外務報道官談話
バングラデシュにおけるテロ事件について
平成17年1月28日
- 1月27日、バングラデシュのシレット州ハビゴンジ県で行われていたアワミ連盟政治集会において手榴弾によるテロ事件が発生し、キブリア前蔵相を含め少なくとも5名の死者および多数の負傷者が出たことに衝撃と強い憤りを感じる。また、わが国は、このテロ事件において亡くなられた方々および御遺族の方々に心から哀悼の意を表明するとともに、多数の負傷者の方々に心からお見舞い申し上げる。
- わが国は、バングラデシュ政府に対し、本件テロ事件を含む一連のテロ事件の迅速な真相究明を強く求める。わが国は、バングラデシュが国民が一体となって政治的暴力を克服し、「法と秩序」を回復することを希望するとともに、一層の民主化の定着に向けた同国の努力を引き続き支援していく所存である。
- わが国は、如何なるものであれ、テロリズムは正当化されないとの立場を堅持し、改めてあらゆる形態のテロリズムを断固として非難する。
(参考)
- 1月27日午後7時頃(現地時間)、バングラデシュのシレット州ハビゴンジ県(首都ダッカより北東約150km)の小学校の校庭で行われていた野党アワミ連盟(前政権)の政治集会において、キブリア前蔵相(1996年6月~2001年7月の前アワミ連盟政権時代)が演説を終えた後、同前蔵相に対し手榴弾が投げ込まれた。同前蔵相は、首都ダッカの病院に搬送される途中(現地時間28日午前0時30分頃)に死亡が確認された模様。他の死亡者の中には、同前蔵相の甥モンジュルル・フダ氏が含まれている。
- 同テロ事件を受け、ハシナ・アワミ連盟総裁(前首相)及び同党幹部は、同事件は政敵(アワミ連盟)を根絶するために仕組まれたものとして、BNP(バングラデシュ民族主義党)およびジャマティ・イスラミ連立政権を非難するとともに、28日にダッカでテロを非難するデモを実施し、また翌29日にハルタル(ゼネスト)を実施する旨発表した。
3.昨年、同国においては、5月にシレット市(同国北東部、首都ダッカより北東約200km)において、チョウドリー駐バングラデシュ英国大使(シレット出身のバングラデシュ系英国人、イスラム教徒)に対し手榴弾が投げつけられ、同大使が足に重傷を負った事件が発生したほか、8月には、ダッカのアワミ連盟本部前で行われていた同党政治集会で爆発事件が発生し、多数が死亡、ハシナ前首相および前政権閣僚数名を含む200~300名が負傷する事件が発生している。
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