佐藤アフリカ紛争・難民問題担当大使の
アフリカおよび欧州訪問
~ルワンダ、ブルンジ、コンゴ民主共和国、
エチオピア、スイス、ベルギー、フランス~
(概要と評価)
平成16年3月
1.概要
佐藤アフリカ紛争・難民問題担当大使は、2月19(木)から3月10日(水)まで、第3回アフリカ開発会議(TICADIII)で重点課題とされた平和の定着のための取り組みをアフリカ各国に促すこと等を目的として、アフリカ(ルワンダ、ブルンジ、コンゴ民主共和国、エチオピア)、欧州(スイス、ベルギー、フランス)を訪問しました。以下、主な会談等の結果です。
2.会談
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ルワンダ
カガメ大統領との会談において、佐藤大使より、ルワンダにおける国民和解と国家再建の進展を評価しつつ、地域の平和と安定のためのルワンダの一層の取り組みに対する期待を表明しました。これに対し、カガメ大統領は、ルワンダの内政、外交の課題を説明しつつ、我が国の国際機関を通じた協力等への謝意を丁重に表明した上で、日本との更なる友好関係を促進したい旨述べました。
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ブルンジ
ンダイゼイエ大統領との会談において、佐藤大使より、ブルンジの和平進展に関する政府の努力を歓迎しつつ、包括的な和平実現と平和の定着促進を要望しました。これに対し、ンダイゼイエ大統領よりは、情勢は改善しつつあるが、ブルンジの平和の定着のためには、外国からの様々な支援が必要であるとして、日本に対する協力の要請がありました。
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(2) |
コンゴ民主共和国
佐藤大使より、昨年成立した暫定政権の取り組みを評価しつつ、引き続き同国の平和の定着に向けた取り組みを期待する旨述べました。これに対し、ルベルワ副大統領よりは、暫定政権の課題は多いが、今後も努力していくとの発言がありました。また、平和の定着、国家再建のため、日本からの協力を得たい旨要請がありました。また、2005年6月に予定される大統領選挙は、暫定政権の最大の課題であると説明しつつ、選挙実施に関して日本の支援を得たいとの発言がありました。
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(4) |
エチオピア
(イ) |
メレス首相
佐藤大使とメレス首相は、エチオピア・エリトリア紛争の平和的解決を含み、開発の前提としての平和の重要性につき一致しました。また、メレス首相からは、TICADを評価し、持続的なプロセスになることを希望し、アジア・アフリカ協力分野での日本の役割について期待が表明されました。
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(ロ) |
コナレAU委員長
佐藤大使とコナレ・アフリカ連合(AU)委員長は、AUの今後の活動、地域情勢について幅広く意見交換し、日・AUの関係強化を具体的に進めるべきことについて一致しました。コナレ委員長は、他のアフリカ関係フォーラムの先駆けとなったTICADプロセスを高く評価しました。佐藤大使は、ジニット平和・安全保障担当委員とも会談しました。
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(5) |
ベルギー、フランス
佐藤大使は、ベルギー外務省やフランス大統領府・外務省とアフリカ問題について幅広い意見交換を行うとともに、日本とこれらの国々との協調関係によるアフリカ支援の必要性について一致しました。
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3.現地視察等
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ルワンダでは、首都キガリで我が国が資金協力している世界食糧計画(WFP)の食糧倉庫を、またコンゴ民主共和国では我が国が国連の分担金として約20%の費用負担を行っている国連PKO(MONUC)の兵站基地を視察しました。
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(2) |
ジュネーブでは、UNHCR主催の「アフリカにおける自主的帰還と持続可能な再定住に関する対話」にわが国を代表して出席、わが国のアフリカの平和の定着のための取り組み方針と特に難民・帰還民支援に関しての支援方針について発表し、会場から高い評価を得ました。
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4.評価
(1) |
平和の定着が特に求められる大湖地域(ルワンダ、ブルンジ、コンゴ(民))や「アフリカの角」の情勢を現地で把握し、また平和を重視する日本の政策姿勢をハイレベルで強くアピールしました。
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(2) |
平和・安全保障分野において重要性を増しているAUとの関係強化をハイレベルで図り、また今後の協力関係の方向性で一致することができました。
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(3) |
アフリカ現地プレスを通じ、我が国の平和を重視する姿勢を強くアピールしました。
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(4) |
アフリカにおける平和の定着に関する施策に関し、欧州各国との協力関係の契機をつくりました。
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