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外務報道官談話

ナイジェリアにおける人権活動家等の処刑について


平成7年11月13日 

1.わが国は、ナイジェリア政府がケン・サロウィワ氏ら9人の人権活動家に対し、適正な法手続に疑念を残したまま死刑判決を下し、国際社会のたび重なる訴えにもかかわらず、急ぎ同判決を確定し、11月10日に刑を執行したことは、人道的観点から極めて非民主的行動であると考えており、こうした事態に対し遺憾の意を表明する。
2.わが国は、ナイジェリアにおける人権の保障および民主化の早急な確立をこの機会に改めて期待する。

(参考資料)

 1.経緯
(1)ケン・サロウィワ等への死刑判決
 特別軍事法廷は10月31日、オゴニ州民生存運動(the Movement for the Survival of the Ogoni People/MOSOP)のリーダーであるサロウィン等9名に対し、死刑判決を下した。昨年5月に生じたオゴニ地域(石油産出地域)の有力者4名の殺人事件に関与したというのがその理由。右4名が属していた有力者会議はシェル、シェブロン、石油・資源開発委員会から賄賂を受け取り、オゴニ地区内の土地を同社等に売り渡したと言われていた。被告側は本殺人事件はMOSOPの運動を鎮静化させるための陰謀であり冤罪であるとしていた。
(2)この死刑判決に対し、英、米、独、カナダ、スイス、コモンウエルスが右を避難する声明を発出。
(3)ケン・サロウィワ等への死刑判決が確定(11月8日)
 8日、ナイジェリア軍事政権である暫定統治評議会は、サロウィワらに特別軍事法廷が言い渡した死刑判決を認める決定を行い、同人らの絞首刑が確定。
(4)ケン・サロウィワ等へ死刑判決(11月10日)
(5)この死刑執行に対する各国の抗議。
(イ)英、米、仏、オーストラリア、オランダ、スイス、南ア各国政府は「ナ」駐在大使の召喚を決定。
(ロ)各国の声明

  ●国連
 ガリ事務総長は、10日「驚きと衝撃を受けている。国際社会の多くの努力や要請を無視して行われたことは遺憾。「ナ」政府は、国際的責務に従うとともに国内の少数派弱者の権利を尊重するよう促す」との談話を報道官を通じて発表。

  ●米(在「ナ」大からの現地報道)
(1)大使の協議のための召喚。
(2)駐米「ナ」大使を招致し抗議の意を伝達。
(3)「ナ」政府に対する軍事物資売却、補修の禁止。
(4)高級将校、官吏に対する入国査証の発給停止措置の延長。
(5)オルブライト米国連大使に対し「ナ」問題に関する国連緊急会議開催の招請、「ナ」に対する石油禁輸措置、「ナ」人対外資産の凍結決議を検討することを命ずる。
  ●英
 メージャー英首相は、今回の処刑を「合法的殺人」で、民主主義と人権に関する英連邦のハラレ宣言(91年採択)を無視する行為であると避難し、「民主的な政府に戻らない限り、英連邦にとどまるべきでない」と除名を求めた。

 2.人物背景 ケン・サロウィワ(Ken Saro-Wiwa)
 作家、劇作家、環境保護主義者(保護論者)、オゴニ族のリーダー、教師、州政府大臣、雑貨商、商人、不動産開発業者、出版者、TVプロデューサー。国民を政治的自由の中に取り込むためにできるだけ多くの州を設けるべきとの持論の持ち主で、後にオゴニ州(人口50万人)自治を宣言し、シェル石油からのバック・レント及び補償として数十億ドルを要求した。これに対し政府は弾圧を加えると共に、近隣諸州のエスニック・グループに対しオゴニを攻撃するよう使そうした。かかる圧力の中で、オゴニ運動は妥協を図ろうとする穏健派とより闘争的な「サ」の支持者派とに分裂していた。

外務報道官談話 / 平成7年 / 目次

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