外務報道官談話
イランの核問題に関するIAEA理事会決議の採択について
平成15年11月26日
- わが国は、11月26日(水)、ウィーンにて開催された国際原子力機関(IAEA)11月理事会において、イランの核問題に関する決議が無投票で採択されたことを歓迎する。
- わが国は、国際社会が一致してイランの核問題の解決に取り組むことが重要と考え、英国・フランス・ドイツとともに、この決議の共同提案国となっており、イランがこの決議を重く受けとめ、決議の要求事項全てを誠実に履行することを強く希望する。
- わが国は、イランが過去に未申告でウラン濃縮等の原子力活動を行っていたことは遺憾であると考え、イランに対しても遺憾の意を率直に伝えてきている。また、最近、イランがIAEAの活動に対して前向きな協力姿勢を見せていることを歓迎するとともに、イランが、IAEAと協力することにより、国際社会の懸念を払拭し、国際社会とイランの間で真の信頼関係が確立されることを強く期待する。
(参考)決議のポイント
- イランが積極的な協力と公開性を提供し、9月12日付理事会決議の要求に前向きに対応していることを歓迎する。
- イランの過去の不備及び違反に強い遺憾の意を表明する。
- イランが、必要な全ての是正措置を緊急に完了させ、IAEAとの完全な協力を継続し、透明性・公開性を提供することを求める。
- イランによるさらなる重大な不備が発覚した際には、理事会は、事務局長の勧告等を勘案し、IAEA憲章およびイランの保障措置協定に従って、執りうる全ての選択肢につき検討するために即座に会合を開くことを決定する。
- 追加議定書を締結するというイランの決定に満足するが、イランが速やかに批准し、批准までの間、追加議定書が発効したのと同様の行動をとることが重要である。
- 全てのウラン濃縮関連および再処理活動を自発的に停止するとのイランの決定を歓迎し、イランに対し、この決定を完全かつ検証可能な形で厳守することを要求する。
- 未解決の問題の解決のためには、全ての第三国によるIAEAへの緊急、完全かつ緊密な協力が不可欠である。
- 事務局長に対し、イランによって提供された情報が正確かつ完全であることを確認し、未解決の問題を解決するために必要な全ての措置を執ることを要求する。
- 事務局長に対し、3月理事会での検討のため、2004年2月中旬までに、本決議の実施に関する包括的な報告を提出すること、もしくは、より早い適切な時期に報告することを要求する。
|