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日EU関係に関する懸賞論文コンクール 審査委員長 田中俊郎 日EU関係に関する懸賞論文コンクールには60名の方々にご応募いただきましたが、その内訳は、学生の部22名、社会人の部37名、不明1名でした。18歳から88歳までの幅広い年齢層、職業的にも多様で、海外からの投稿(2名)を含めて、多くの方々が、日本とEUの問題と将来に関心を持っていただき、様々なご提言を頂いたのは大変喜ばしいことです。その中で、外務大臣賞(最優秀賞)を受賞された鶴岡氏の論文、「副題:日EU関係の新しい視角」は、「日欧関係に対する関心がなぜ低くかったのか」を分析した上で、第1に「日欧関係を日本外交の大枠の位置付け、日米関係などとの関係で議論すること、第2に「EUが持つ対外関係上の比較優位を理解し、それに応じて日本にとっての日欧協力の目的を設定する必要」を指摘、提言しています。論理的で、緻密な議論が展開され、最優秀の外務大臣賞にふさわしいすばらしい論文でした。 外務大臣賞(学生の部)を受賞された星野氏の論文、「副題:新たな国家のあり方を目指して」は、国際関係における「国益」のあり方も変化しつつあるとし、EUが日本の国益にとって重要な役割を果たすことを分析した上で、日EUが協調し合う枠組みを作るため、「共同シンクタンク」を建設することを提案しています。国際関係の大きな課題に果敢に挑戦しているところが評価されました。 外務大臣賞(社会人の部)を受賞された細谷氏の論文、「日欧政治関係と世界秩序」は、鶴岡氏の論文と共に抜きんでたものであり、「プロの論文」と評価されました。日欧関係の長い歴史の中で今日の日欧政治関係を位置付けた壮大な構想を持つもので、過去10年間における日本とEUが考慮されなければならない理由として、EUの世界政治におけるプレゼンスが急速に拡大し、日本も世界政治において一定の国際貢献を果たす必要を認識し始めたことを指摘した上で具体的な対話と協力の枠組みとして「日欧協力理事会」を提唱しています。 敢闘賞(学生の部)初瀬氏の論文は、難民問題とその解決に向けての日EU間協力を論じた好論文であり、同じく敢闘賞(学生の部)の小澤氏の論文は、高校生でもこれだけよく調べ、まとめることができることを示すものでした。 敢闘賞(社会人の部)の細淵氏の論文は、日本とEUの共通の課題(環境問題、途上国問題、産業の法人企業化グローバル化による社会変化、国際市場統合の拡大等に起因する問題など)を指摘し、それぞれへの日EUの協力的な取組みを提案しています。同じく敢闘賞(社会人の部)の佐々田氏の論文は、日EUの相互理解を促進するために、具体的には、日本文化会館、日本インフォメーション・センターの適切な配置と壮大な「新シルクロード」構想の推進などを提案しています。 以上、外務大臣賞及び敢闘賞の受賞者の選評を述べてきましたが、これ以外にも環境問題、途上国援助での協力など具体的な提言も多くありました。外務省の方で今回の論文コンクールに提案された多種多様な提言の中から実務の参考なるものを大いに利用していただければと思います。 最後に、1991年の日EC共同宣言の10周年にあたり、このようなすばらしい企画を立ててくださった外務省および社団法人日本外交協会の皆様に、また、後援いただいた日本EU学会および全日本空輸株式会社、日本航空株式会社に、さらに論文の応募者全員に、この場を借りて厚くお礼申し上げます。 |
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