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第一セッション(知的財産権のAPEC地域の社会的、経済的発展に果たす役割)においては、APEC諸エコノミーの政府、ビジネス関係者より、知的財産権保護が、投資増大、経済発展に不可欠である旨指摘するとともに、各エコノミーにおける知的財産保護の取り組みについての説明がなされた。
APEC域内において、知的財産制度(法的インフラ)の調和・共通化と、その実効性確保が重要であることが指摘された。知的財産の制度的保障と実効性確保との間のギャップを埋めるために国際的な協力が必要であるとの指摘がなされた。その関連で人材育成の重要性にも言及がなされた。
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第二セッション(地域金融協力)においては、APEC諸エコノミーの政府、中央銀行、研究者及びアジア開発銀行関係者より、1997年のアジア金融危機の反省を生かして、チェンマイ・イニシャチブのこれまでの歩みと、アジア債券市場イニシャチブ実現のための種々の努力について説明がなされた。
地域金融協力は、ASEAN+3、アジア協力対話(ACD)、APECで進められているが、特にAPECに対しては、税制、信用供与等の面での金融インフラ整備の面での期待、また他地域からの投資誘致の媒介となることへの期待が表明された。
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第三セッション(世界経済にとってのFTA(自由貿易協定)/EPA(経済連携協定)の好ましい将来)では、政府、ビジネス、学界関係者より、最近のFTA/EPAの意義と問題点について発言があった。
FTA/EPAが、各国の経済調整・経済改革を促進し、競争力の強化と対外経済関係強化に貢献するとの肯定的側面が強調された。
他方、FTA/EPAから除外される国にとっての差別的扱い(貿易歪曲効果)の問題、FTA/EPAが増加することで、WTO制度及びお互いのFTA/EPAにうまくかみ合わなくなる制度的な問題、原産地規則の濫用問題等も指摘された。 |