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外務報道官談話

インドとパキスタンの外務次官級協議開催について


平成9年6月24日 


1.
わが国は、6月19日(木)から23日(月)まで、インドとパキスタンの外務次官級協議が開催されたことを歓迎する。

2.
今回の外務次官級協議により、一連の印パ間対話路線が更に確固としたものとなり、印パ両国関係改善に向けての環境が更に改善されたものと評価している。今後両国間の対話が更に進展することを期待する。

(参考)

 1.
本件外務次官級協議終了に当たり、合同記者会見において共同声明が発表された。この共同声明においては、両国にかかわる主要問題として、平和と安全、カシミール問題、テロ・麻薬、経済・通商協力、交流の創出等8分野が挙げられ、問題解決へのメカニズムの構築(しかるべきレベルでのワーキング・グループの設置を含む)につき言及されている。また、次回の本件協議を9月にニューデリーで開催することも合意された。

 2.
本件外務次官級協議は、本年3月に3年振りに開催され、その後両国間では4月に外相会談、5月のモルディヴにおける南アジア地域協力連合(SAARC)首脳会議の際には首脳会談が開催される等、最近両国間対話が進んできている。わが国は、今日まで機会をとらえ印パ両国に対話を呼びかけてきており、先般の首脳会談開催の際にもこれを歓迎する旨の外務報道官談話を発出したところである。

【参考】印パ間対話

 印パ両国は二国間問題および信頼醸成促進を目的に90年に外務次官級協議を開始。94年第7回協議でカシミール問題が初めて取り上げられたが、双方の意見は平行線のままで、その後本協議は中断。
 本年2月のシャリフ・パキスタン新政権発足後、シャリフ政権は本協議開催を提案し、印が同意。同3月、本協議が3年振りに再開(但し、実質面での進展は無かった模様)。その後、同4月の非同盟外相会合で印パ外相会談が行われ、また、5月のSAARC首脳会議の際、印パ首脳会談が行われ、関係改善のための首脳間ホットライン設置や二国間問題解決のための合同作業部会の設置などが合意された。
 右を受けて開催されたのが本件外務次官級協議。終了に際し行われた合同記者会見での共同声明の要旨は以下の通り。

 1.
本年3月の外務次官級協議の決定と、両国首相の指示により、両国は二国間に存在する懸案に関し相互に立場を明確化し、広範かつ包括的な対話を継続した。協議は友情のこもった建設的な雰囲気の中で行われた。また両国は、相互の敵意ある宣伝や挑発的な行動を回避するためにあらゆる措置を講じることで合意した。

 2.
印パ間に友好的、協調的な関係を作り出すことを目的として、両国次官は以下の通り合意した。
(1)両国にかかわる主要問題を以下の通り表明する。
(イ)平和と安全。これには大陸間弾道弾問題を含む。
(ロ)ジャム・カシミール
(ハ)シアチェン
(ニ)ジェラーム河水利権(ウーラー堰プロジェクト/タルブル・ナビゲーション・プロジェクト)
(ホ)海上の国境画定(シール・クリーク)
(ヘ)テロリズム、麻薬取引
(ト)経済、通商協力
(チ)様々な分野における、友好的交流の創出
(2)問題解決へのメカニズムを構築する。その中にしかるべきレベルでのワーキング・グループ(WG)の設置が含まれる。上記(イ)、(ロ)の問題は外務次官が取り扱い、同次官はすべてのWGの作業の進捗状況に関し調整と監視を行う。

 3.
両次官はWGの構成とその作業の進行方法に関して、事前の意見交換を行い、外交ルートを通じて検討を継続することを決定した。

 4.
次回の外務次官協議は、97年9月にニューデリーで開催する。  



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