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新規参加国の承認(7日夕方)
アジア側3か国、欧州側10か国の新規参加が承認された。
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非公式夕食会:欧州・アジアの各地域情勢(7日夜)
アジア側より東アジア・コミュニティ形成に向けた動き、欧州側よりEU統合の深化と拡大の状況について説明。
ミャンマー情勢については、一部欧州諸国より、現在の同国の国民和解、民主化の状況は十分なものではなく、更なる進展を期待する旨の発言があり、これに対しミャンマーより、同国の国民和解及び民主化に向けた努力について説明し、各国の理解を求めた。
また北朝鮮情勢について、各国より、六者会合を通じた核問題の解決に対する期待が表明された。
小泉総理からは、ASEMにおける建設的な対話がミャンマーの民主化につながることを期待する旨述べ、北朝鮮については拉致に加え、核問題その他の問題を解決するために、ASEM各国からの支持を得たい旨述べた。
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第1セッション:政治(7日午前)
地域情勢として、イラクについては、国際社会が一致してイラク復興に協力していくべきである、来年1月の選挙が予定どおり実施されることが重要との意見が表明された。
北朝鮮については、複数の国から、六者会合を通じた平和的解決が重要であり、ASEMとしても協力していくべきであるとの意見が表明された。
国連改革については、多国間主義が国際問題を解決する上で唯一の手段であり、そのためには国連改革の実現に努力すべしとの点で意見の一致が見られた。ただし、その具体的方策については、安保理や総会の改革を含め様々な意見が出された。
テロリズム、大量破壊兵器の不拡散、感染症についても議論され、国際社会の取組を強化する必要があることで一致した。
小泉総理からは、国連改革に向けての機運が高まっている、ASEMとしても国連改革の重要性を認め、これを是非進めていくべきである、わが国も国連改革を進めるべく努力していきたい旨述べた。
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非公式昼食会:ASEMの将来(8日昼)
今回のASEM拡大を契機としてASEMの将来について議論。
冒頭小泉総理より、本件については来年5月に京都で行われる外相会合に向けて考えを整理していくこととしたいと述べたことを受け、各国首脳からは、これを支持しつつ、(イ)ASEMが優先的に対話や協力に取り組むべき分野、(ロ)ASEMの効率的運営のための方策、特に事務局設置の是非、(ハ)ASEM参加国の更なる拡大につき様々な意見が出された。これらの点について、次回首脳会合(2006年フィンランド)において具体的な勧告を採択すべく、外相、高級事務(SOM)レベルで作業を行っていくことが合意された。
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第2セッション:経済(8日午後)
最近の急激な原油価格の高騰を背景に、アジア及び欧州の双方から、エネルギー問題が経済成長に及ぼす影響について高い関心が表明される一方、持続的な経済開発を達成するため、各参加国が気候変動問題を含む環境問題や貧困の削減といった地球規模の問題に協力して取り組むことの重要性が指摘された。また多くの国が貿易円滑化行動計画(TFAP)やWTO関連の政策対話など貿易関連の対話と協力をASEMにおいて継続・強化すべきとした。より緊密な経済パートナーシップのためのASEMタスク・フォースからの提言については関係する閣僚会合がフォローアップしていくことが合意された。
小泉総理からは、経済成長と環境保護の両立の必要性を訴え、その中で科学技術を活用することの重要性を指摘した。また、わが国が世界でも最高レベルの環境基準を採用し、現在3R社会の実現に向けて取り組んでいること、来年には自然の叡智をテーマとする愛知万博を開催予定であることを紹介した。
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第3セッション:文化等(9日午前)
多くの首脳が、自国の歴史的背景に言及しつつ、文化の多様性及び文化と文明に関する対話の重要性を強調し、また、文明間対話(第2回文化担当大臣会合、来年6月)、学生・青少年交流、スポーツ交流(ASEM青年スポーツ大会、来年6月)等のASEMの枠内における具体的事業について言及した。
小泉総理からは、様々な芸術に言及しつつ、日本が中国、韓国、欧州からの影響を受け独自の文化を形成してきたことを述べ、様々な芸術について言及、また文化、社会面でのIT活用の重要性にふれ、この分野でのASEMの活動にも協力していく旨述べた。
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