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主な要人の来日日程

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2005年 平和及び安全保障に関する協力のための日加計画




 平和及び安全保障の分野は、日本国政府及びカナダ政府が多大な国際貢献を行い、互いの外交政策において多くの目標を共有している分野である。したがって、双方が更に密接かつ効果的に協力できる余地がある。本日の会談において、小泉総理大臣及びマーティン首相は、平成11年の「平和及び安全保障に関する協力のための日加行動計画」の下でこれまで行ってきた協力に引き続きコミットすることを再確認するとともに、特に以下の分野において、知見及び資源を共有することによって、二国間の協力及び対話を強化していくとの決意を確認した。

A)テロへの対応

 日本国政府及びカナダ政府はテロの脅威との闘いについて強い関心を共有している。特に、2001年9月11日のテロ攻撃以降、テロに対抗するためのキャパシティー・ビルディングへの協調的取り組みは、両国政府にとっての優先分野である。日本国政府及びカナダ政府は、アジア太平洋地域の国々による幅広い分野におけるキャパシティー・ビルディングを支援していく必要性を認識するとともに、特にこれらの国々がテロ対策のため法的枠組みや法執行機能を強化し、交通保安を確保し、またCBRNテロ(化学・生物・放射性物質、核を用いたテロ)により効果的に対応するために、これらの国々への支援にあたって協力を強化していく。二国間での協議及び協力の強化に加え、両国政府は、国連、G8、APECその他の話し合いの場における多国間での協力を強化するよう努めていく。両国政府は、対テロ措置をとるにあたって、人権や難民の権利に関する法的規範が遵守される重要性を強調した。

B)国際組織犯罪との闘い

 日本国政府及びカナダ政府は、国際組織犯罪に対する国際的対応の必要性を確信し、こうした犯罪に対する協調的取り組みを更に強化していく。両国政府は、国連国際組織犯罪防止条約の発効を歓迎し、画期をなすこの条約が、同条約の議定書とともに、成功裡に実施されるよう貢献していく決意である。両国政府は、国連麻薬委員会の場や国連薬物犯罪オフィスの作業を通じることも含め、不法薬物に対する闘いに引き続き協力して取り組んでいく。

C)地域の安定及び人間の安全保障の推進

 両国政府は、グローバル・パートナーシップを促進するため、アフガニスタン、中東和平プロセス及び人間の安全保障といった分野において、政策対話を拡充していく。アフガニスタンでは、日本国政府及びカナダ政府は、治安セクター改革やアフガニスタン政府及び関係機関に対する支援といった平和構築の取り組みにおいて更なる協力の可能性を探求していく。中東和平プロセスにおいては、日本国政府及びカナダ政府は、この問題の公正、公平かつ包括的な解決の重要性を認識するとともに、この目的のために、新しく長官(ライース)に選出されたアッバース氏が率いるパレスチナ暫定自治政府に対する支援にコミットすることを再確認した。両国政府は安全かつ安定したアジア太平洋地域が両国の共通利益であることを再確認し、同地域の平和・安定に重要な役割を果たしているASEAN地域フォーラム(ARF)といった地域の多国間の対話の場において引き続き協力していくことを確認した。これらの地域的問題に加え、日本国政府及びカナダ政府は、外交政策における人々に焦点を当てたアプローチの重要性を認識するとともに、人間の安全保障が両国の外交政策における主要な柱であり、更なる二国間協議と共同の活動の有意義なテーマであることを再確認した。両国政府は、「人間の安全保障委員会」の最終報告書を認識し、生存、生活及び尊厳が脅かされている人々を保護し、彼らの能力を強化するために、人間の安全保障に関するアプローチや活動についての調整を探求していく。また、両国政府は、「ハイレベル委員会報告書」による「保護する責任」に関する勧告に沿って、内戦が一般市民の安全に及ぼす影響が集団的安全保障体制に対する根本的な挑戦となっており、国家間の戦争を予防するための伝統的な取組を越えた国際的な対応を要するものとなっていることを認識した。

D)不拡散・軍備管理・軍縮の目標の推進

 特に核兵器及びその運搬手段、小型武器及び地雷といった武器の拡散及び過剰な蓄積によって世界が直面している脅威を踏まえ、日本国政府及びカナダ政府は、以下を通じて、国際的な不拡散・軍縮メカニズムの強化に向けて引き続き協力していく。
(1) 他国による国際的不拡散・軍備管理・軍縮関連諸条約への加入、履行及び遵守を支援する積極的な努力
(2) 国際原子力機関(IAEA)の活動への支持
(3) 特に小型武器を含む通常兵器に関する、全ての国家における強固な輸出管理体制の確立への支持
(4) シーアイランド・サミットにおける「不拡散に関するG8行動計画」や拡散に対する安全保障構想(PSI)といった、大量破壊兵器及びその運搬手段の拡散防止に向けたその他の多国間取り組みへの参加
(5) 「国連小型武器行動計画」のより包括的かつ効果的な履行の探求

E)二国間の安全保障及び防衛面での交流の増進

 平和維持における協力及びその他の二国間の安全保障及び防衛面での関係は、近年、着実に発展してきている。「不朽の自由」作戦(OEF)の下でのインド洋における海上自衛隊とカナダ海軍によるテロ対策の共同取り組みの成功は、このような関係がいかに発展したかを示すものである。二国間の安全保障及び防衛面での関係を更に促進していくために、両国政府の専門家による対話及び交流は不可欠である。日本国政府及びカナダ政府は、これまでポリティコ・ミリタリー協議を補完するものとして隔年開催されてきた「平和及び安全保障に関する日加協力シンポジウム」を毎年開催すべく努めることとする。また、日本国防衛庁及びカナダ国防省は、両国間の防衛交流を増進するため、防衛当局間の協議やその他の枠組みを通じて防衛関係を促進していく。国際的な平和支援活動の支援に関して協力を強化できる分野を特定していくとの観点から、両国政府は、平和維持及び平和支援活動の諸問題に関する対話を引き続き促進していく。両国政府は、世界規模での平和維持機能の構築に向けた国際的取組みへの支持を再確認する。

F)新たな脅威に対応するための国連の能力強化

 国際機関におけるパートナーとして、日本国政府及びカナダ政府は、本年9月に行われる首脳会合の実質的な成果達成に向けて、早期の国連改革、特に安保理改革の実現に向けて共に取り組んでいく。日本国政府及びカナダ政府は、本年9月の国連首脳会合が成功し、かつ改革指向の会合となるよう期待する。国連が新しい世紀の課題に効果的に対処するために必要な改革に関し、現在国際社会が行っている検討に大きく貢献するものとして、両国政府は、脅威、挑戦と変革に関するハイレベル委員会の報告書を歓迎する。両国政府は、今後公表されるミレニアムプロジェクトによる報告書、事務総長報告及びその他のプロセスからの報告を、本年9月の首脳会合に結実する改革プロセスに不可欠な要素として期待するとともに、国連活動の全ての分野ーー平和と安全、開発、国連の機構改革ーーにおける改革に積極的に協力していくことをコミットする。

G)北朝鮮問題の包括的解決に向けた協力

 両国政府は、六者会合の早期再開を求め、北朝鮮に対し、核兵器不拡散条約(NPT)を即時に遵守し、IAEAとの包括的保障措置協定を完全に履行するよう強く促す。両国政府は、朝鮮半島の非核化達成の必要性を強調するとともに、利用可能な全ての手段を用いてこの目的を推進する。また、カナダ政府は、北朝鮮による日本国民の拉致問題が解決されるよう日本の取り組みを支持する。日本国政府及びカナダ政府は、北朝鮮に対して、この問題の解決に向けて、誠実かつ速やかな行動をとるよう強く促す。


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