平成15年度タウンミーティング「学生と語る」
第1回・第2回
~結果報告~
外務省では、次代を担う学生たちに、国際問題に対する意識を高めるとともに、外務省職員との意見交換・交流の場を設けることを目的として、「タウンミーティング『学生と語る』」を実施しています。
本年度は、7月25日(金)に東京にて、また9月19日(金)に京都にて開催され、両日とも120名を超える学生が参加しました。以下、参加者のアンケート結果を一部ご紹介しながら、当日の様子を報告します。
第1回(東京・三田共用会議所)
全体講演会は、総合外交政策局総務課、西宮伸一課長による「国際情勢に関する講演」に始まりました。ジョークを交えつつ、日本の外交方針や「日本発」外交のビジョンについて、ざっくばらんにお話しました。
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・・・外務省が「日本発」外交を目指しておられることを知って、報道等ではあまりわからない外交の大きな理念についてお話頂けてよかったと思いました。(慶應義塾大学・Sさん) |
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現代の外交政策の柱になる部分のお話を聞けておもしろかったです。パレスチナの信頼醸成会議や「平和の定着」についてのお話をきいて、やはり人間関係の中の信頼が大切なことを実感しました。(東京大学・Nさん) |
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外交政策の4つの柱という具体的な政策の話や、首相・外務大臣との裏話など、現場で仕事をしている人にしかわからない出来事を聞くことができてよかったと思います。(匿名希望)
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つづいて、人事課、高羽陽課長補佐より、採用および研修制度について講演しました。
そのあと、若手省員を代表して、領事移住部邦人特別対策室、南慎二課長補佐より、「外務公務員の実情」と題し講演しました。自身の体験をふまえ、外交官の日常や、在外公館勤務の苦労と面白さについて熱く語りました。
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在外研修のお話など、ご自身の体験談はすごくリアリティがあり、外務公務員の実情を伺えたと思います。結婚についてなど、ざっくばらんなお話は、イメージをつかむのに非常に参考になりました。(匿名希望)
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ひきつづき、5つのテーマに分かれて分科会が行われました。それぞれの関心のあるテーマについて、担当官に直接疑問をぶつけたり、学生同士意見を交換し合ったりと、活発な議論が繰り広げられました。
「中東問題」(講師:中東第一課 吉田綾課長補佐)参加者の声
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イスラエル、パレスチナ問題からイラク攻撃、アメリカの立場まで、幅広い分野に触れとてもおもしろかった。・・・これからさらに勉強して、自分なりの問題解決の方法を模索したい。(匿名希望) |
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自分はパレスチナ側の方から常に考えていたのですが、アメリカやイスラエルがどう考えているのかよく分かりました。日本政府がどのようにパレスチナ問題に関わろうとしているのか、はっきりと分かって勉強になりました。(匿名希望) |
「ODA」(講師:経済協力局政策課 大場雄一課長補佐)参加者の声
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「国益」の定義や、ODAと国益の関係など、みんなのいろいろな意見が聞けてよかった。実際の外務省職員の援助に対する姿勢が見られてよかった。(東京大学・Nさん) |
「国連外交」(講師:国連政策課 辻本諭課長補佐)参加者の声
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国連外交、特に安保政策に焦点をあて、日本のイラク戦争支持に至るプロセス等、実際に一個人としての外務省の方から話を伺えるよい機会であったし、非常に内容の濃い2時間であったと思います。(上智大学・Sさん)
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国連の実態や、安保理改革、日本の関わりなど、様々なお話が伺えてよかったです。特に、日本がアメリカ追従なのでは決してなく、むしろバランサーとしての役割を果たしていること、そして日本の常任理事国入りに反対する国はほとんどないことについてのお話は、自分にとって新鮮で興味深かったです。(慶應義塾大学・Sさん)
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「日米安保」(日米安全保障条約課 御巫智洋課長補佐)参加者の声
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(講師の方が)「思考停止に陥ってはならない。外交政策は現状維持ではなく、40年、50年先のことも考えるべき」、とおっしゃっていたのが非常に印象に残りました。(匿名希望) |
「朝鮮半島問題」(北東アジア課 原田武夫課長補佐)参加者の声
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実際に外務省で北朝鮮を担当されている方のお話が聞け、外交とはどのようなものなのか、よく見えたように思う。今回の分科会の最後に在日朝鮮人の方の意見を聞き、一日本人として、北朝鮮問題にどのように対峙していくべきか、考える良いきっかけになった。(東京外国語大学・Tさん) |
第2回(京都・国立京都国際会館)
全体講演会は、国内広報課、大森茂課長による講演「国際情勢を見る眼の養い方」に始まりました。「新聞は真実を伝えているのか」「国益というのは本当にあるのか」「広い視野とバランス感覚の重要性」の3つのテーマについてお話しました。
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多くの情報が氾濫するなかで、何が真実なのかを見抜く眼を養う必要があるなと強く思った。同じものでも人によって見方が異なる、当たり前のようだがこの認識が、外交ではすごく大切なんだと思った。いろいろな人の意見や情報に対し、常に柔軟な姿勢でアンテナを張る重要性を感じた。(匿名希望) |
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つづいて、若手女性外交官を代表して、国連行政課、坂田奈津子課長補佐より、「外務公務員の実情」と題し講演しました。在外研修時代の経験や、外交官に求められる資質などについてお話しました。
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・・・外務公務員として大切なことは、自分がどういう立場に置かれており、何を必要とされているかをバランスよく見極め、常に向上心を持ちながら仕事をしていくことだと改めて実感しました(匿名希望) |
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坂田補佐の活躍ぶりから、女性の働きやすい職場としての外務省を見ることができたように思い、非常に嬉しく思います。「肌で感じたことを大切に」という言葉が印象に残りました。(慶應義塾大学・Kさん) |
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その後、5テーマに分かれての分科会が行われました。
「ODA」(講師:国際機構課 深堀亮事務官)参加者の声
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教科書や新聞など紙面でしか知らなかったODAの政策立案に関わる方の生の声、気持ちを聞くことができたので大変よかったと感じました。また、国民の声、国際社会の声、現地の人々の意見を調整して立案する大変さとやりがいとを感じることができました。(同志社大学・Nさん) |
「地球環境」(講師:地球環境課 吉原健吾課長補佐)参加者の声
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政策を進める上で留意する点、外務省の政策があいまいだと言われる理由、そしてこれから私達どのように学び、考えていくべきか等、貴重なお話が聞けたと思います。(京都外国語大学・Yさん) |
「難民」(講師:人道支援室 大河新典事務官)参加者の声
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・・・難民というと今まではUNHCRといった国際機関による支援のイメージが強く、外務省の役割があいまいだったのですが、分科会に参加し、外務省が物資のみならず資金援助や復興・再生にまで協力していることが分かりました。(同志社大学・Iさん) |
「我が国の安全保障」(講師:国際協定課 田口精一郎課長補佐)参加者の声
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自分の発言に対し、間違っている概念や思い込みを指摘してもらえ、また同年代の方々がどのような考えをもっているか、ということが分かってよかった。…今後の自分の問題意識の形成におおいに役立てることができると思います。(匿名希望)
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「対中外交」(講師:アジア大洋州局中国課 有馬孝典課長補佐)参加者の声
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日中共同声明から戦後補償の問題、中国人の対日感情、さらに経済の話まで、様々な視点から外交に関する知識を得られました。…(匿名希望) |
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SARSやチチハル市のマスタードガス事件の話など、実際に業務に携わっている方のお話だったので、紙面だけではなかなか知ることのできない話を聞けて大変興味深かった。(匿名希望)
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最後に、人事課、中村浩平課長補佐より、採用および研修制度について講演しました。採用試験の仕組みや語学研修の制度などについて、活発な質疑応答が行われました。
第3回、第4回も、多くの学生の皆様のご応募をお待ちしております。「外交官の生の声を聞きたい!」という方、「日頃疑問に思っていることを担当官にぶつけてみたい!」という方、ご自分の関心あるテーマについて「全国の学生と議論を交わしたい!」という方、ふるってご参加ください!
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