外務報道官談話
ボリビア情勢について
平成17年3月9日
- わが国は、南米のボリビアにおいて、今般、道路封鎖等の反政府抗議行動が全国に広がる中、7日(現地時間)、カルロス・ディエゴ・メサ・ヒスベルト大統領が辞表を議会に提出し、政治情勢が不透明になっていたところ、中南米の民主主義と安定・発展を重視する立場から、同国の情勢を注視している。
- 現地大使館からの報告によれば、8日夜(現地時間)、ボリビア議会は大統領の辞表を否決し、あわせ行政府と議会との間の政策合意の文書が決議された。これをもってボリビアの政情は正常化に向かうことが期待される。
- わが国としては、今後、ボリビアが官民一致して諸般の課題に真摯かつ建設的に取り組み、同国の民主主義の一層の強化と経済・社会の安定・発展が実現することを強く期待する。
(参考)メサ・ボリビア大統領による辞表提出
- ボリビアにおいては、最近、天然ガス歳入の地域住民への還元、憲法改正会議の開催、外資系企業の退去、サンタクルス地域の自治要求等の様々な要求を掲げた抗議運動が頻繁に発生してきた。
- 7日、左派勢力による全国規模における道路封鎖実施の声明を受け、メサ・ボリビア大統領は、このような行為の下での職務の継続は困難として、議会に対し辞表を提出した。
- 8日夜(日本時間9日午前)、議会において辞表を受理するか否かに関する審議が行われた結果、全会一致によりメサ大統領の続投を支持する旨の決議が可決された。また、ボリビア政府と議会との間で、今後のメサ大統領の政策運営を保障するための4項目の合意文書(注)を承認する決議が可決された(但し、左派社会主義運動党(MAS)は反対)。
- 上記決議を受け、同日メサ大統領は議会で演説を行い、自らの取り組みに対する国民の支持に感謝の意を述べるとともに、今後重要課題に向けて政府と議会が協調して取り組んでいく決意を表明した。
(注)政府と議会による4項目の合意文書:
- 国家の利益及び主権を尊重する形での炭化水素法の早期可決
- 憲法改正会議の実施、地方自治に関する国民投票の実施、県知事選挙の実施
- 生産性向上の促進、雇用促進及び社会包摂に関する国民合意の形成
- 抗議行動及び道路封鎖の解除への呼びかけ
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