外務報道官談話
アラブ首脳会議におけるアラブ和平提案の採択について
平成14年3月29日
- わが国は、3月28日に閉幕したアラブ首脳会議が、サウジアラビアのアブドッラー皇太子が先月表明した提案を基礎として、アラブ諸国全体の和平への意思としてアラブ和平提案を採択したことを歓迎する。
- この提案を契機として、中東地域において、情勢を沈静化させ、公正、永続的かつ包括的な和平を一日も早く実現するための具体的動きが進展することを期待している。わが国はそのために可能な限りの協力を行う意思を表明する。
- このように和平に向けた建設的動きがある中で、27日の大規模自爆テロに続き、本日、イスラエル軍がラマッラへの侵入を開始し、今後必要に応じ、軍事作戦を拡大するとしていることを懸念しており、改めて最大限の自制を強く求める。
<参考>
- アラブ和平提案の概要
(イ) |
イスラエルに対し、全アラブ占領地からの完全撤退、難民問題の公正な解決、および東エルサレムを首都とするパレスチナ独立国家の樹立の受諾を要請。 |
(ロ) |
その場合、アラブ諸国は、イスラエルとの紛争終結・和平合意、および正常な関係の構築を実施。 |
(ハ) |
本提案に対する国際社会への支援要請、および連盟特別委員会の設立要請。 |
- 最新の情勢
現地時間29日早朝、イスラエル軍戦車が西岸パレスチナ地域のラマッラ(アラファト議長は同市内にて軟禁されている)およびナブルスへ進入。一部戦車はアラファト議長府から数十メートル地点へ侵攻し、パレスチナ側との銃撃戦が行われている。(今次攻撃により、現時点でパレスチナ側警官8名負傷、内2名重傷)。イスラエル側ブルドーザーが同議長府周囲の塀を破壊開始。なお、イスラエル軍によるラマッラ進入は3月14日以来。
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