強調した。首脳は、ASEMにおける多様性の中の一致を強化するため、新規参加国がASEMプロセスに積極的に関与することを支援し促進する必要性を強調した。
6.3. 首脳は、拡大後のASEMプロセスを強固にする必要性を強調し、EUの更なる拡大並びにその他の候補国の重要な役割を考慮に入れつつ、将来の拡大を検討することに合意した。首脳は、外相及び高級実務者に対し、ASEM5で表明された考え方に基づき、ASEM事務局を適切な時点で設立することへむけ前進する可能性を含むASEMの機構体系の継続的な改善及び将来のメンバーシップ拡大問題につき検討し、勧告を提出するよう指示した。


7. 首脳は、別添の様々な分野における協力を促進するための新たなイニシアティブのリストを承認した。首脳はまた、別添の2004年から2006年のASEM活動計画を採択した。

8. 首脳は、ASEM6を主催するとのフィンランドの申し出を感謝の意をもって受け入れ、2006年に再び会合することを待望した。

ベトナム ハノイにおいて
2004年10月9日




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