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アジア欧州協力枠組み2000
(外務省仮訳)

2000年10月21日

I.序論

1.1996年3月1日から2日までバンコクにおいて開催された第1回アジア欧州会合(ASEM)において、全ての参加国は、新しいアジア欧州パートナーシップを創造し、両地域の人々の間のより深い理解を構築し、対等なパートナーシップの下での強化された対話を確立するために共に取り組むことにつき意見の一致をみた。

2.1998年4月3日から4日までロンドンにおいて開催された第2回ASEMは、政治、経済、文化その他の協力分野におけるアジアと欧州との間のパートナーシップを更に強化する上で、ASEMがこれまでに果たし、また、引き続き果たしていく重要な役割を確認した。この会合は、また、ASEMの活動について指針を与え、焦点を当て、調整するためのアジア欧州協力の枠組み(AECF)を採択するとともに、アジア欧州ビジョン・グループに対し、ASEMプロセスを21世紀に導く一助ととすべき中長期的ビジョンの策定を委託した。

3.2000年10月20日から21日までソウルにおいて開催された第3回ASEMは、ASEMプロセスの発展における歴史的な里程標となるとともに、これまでの進展及び成果を点検し、両地域間の包括的で持続的な協力に向けてこの基礎を固める機会を提供した。

4.2000年のソウルにおけるASEM3において首脳により採択されたAECF2000は、新たな千年紀の最初の10年に向けてのASEMプロセスのビジョン、原則、目的、優先事項及び仕組みを設定するものである。

II.21世紀へのビジョン

5.ASEM参加国は、アジア欧州会合がグローバルな相互依存の深まる時代においてアジアと欧州との間の関係を強化することを目標として開始されたことを認識しつつ、平和と安定を維持し強化すること、及び、持続可能な経済・社会開発に資する環境を促進することという共通の目標のために努力することにつき意見の一致をみた。ASEM首脳が念頭に置いているアジアと欧州は、国連憲章の目的及び原則を保持すること、民主主義、法の支配、平等、正義及び人権の尊重、環境への懸念その他地球規模の問題への関心、貧困の撲滅、文化遺産の保護、並びに、知的努力、経済的・社会的開発、知識及び教育資源、科学技術、商業、投資及び起業の促進といった共通の利益と願望を備えた、平和及び共有された発展の地域である。この目的のため、アジアと欧州は、包括的で未来志向のパートナーシップを構築しつつ、諸課題に対処し、それらを共通の機会へと転化するために共に取り組むべきである。それらは、特に、政治、経済、社会、文化及び教育に関する諸問題に関連する我々の対話及び共同の努力を通じて対処されるべきである。ASEM参加国は、また、とりわけグローバリゼーション、情報技術、電子商取引及びニュー・エコノミーによって提示された新たな諸課題に対処する上で、共に取り組む必要性を認識する。

6.アジアと欧州との間の相乗効果は、両地域に限らず地球社会全体のために計り知れない価値を有するものとなる。対等のパートナーシップと互恵の精神の下でのアジアと欧州との間の強化された対話と協力は、また、国際協力を増進し、これにより、全ての国の利益に資するべく、安全、繁栄及び持続可能な開発に積極的に貢献し、かつ、グローバリゼーションを含む国際場裡における変化を踏まえた新たな国際政治経済秩序の構築に対し積極的に貢献することとなる。

III.主要な原則及び目的

7.バンコクにおける第1回ASEMは、未来への共通のビジョンを策定し、政治対話を促進し、経済面における協力を更に強化し、その他の分野における協力を促進することにつき意見の一致をみた。

8.ロンドンにおける第2回ASEMは、相互依存の深まった世界においてアジアと欧州との間のパートナーシップが果たすべき主要な役割を再確認し、また、政治対話の促進、経済面における協力の更なる強化、並びに、社会、文化及び地球規模の問題を含むその他の分野における協力の促進に向けての作業を遂行した。首脳会合は、ASEMプロセスについて、次のことを確認した。

9.政治対話は、アジアと欧州との間の政治対話を強化するとの共通の願望を反映し、共通の基盤を強調して拡大すること、理解と友好を増進すること、及び、協力を促進し深化させていくことによって、促進されるべきである。ロンドン及びバンコクにおける首脳会合において意見の一致をみたように、この包括的な政治対話は、バンコク議長声明の第5、第6及び第7パラグラフに反映された諸原則を基礎として行われなければならない。

10.バンコクにおける首脳会合は、両地域の間の増大しつつある経済関係が強力なパートナーシップの基礎を形成したことを認めつつ、新たに包括的な「更なる成長のためのアジア欧州パートナーシップ」を形成することにつき意見の一致をみた。ロンドンにおける首脳会合において強調されたように、その後の進展は、相互依存の深まったグローバル経済におけるこのパートナーシップの重要性に対し十分な確証を与えている。

11.その他の分野における協力を促進するに当たって、バンコク及びロンドンにおける首脳会合は、同様に、文化的・社会的分野における協力の重要性を確認したが、これら会合は、一般国民、シンクタンク、研究者グループ、大学及び社会一般のあらゆるセクターによって示された両地域間の関係強化に対する幅広い関心に呼応し、これを奨励するとともに、それによってASEMにおける人間性の側面を促進してきた。ロンドンにおける首脳会合は、また、バンコクにおける議論を基礎として、地球規模の問題に関するASEMの対話を増進することの重要性を改めて表明した。 

IV.主要な優先事項

12.政治分野においては、いかなる課題も予め排除しない一方で議論のテーマを選択する際に英知と思慮を用いながら我々の多様性の中から強さを引き出しつつ、参加国間の相互の認識及び理解を増進するために、ASEMの努力は、コンセンサス形成の過程の段階を踏みながら、共通の関心事項に焦点を当てるべきである。政治対話は、相互尊重、平等、基本的権利の促進、並びに、国際法の規律及び義務に従い、直接的であるか間接的であるかを問わず他国の国内問題に干渉しないことを基礎として行われるべきである。

13.この文脈において、主要な優先事項は、次のことを含む。

14.ASEMの努力は、また、次のような地球規模の共通の関心事項に対処すべきである。

15.経済及び金融の分野において、ASEMの努力は、持続可能な経済成長を促進すること、世界規模の経済対話に共に貢献すること、及び、グローバリゼーションの影響に対処することを目指し、両地域における対話と協力を強化することに焦点を当てるべきである。

16.この文脈において、主要な優先事項は、次のことを含む。

17.社会、文化及び教育の分野において、ASEMの努力は、欧州とアジアの諸国民が、我々の共通の未来に影響を与える共通の課題についての認識を深め、対話を通じ互いをより良く理解するよう助長することを目指し、両地域の人々の間の接触の増進及び相互認識の強化を促進することに焦点を当てるべきである。

18.この文脈において、ASEM参加国は、文化交流、知的交流及び人と人との交流を促進し、かつ、刺激するための重要な手段であるASEFへの強力な支持と奨励を継続すべきである。

19.これと同様の文脈において、主要な優先事項は、次のことを含む。

20.これらの優先事項は、首脳会合において首脳により改訂される。それらは、首脳会合の際に外相によって策定され、首脳会合の中間年の外相会合の際に点検され改訂される2年間の作業計画の基礎を形成する。

V.ASEM活動について調整し、焦点を当て、運営するための仕組み

21.外相、経済閣僚及び蔵相は、通常は年一回、定期的に会合を行う。他の閣僚を招聘する臨時の会合は、適当な場合、首脳により決定され得る。

22.バンコクにおける首脳会合により確立されロンドンにおいて確認されたように、外相及び高級実務者(SOM)は、ASEM活動の全体としての調整について責任を負う。両地域により各々任命されるASEM調整国は、ASEMプロセスの調整を円滑化する。

23.外相によって任命されるASEMコンタクト・オフィサーのネットワークは、全てのASEM参加国及びその関係実務者の間における迅速で効果的な情報交換を円滑化するため、直接的かつ非公式のコミュニケーションのチャンネルを提供する。

24.経済閣僚(SOMTIを含む)及び蔵相(蔵相代理を含む)は、各々の分野においてASEMの作業計画を前進させるための主要なチャンネルたるべきである。これら閣僚は、各々、SOM及び外相が調整しとりまとめる作業計画に対するインプットを行うこととなろう。各閣僚の高級実務者は、定期的な情報交換を通じ、SOMと緊密に連絡をとる。調整国の実務者は、この調整及び連絡を支援する。

25.提案されたいかなるASEMイニシアティブも、ASEMの作業計画に含まれるためには、全てのASEM参加国の支持を得なければならず、また、このAECF2000において設定される原則、目的及び優先事項に則らなければならない。加えて、提案されたいかなるASEMイニシアティブも、次のガイドラインを満たさなければならない。

26.新たに提案されたいかなるASEMイニシアティブも、全てのASEM参加国に対して提示される。それらの提案は、調整国を通じて伝達されるが、調整国は、各々の地域の参加国に対し迅速に情報を伝達するとともに、必要な場合には、コメントを照らし合わせる。ASEM参加国は、加えて、新たな提案を非公式に共有するために、コンタクト・オフィサーのネットワークを利用し得る。提案されたイニシアティブは、その後SOMによって検討され選択されるが、SOMは、適当な場合、それらのイニシアティブを外相によって検討される改訂作業計画に盛り込む。

27.全てのASEMイニシアティブの結果及びアウトプットは、時宜を得た機会にSOMに報告される。SOMは、また、定期的に全てのASEMイニシアティブの下で達成された進展を点検すること、及び個々のイニシアティブを継続するか終了するかについて勧告することについて責任を負う。この点検のプロセスを円滑化するため、このプロセスは、関連する課題に取り組む活動をテーマごとにグループ分けするという方法で実施される。

VI.ASEMへの参加

28.バンコクにおけるASEM1及びロンドンにおけるASEM2の結論を基礎として、以下の原則が、ASEMへの参加の将来の拡大の指針となるべきである。

VII.AECFの点検

29.この枠組みの運用は、SOM及び外相により、定期的な点検の下に継続して置かれ、また、外相により、将来の首脳会合における検討のため、いかなる必要な調整も勧告され得る。



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