日向・第3回アフリカ開発会議(TICAD III)担当大使の
南部アフリカおよびシンガポール訪問
~南アフリカ、マダガスカル、ナミビア、レソト、シンガポール~
(概要と評価)
平成16年4月
日向TICAD III担当大使は、3月22日(月)から4月3日(土)まで、昨年9月に東京で開催された第3回アフリカ開発会議(TICAD III)のフォローアップを行うために、南部アフリカ4ヶ国(南アフリカ、マダガスカル、ナミビア、レソト)およびシンガポールを訪問しました。また、TICADプロセスによるアジア・アフリカ協力推進のため、3月24日(水)に南アフリカのダーバンで開催されたアジア・アフリカ準地域機関会合(AASROC)閣僚級作業部会に参加しました。
1.AASROC閣僚級作業部会(3月24日)
アジア・アフリカ首脳会議(バンドン会議)50周年記念首脳会議(2005年にインドネシアで開催予定)の準備プロセスの一環として、南アフリカとインドネシアが共催する形で、19ヶ国、10地域機関を集めて行われました。同会議には南アフリカ、インドネシア両国の外相をはじめとするアジア・アフリカ両地域のハイレベルの参加があり、アジア・アフリカ協力、とりわけ経済(貿易・投資)分野の協力が重視されました。日本は、TICADプロセスにおけるアジア・アフリカ協力の日本の取組を紹介するとともに、今後の連携の必要性につき強調しました。
2.各国首脳等との会談
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マダガスカル(3月26日)
日向大使は、ラヴァルマナナ大統領との会談において、同大統領のTICAD IIIへの参加に感謝を表明し、今後のTICAD IIIフォローアップに対する協力を要請しました。これに対して、ラヴァルマナナ大統領は、マダガスカルの海外直接投資の誘致努力等を説明しつつ、アジア・アフリカのコミュニケーションを増やし、協力の実績を積み上げることの重要性を強調しました。その他、日向大使は、ランジェバ外相と会談を行いました。また、マダガスカルのビジネス・リーダーと、アジア・アフリカ協力と貿易投資の促進について、意見交換を行いました。
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【ラヴァルマナナ大統領(右)】 |
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ナミビア(3月29日)
グリラブ首相との会談において、日向大使は、今後のTICAD IIIフォローアップに対する協力要請を表明しました。これに対して、グリラブ首相は、TICADプロセスにおける日本の取組みに感謝しつつ、アジア・アフリカ間の貿易投資の重要性に同意しました。その他、ハムテンヤ外相とも会談を行い、同外相からは、日本との友好関係の促進に対する期待と、国連を含む国際場裏における日本の立場への支持が表明されました。また、ナミビアのビジネス・リーダーと、アジア・アフリカ協力および貿易・投資の促進について、意見交換を行いました。
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【グリラブ首相(左)】 |
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レソト(3月31日)
モシシリ首相およびツェコア外務大臣との会談において、日向大使は、TICAD IIIフォローアップへの協力要請を表明しました。これに対して、モシシリ首相は、TICADプロセスによる日本の貢献、および、これまでの日本の経済協力に対して、非常に感謝している旨述べるとともに、今後のTICAD IIIフォローアップに対する協力を表明し、本年秋に開催予定のTICADアジア・アフリカ貿易投資会議への参加の意向を示しました。また、国連を含む国際場裏における日本の立場への支持が表明されました。
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【モシシリ首相(中央)およびツェコア外相(左)】 |
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シンガポール(4月2日)
日向大使は、シンガポール外務省を訪れ、TICAD IIIフォローアップについて説明するとともに、第三国研修や専門家派遣等を含むアジア・アフリカ協力の推進、および、貿易投資の促進等について、意見交換を行いました。また、シンガポールのビジネス・リーダーに対し、アジア・アフリカ協力の重要性を強調するとともに、アジア・アフリカ貿易の現状と今後の促進について、意見交換を行いました。
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3.評価
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AASROC第1回閣僚級作業部会において、日本のプレゼンスを示すとともに、バンドン会議プロセスとTICADプロセスとの連携の必要性について、参加国の理解を得ることが出来ました。
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各国のハイレベルに対して直接、TICAD IIIフォローアップを呼びかけることで、日本が今後も積極的にアフリカ支援を続けていくことをアピールしました。各国から、TICAD IIIフォローアップへの期待と協力が表明され、TICAD IIIフォローアップのモメンタムが高まりました。また、各国より国連を含む国際場裏における日本の立場への支持が表明されました。
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(3) |
TICAD IIIフォローアップの一環として、今年の秋にTICADアジア・アフリカ貿易投資会議を開催することを表明しました。各国からは、会議への期待や参加の意思が表明されるなど、今秋の開催に向けた重要な第一歩となりました。
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(4) |
マダガスカル、ナミビア、シンガポールでは、現地のビジネス・リーダーとアジア・アフリカ協力および貿易投資について意見交換を行い、貿易投資の現実の担い手であるビジネス界に対する効果的なアピールを行うことができました。
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