チャンバス西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)事務局長の訪日
平成16年3月10日
1.概要
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イブン・モハメド・チャンバス西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS:Economic Community of West African States)事務局長(西部アフリカ地域における経済統合及び平和の定着に関して大きな役割を担うECOWASのトップ)は、3月1日(月)から7日(日)まで外務省の招待により来日した。
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チャンバス事務局長は滞在中、東京及び京都を訪問し、阿部正俊外務副大臣、田中和徳外務大臣政務官、河野アフリカ審議官と意見交換を行った他、防衛庁、経済産業省、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)、日本貿易振興機構(JETRO)、日本経団連、日本アフリカ連合友好議員連盟、アフリカ研究者、及び在京アフリカ外交団と懇談した。
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チャンバス事務局長は、昨年開催されたTICAD III(第三回アフリカ開発会議)プロセスは、NEPAD(アフリカ開発のための新パートナーシップ)と共にアフリカ開発を促進するためのイニシアティブであるとして、TICAD IIIの成功を称賛。
また、紛争解決や経済・開発問題には地域全体として取り組むことが重要であるとして、AU(アフリカ連合)とECOWASとの協力や、リベリア及びコートジボワール和平プロセスにおけるECOWASの活動等について説明があった。
更に我が国のECOWASに対する支援に謝意が示されると共に、今後協力を期待する分野として、ECOWASの紛争予防機能の強化、貧困削減等人間の安全保障に関わる分野での協力、民間主導による地域インフラ整備プロジェクトの促進による貿易投資の活性化等が挙げられた。
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2.評価
対アフリカ協力の三本柱の一つとして平和の定着を掲げる我が国は、リベリアやコートジボワール和平プロセスにおけるECOWASの活動に対する支援をはじめ、アフリカ地域機関への支援を重視している。今回の訪日で同事務局長と政策対話を行うことができ、拠出金の有効利用やECOWASとの協力のあり方等について、今後もECOWASと取り組んでいくことが確認された。
(参考)我が国は国連機関等への拠出、加盟各国への開発援助等を通じてECOWASに対する間接的な支援を行ってきたが、2000年度よりECOWASに対し累計37万ドルの直接支援を行い、これまで人身売買問題やコートジボワール情勢調停に関する会合、リベリア和平円卓会議の開催費等に活用されてきた。
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