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談話・コメント

外務報道官談話

クロアチア情勢について


平成12年2月8日

1. 2月7日に行われたクロアチア大統領選挙における決戦投票の結果、スティエパン・メシッチ氏(クロアチア人民党副党首)が大統領に当選することが確実となった。わが国は、メシッチ氏の大統領当選を歓迎するとともに、クロアチアの下院議会選挙および大統領選挙が概ね公平かつ民主主義の原則に則って実施されたことを評価する。クロアチアでのこのような動きは、同国の民主主義が成熟しつつあることを物語るものであると認識している。
2. わが国としては、メシッチ氏がラチャン首相率いる新政権と共に、民主的な国家の建設に向けて指導力を発揮することを強く期待する。また、クロアチア新指導部がセルビア系難民の帰還促進や旧ユーゴ国際刑事裁判所への協力を推進し、ボスニア・ヘルツェゴビナの和平履行において積極的な役割を果たすことにより、南東欧地域の安定と繁栄に貢献していくことを希望するものである。
  (参考)
 クロアチアでは、去る1月の下院議会選挙の結果、野党勢力が勝利し、ラチャン社会民主党党首を首相とする新政府が発足、これまでのクロアチア民主同盟(HDZ)による民族主義政権が崩壊している。本件大統領選挙は、昨年12月のトゥジマン大統領の死去を受けて行われたもの。クロアチアでは、過去10年にわたり、トゥジマン大統領の率いる民族主義政党(クロアチア民主同盟)が一貫して政権を担当してきた。しかし、HDZによる民族主義的政策は国際社会の非難を浴び、クロアチアは国際的に孤立することになった。また、HDZは悪化する国内経済に対して有効な方策を打ち出せず、国民の支持を減少させていった。特に、カリスマ的存在であったトゥジマン大統領(HDZ党首)の死去は、クロアチア国民のHDZ離れを一層加速させた。

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