外務報道官談話
イラク担当国連事務総長特別代表の任命について
平成16年7月13日
- 7月12日(月)(日本時間13日(火))、コフィ・アナン国連事務総長は、イラク担当の国連事務総長特別代表にアシュラフ・ジェハンギル・カジ駐米パキスタン大使を任命したいとの意向を安保理に通知した。わが国としては、故セルジオ・ヴィエイラ・デ・メロ前事務総長特別代表以来となるイラク担当事務総長特別代表が任命されることを歓迎する。また、わが国としては、同事務総長特別代表の下の国連イラク支援ミッション(UNAMI)の活動に対し、引き続き可能な限りの支援と協力を行っていく考えである。
- イラクの復興のためには、国連をはじめ国際社会が一致して支援していくことが不可欠であり、今後、同事務総長特別代表の下、UNAMIが、安保理決議1546に基づき政治プロセス支援における主導的役割を果たすとともに、人道復興支援(イラク復興信託基金によるものを含む)等の提供を促進することを期待する。また、わが国としても、国連をはじめ国際社会と協力しながら、今後ともイラク人自身による国家再建への努力を積極的に支援していく考えである。
(参考)
- アシュラフ・ジェハンギル・カジ駐米パキスタン大使の略歴
(1)出身:バルチスタン(パキスタン)
(2)生年:1942年4月2日(62歳)
(3)学歴:パンジャブ大学経済学修士
(4)主な経歴等:
1965年 パキスタン外務省入省
1978-81年 駐日本大使館参事官
1986-88年 駐シリア大使
1990-91年 駐ドイツ民主共和国大使
1991-94年 駐ソ連/ロシア連邦大使
1994-97年 駐中国大使
1997-2002年 駐インド高等弁務官(事実上の大使)
2002年- 駐米大使
- 安保理決議1546パラ7(抜粋)
事務総長特別代表及び国連イラク支援ミッション(UNAMI)は、イラクの国民及び政府を支援するという権限の履行において、状況が許せば、イラク政府の要請に基づき、
(a) 以下の主導的な役割を果たし、
- 諮問評議会を選出するための二千四年七月の間における国民会議の開催の支援、
- 選挙実施のための過程に関するイラク独立選挙委員会、イラク暫定政府及び移行国民議会に対する助言及び支持、
- イラクの国民による国民憲法の起草に関する国民対話及び総意構築の促進、
(b) また、
- 効果的な市民及び社会サービスの発展におけるイラク政府に対する助言、
- 復興、開発及び人道支援の調整及び提供への貢献、
- 人権の保護、国民和解並びにイラクにおける法の支配を強化するための司法及び法制の改革の促進、並びに
- 包括的な人口調査の実施に向けた初期計画に関するイラク政府に対する助言及び支援を行うことを決定する。
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