外務報道官談話
イランの核問題に関するIAEA理事会決議の採択について
平成16月3月13日
- わが国は、3月13日(土)、ウィーンにて開催された国際原子力機関(IAEA)3月理事会において、イランの核問題に関する決議が無投票で採択されたことを歓迎する。
- わが国は、イランの核問題をわが国自身の問題としてとらえており、イランがこの決議を重く受け止め、この決議を含めた累次のIAEA理事会決議の全ての要求事項を誠実に履行することを強く希望する。
(参考1)決議のポイント
- IAEAが要求する場所に対するアクセスを提供するにあたって、イランが積極的にIAEAと協力しているとの事務局長の報告を確認するが、これまでのイランの協力が、要求されているものと比べて不十分であるため、イランがその協力を継続し、強化することを要請する。
- イランの追加議定書の署名を歓迎し、その早期批准を求める。また、イランが、2003年11月10日をもって追加議定書の規定に従って行動することを、自主的に約束したとの理事会の理解を強調し、イランが追加議定書第3条に想定されている申告期限を遵守することの重要性を強調する。
- 濃縮関連及び再処理活動の停止の範囲に関する、2003年12月29日及び2004年2月24日のイランの自主的な決定が有益な措置を構成することに留意し、イランが、この約束の適用範囲を、イラン全土にわたる全ての濃縮関連及び再処理活動に拡大することを要請する。
- イランが、P2型遠心分離機の設計図の保有や機械テスト活動等について言及漏れをしたことは、遺憾である。
- ポロニウム210の生成と意図されている使用についての実験に関連するイランの活動の目的の問題に関し、事務局長により表明された懸念に共鳴する。
- イランが全ての未解決の問題の解決のために必要な全ての措置を早急かつ積極的にとることを要請する。
- 外国の供給者からの核技術の取得を含めた、イランの核活動に関する未解決の問題の解明のためには、全ての第三国が、IAEAとの間で緊急、完全かつ緊密に協力することが不可欠であることを再言する。
- 事務局長に対し、6月理事会の検討のために、5月末までに、若しくは適当な場合にはそれ以前に、これらの問題やイランに関する今回及びこれまでの決議の履行についての報告を行うことを要請する。
- イランの申告の検証についての進展、及び、上記申告漏れへの対応についての検討を、6月会合まで、かつ上述の事務局長報告の受領後まで、延期(defer)することを決定する。
- 本件について引き続き把握しておくことを決定する。
(参考2)本決議は、理事国間の調整の結果、議長提案として理事会に提出され、無投票で採択されたもの(理事会議長はスペイン)。
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