外務報道官談話
ソマリア暫定大統領の選出について
平成16年10月12日
- わが国は、10月10日(日)(現地時間)にケニアのナイロビで行われたソマリア共和国暫定連邦議会議員による投票の結果、アブドゥラヒ・ユスフ・アフマド氏がソマリア共和国暫定大統領に選出されたことを歓迎する。また、ソマリア和平交渉を主導している政府間開発機構(IGAD)およびケニア共和国をはじめとする関係国・機関の努力に敬意を表する。
- ソマリアの政治指導者ら関係者自身の選択により実現した今回の暫定大統領選出は、ソマリア和平を具体化するための重要な一歩であり、わが国は、ユスフ暫定大統領の下、ソマリア暫定連邦政府の樹立を含め、ソマリアの恒久和平に向けた動きが更に加速することを期待する。
- わが国は、ソマリアの平和と安定が、「アフリカの角」地域のみならずアフリカ全体の「平和の定着」にとって重要であるとの認識の下、引き続きソマリア和平の実現に向けて国際社会とともに協力していく考えである。
(参考)ソマリア和平プロセスの経緯
- ソマリアでは、91年のバレ政権崩壊を機に軍閥ごとの武装グループが互いに抗争を繰り広げる無政府状態となった。90年代前半には国連PKOや多国籍軍の展開による事態収拾に向けた動きも見られたが武力衝突の激化に伴い、やむなく撤退した。
- 2002年8月には、ジブチ主導による和平プロセスの結果として暫定政府(TNG)が誕生したが、同政府による首都モガディシュの実効支配が確立せず、わが国を含む国際社会による政府未承認の状態が続き、武力衝突が頻発している。また、TNGのマンデートは昨年8月に失効した。
- 2002年10月より政府間開発機構(IGAD)のイニシアティブにより、ケニアにて「ソマリア国民和解会議」が開始されている(これまで通算14回開催)。
- 2002年10月、ソマリアの軍閥関係者が「停戦合意」に署名(エルドレッド宣言)したが、合意不履行が繰り返されている。(なお、ソマリア北部に「ソマリランド」建国を主張している氏族グループは以後の和平プロセスに参加していない。)
- 2004年1月、一部の軍閥を除くソマリア政治指導者らが暫定連邦議会発足に合意した(ナイロビ・サファリパーク宣言)。
- 2004年8月、暫定連邦議会が発足し、議会議長を選出した。
- 2004年10月10日、ケニアのナイロビにおいて暫定連邦議会議員による大統領選出投票が行われ、アブドゥラヒ・ユスフ・アフマド氏がソマリア共和国暫定大統領に選出された。
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