ムワナワサ・ザンビア共和国大統領の訪日
(概要と評価)
平成17年1月24日
ムワナワサ・ザンビア共和国大統領は、夫人及び関係閣僚とともに1月18日(月)から1月21日(金)まで、我が国の招待(公式実務訪問賓客)により訪日したところ、概要及び評価以下のとおり。
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(ムワナワサ大統領(左)と小泉総理(右)) |
(交換公文署名式の様子) |
- 概要
(1)訪日中、ムワナワサ大統領夫妻は、天皇皇后両陛下との御会見に臨み、宮中午餐に出席した。また、小泉総理と首脳会談を行った他、河野衆議院議長、扇参議院議長、森前総理(日・AU友好議連会長)、細田官房長官、中川経済産業大臣、矢野参議院自民党国会対策委員長、緒方JICA理事長、渡辺JETRO理事長等との間で幅広い意見交換を行った。
(2)また、18日にはムワナワサ大統領及び細田官房長官の立ち会いの下、ザンビアに対して有する円借款債務(約708億円)の免除に関する交換公文の署名が行われた。
(3)この他、JETROで開催されたザンビア・ビジネス・セミナーに出席した他、大田区の中小企業視察、大相撲観戦等を行った。また、新幹線を利用して愛知県を訪問し、愛・地球博の会場視察、愛知県知事、中部財界の代表者他との意見交換等を行った。
(4)小泉総理との首脳会談(1月18日(火))では、日・ザンビア関係強化の観点から、以下の通り、二国間協力関係(経済協力、経済等)、国連・安保理改革を中心に意見交換が行われた。
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- (イ)昨年外交関係40周年を迎えた日・ザンビア関係を、大統領訪日を機に発展させたいとの期待が両首脳より表明された。
- (ロ)経済協力の面では、これまでの我が国の様々な支援に謝意が表明された。また、5分野(貧困削減、特に地方の開発、保健・医療、均衡のとれた経済構造、人材育成とキャパビル、地域協力の推進)での支援への期待が示された。個別案件では、コンゴ民主共和国との国境のチェンベ橋への支援要請がなされ、今後、両国の関係者で協議をしていくこととなった。
- (ハ)経済面では、大統領より、観光促進、投資促進、主要産業である銅産業への関心拡大につき期待表明があった。
- (ニ)国連・安保理改革については、大統領の側から我が国の常任理事国入りに対する明確な支持表明があった。
- (ホ)その他、先般の津波被害につき大統領よりお見舞いの言葉があった。
- 評価
(1)ムワナワサ大統領の訪日は、2003年9月の第三回アフリカ開発会議(TICAD III)出席以来のものであった。
(2)我が国とザンビアは、1983年に皇太子同妃両殿下(当時)が、1999年に高円宮同妃両殿下(当時)がザンビアを訪問した他、ザンビアの歴代3大統領全てが訪日するなど、伝統的に良好な関係を築いてきた。今回のムワナワサ大統領訪日を機に、昨年外交関係樹立40周年を迎えた二国間関係を更に幅広い分野で発展させることができた。
(3)小泉総理との首脳会談では、ザンビア側から日本の安保理常任理事国入りに対する支持表明がなされ、滞在中の全ての会談を通じて日本の安保理改革に臨む立場に対する強い支持が表明される等、安保理改革のモメンタムを増大する上でも極めて有意義であった。また、我が国は、ザンビアの南部アフリカ地域における政治的安定勢力としての重要性や、経済改革の取り組み等を評価し、同国への支援を実施してきたが、大統領より、我が国のこれまでの支援に対し強い謝意が繰り返し表明された。大統領訪日を機に署名が行われた円借款債務の免除については、ザンビアの現地新聞を中心に大きく取り上げられた。
(4)その他、中小企業視察やザンビア・ビジネス・セミナー、中部地方経済界との懇談は、中小企業育成を開発上の最重要課題の一つとするザンビア政府にとって極めて有益な機会を提供した。また、大相撲観戦を通じて日本文化に触れるとともに、愛知県訪問を通じ愛・地球博への理解を深めるなど、今回の訪日を通じて幅広い分野で友好協力関係を強化することができた。
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