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佐藤アフリカ紛争・難民問題担当大使の米国(国連)及びリベリア訪問
(概要と評価)


平成16年5月

1.概要

佐藤啓太郎アフリカ紛争・難民問題担当大使は、4月18日(日)から30日(金)まで、TICAD III(第三回アフリカ開発会議)のフォローアップの一環として、わが国の平和の定着分野での施策や地域情勢について意見交換や視察等を行う目的で、米国(国連本部)及びリベリアを訪問しました。以下、主な会談等の結果です。

2.会談

(1) ニューヨーク

(イ) 国連関係者
カロモ国連政務局次長、ガンバリ国連アフリカ担当事務総長特別顧問、エグランドOCHA部長、アンナビ国連PKO局次長と会談し、直前に開催された日本政府「安保理担当官会議」での議論も踏まえ、わが国のアフリカ問題に対する取り組みと今後の方針を説明するとともに、紛争諸国の地域情勢等について意見交換しました。

(ロ) アフリカ各国等の国連常駐代表
原口国連代表部大使主催昼食会にて、アフリカ各国の国連常駐代表と会談し、TICADを基軸とする日本の対アフリカ政策や人間の安全保障基金について説明するとともに、アフリカにおけるPKOの在り方等について意見交換しました。

(2) リベリア

(イ) ジューディ・ブライアント リベリア移行政府議長
リベリアの復興の課題や日本を含む諸外国の支援の方向性につき意見交換を行いました。その中で議長は、日本の国連PKOへの支援、並びにDDRR(元兵士の武装解除、動員解除、帰還及び社会復帰計画)関連のリベリア支援に謝意を述べつつ、リベリア側も一層の努力をしたいとの決意を述べました。また、議長は佐藤大使より日本の対アフリカ支援の3本の柱(平和の定着、人間中心の開発、貿易投資)について説明したのに対して、大いに賛同し、持続可能な開発を実現するための支援をお願いしたいとの発言がありました。

(ロ) ニメリ外務大臣
佐藤大使より、TICADIIIで示されたわが国の対アフリカ支援策を紹介しつつ、その柱の一つである平和の定着を重視する視点から、今回の対リベリア支援内容を説明しました。これに対しニメリ外相は、日本の支援に対する謝意を述べるとともに、日本のNGOのリベリア復興への参加を歓迎しました。また、地下資源に恵まれたリベリアがそれを有効に活用するための課題について説明し、わが国からの今後の支援を求めました。

(ハ) クライン国連事務総長特別代表
クライン代表は、昨年10月からのUNMIL(国連リベリアミッション)の活動及び、今後の課題につき説明しました。これに対し、佐藤大使よりUNMILのリベリア和平に対する貢献を高く評価しつつ、2月のリベリア支援国会合のフォローアップとして3月から4月にかけて実施された総額約680万ドルの日本の対リベリア復興支援の内容を紹介しました。これに対しクライン代表は、日本の速やかな支援の実施に対し謝意を述べると共に、リベリアを含む国連平和維持活動を支えている日本の貢献を高く評価しました。また、同代表より、DDRR活動の現状と今後の課題について説明があり、日本の支援の継続について要請がありました。

(ニ) 国連諸機関現地代表との意見交換
佐藤大使は、児童兵の社会復帰、帰還民に対する食糧支援等でリベリアと協力している国連児童教育基金(UNICEF)、世界食糧計画(WFP)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連開発計画(UNDP)、世界保健機構(WHO)等の国連諸機関の現地代表とそれぞれ意見交換の機会を持ちました。ここでは緒に就いたばかりの復興支援の見通しや課題について国連諸機関より説明を受け、それぞれの担当分野における今後の協力の可能性について議論しました。なお、DDRR支援の多面性に鑑み、複数の機関が事業計画策定時点からよく連携を取っていくことの重要性について認識が共有されました。

3.現地視察等

 リベリアでは、帰還民の一時受入キャンプの現状、日本が緊急援助としてUNICEFを通じた支援を行う児童兵の社会復帰プログラムの現場、およびジャパン・プラットフォームの枠組みの下でワールドビジョン・ジャパンがWFP他と協力して実施している農村の生産性復興支援事業の現場等を視察し、現地の関係者や地元の人々と意見交換しました。また、同様にジャパン・プラットフォームの枠組みの下で活動を開始したアドラ・ジャパン及びピース・ウィンズ・ジャパンの現地責任者の方々とも事業実施上の課題などについて意見交換しました。
地元の人々と歓談する佐藤大使
地元の人々と歓談する佐藤大使


4.評価

(1) ニューヨークでは、国連関係者及びアフリカ諸国等の国連常駐代表に対して、TICADプロセスを基軸とするわが国の対アフリカ政策について説明し、わが国が国際社会の責任ある主体としてアフリカ問題にも息の長い積極的な取り組みを実施してきたことをアピールすることができました。一連の意見交換を通じて、わが国の対アフリカ支援についての高い評価及び依然として厳しい状況にあるアフリカに対する支援への強い期待が表明されました。

(2) リベリアにおいては、リベリア移行政府のハイレベルに直接平和の定着を働きかけることにより、わが国として政治的な役割を果たすとともに、わが国のアフリカ紛争分野での「顔」である佐藤大使から、リベリアの平和定着分野でのわが国の積極的な支援姿勢を説明しました。また、今後のリベリアにおける政策展開に資するため、復興支援現場の視察等を行いました。

(3) また、佐藤大使はリベリアでは現地の各種メディア(BBC、AFP他の通信員、及び現地ラジオ放送局)との合同懇談会を行ない、日本の紛争後のアフリカ諸国、特にリベリアへの支援の継続的姿勢を広くリベリア国民にアピールしました。

(4) 佐藤大使のアフリカ紛争・難民問題担当大使への就任から、これまでの約1年間の積極的な活動((1)03年7月:モザンビーク、ケニア、スーダン(2)03年8月:タンザニア、スーダン、エチオピア(3)03年10~11月:ウガンダ、エリトリア、ケニア、ナイジェリア、セネガル(4)04年2~3月:ルワンダ、ブルンジ、コンゴ民主共和国、エチオピア、スイス、ベルギー、フランスを訪問)について、会談した関係者の多くが、アフリカの「平和の定着」支援に対するわが国の強い意志を示すものであるとして高く評価しました。


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