外務報道官談話
コンゴ民主共和国紛争に関するコンゴ民主共和国・ルワンダ間の合意成立について
平成14年7月31日
- 7月30日、プレトリア(南アフリカ)において、カビラ・コンゴ民主共和国大統領およびカガメ・ルワンダ大統領との間で、ルワンダ軍のコンゴ民主共和国領内からの撤退ならびにコンゴ民主共和国領内の旧ルワンダ軍およびインタラハムウェ(ルワンダ反政府勢力)の武装解除に関する合意への署名が行われた。わが国は、コンゴ民主共和国紛争解決のための重要な一歩であるこの合意を歓迎するとともに、合意成立に至るまでの南アフリカ政府等関係者の努力を高く評価する。
- わが国は、今次合意が早期かつ完全に実施されることを強く希望するとともに、これに向けた両国の着実な取り組みが重要である旨表明する。
- また、わが国は、両国政府を含むコンゴ民主共和国紛争の全ての当事者に対し、ルサカ停戦合意および関連国連安保理決議を早期にかつ完全に実施することを改めて強く希望する。
(参考)
- コンゴ民主共和国においては、1998年8月に政府側と反政府勢力の対立に端を発して紛争が勃発、周辺国を巻き込んで紛争は拡大した。1999年8月には、主権と領土の一体性の尊重、国民対話の実施、外国軍隊の撤退、武装集団の武装解除・逮捕等を内容とするルサカ停戦合意が成立したが、その後も不安定な状況が継続した。特に、コンゴ民主共和国領内におけるルワンダ反政府勢力の存在、および、これを理由とするルワンダ軍のコンゴ民主共和国領内への派兵がコンゴ民主共和国紛争の主要な争点となっていた。
- 2001年1月、ジョゼフ・カビラ将軍が大統領に就任、ルサカ停戦合意の履行を表明した。2002年2~4月には、サンシティー(南アフリカ)において国民対話(ルサカ停戦合意の主要ポイントの一つ)が開催され、政府側と反政府勢力の一部との間で合意が成立したものの、一部の反政府勢力はこの合意を受け入れず。
- 7月18~22日にプレトリアにおいて開催されたコンゴ民主共和国・ルワンダ両国政府代表者間の協議において、コンゴ民主共和国は領内のルワンダ反政府勢力及び旧ルワンダ軍の武装解除・ルワンダへの引き渡しを行い、ルワンダはコンゴ民主共和国領内に展開しているルワンダ軍を撤退させる、ことにつき合意が成立した。30日、プレトリアにおいて両国大統領が署名を行い、本件合意は発効した。
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