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主な要人の来日日程

パレスチナ自治政府二閣僚の訪日
(概要と評価)


平成16年2月16日


 2月11日~14日、パレスチナ自治政府のシャアス外務庁長官、ファイヤード財務庁長官は、今回で3度目となる日パレスチナ閣僚級政治協議および合同委員会(第1回は2000年、第2回は2002年)への出席のため訪日し、川口大臣を始めとする関係者との協議を行うとともに、小泉総理への表敬を行ったところ、概要以下の通り。

1.訪日中の主な協議等


12日  川口大臣との日パレスチナ閣僚級政治協議、川口大臣主催夕食会、石井財務副大臣との会談、日パレスチナ議連主催昼食会、日パレスチナ合同委員会(政治、経済協力、文化、産業、民間投資)

13日  小泉総理表敬、与党幹事長表敬、河野衆議院議長表敬、小池環境大臣表敬JICA関係者との意見交換 他



2.日パレスチナ閣僚級政治協議概要

 今次訪問は、昨年春の「ロードマップ」の公表等、一度は和平への兆しが見られたイスラエル・パレスチナ間状況が、現在は膠着状態にある中、現状を打開する上での必要な取組みについての認識や、パレスチナ支援等につき意見交換が行われた。

(1) 川口大臣からは以下の点につき述べた。

(イ) パレスチナ側が、将来の独立国家樹立のための様々な改革努力を進めていることを高く評価する。特に財政改革においては、歳入の一元化に向けた努力が行われており、日本もこうした改革努力を支援している。

(ロ) テロの取締を始めとする治安状況の改善にパレスチナ側が十分な努力を行うことが重要である。日本の援助関係者が現地に入ることができず、対パレスチナ支援額も減少している。

(ハ) イスラエルからの協力も必要。特に、イスラエルのパレスチナ自治区内でのバリア建設には、建設の中止をあらゆる機会を通じて働きかけている。

(2) 先方からは以下の点につき述べた。

(イ) 日本のこれまでの役割及び支援を高く評価する。バリア問題に対する日本の立場に感謝する。

(ロ) 治安の改善のためエジプトの仲介でハマス等の過激派との間での停戦に向けた協議が進展中。しかし、イスラエルが停戦に応じる姿勢を見せない限り、停戦の説得は難しい。加えて、停戦を実効的に監視することが肝要である。なお、パレスチナ自治区では日本は友人として歓迎されており、テロの対象となることはない。

(ハ) 日本には、支援のみならず、和平プロセスの意思決定により深く参画することを期待。日本が「カルテット(四者)」に参加し「クインテット(五者)」となることを期待。また、年2回開催されているパレスチナ支援関係国会合(AHLC)を、日本で開催しても良いのではないか。

(ニ) パレスチナ自治政府の置かれた極めて厳しい状況に鑑み、対パレスチナ支援規模の拡大、二国間の直接援助の再開と財政支援をお願いしたい。

(ホ) 3月に開催予定のアラブ首脳会議では中東和平問題についてじっくりとした話し合いがもたれると期待。

3.小泉総理表敬の概要

(1) 小泉総理よりは以下の点について述べた。

(イ) 中東情勢の安定は世界全体の関心事項であり、中東に和平がないと世界全体が不安定になる。

(ロ) 中東和平問題は複雑な問題だが、世界中がパレスチナ・イスラエルの2国間の共存による和平を望んでいる。和平を望まない過激派を如何に抑えていくかが課題。過激派の問題をきちんと解決できない限り和平の実現も難しい。

(ハ) 現在、日本はイラク復興支援に取り組んでいるが、イラク問題のみならず、パレスチナ・イスラエル間の和平は中東全体の安定の根幹にかかわる問題。日本として出来る限りの努力を行う考え。

(2) 先方よりは以下の点につき述べた。

(イ) 93年以降、日本が総額6億5千万ドル以上の対パレスチナ支援を行って頂いていることに感謝。日本が和平プロセス等により深い関与を行うことを期待。

(ロ) 中東和平問題は重要な局面を迎えている。我々は、ロードマップに沿って交渉を再開したいとの考え。テロの撲滅が重要と認識しており、治安面で出来る限りの努力を行っている。交渉再開のためには停戦の確保が重要でありイスラエルの協力と「バリア」建設停止が必要。

(ハ) ファイヤード財務庁長官は、財政運営の透明化を始め財政改革に卓越した手腕を発揮。パレスチナ自治政府を助け、和平を前進させるため、日本からの財政支援をお願いしたい。

4.評価

(1) 我が国はイラク復興を始めとして、中東地域の平和と安定のために大いに中東和平プロセスに対する支援、貢献を行ってきている。中東和平問題は、この中東地域の平和と安定の鍵であり、今次の二閣僚訪日を通じ、和平の当事者であるパレスチナ自治政府の主要閣僚との間で、時宜に適った形で意見交換を行い、和平実現への取組みの重要性を確認し、我が国としてのより効果的な協力のあり方につき検討する機会を得た。

(2) 今回の協議を通じ、パレスチナ側から、我が国の役割につき高い評価を得るとともに、今後、政治的役割、対パレスチナ支援を始めとする我が国の一層の関与に対する期待が表明された。

(3) 今回で3度目となる今次の閣僚の訪日は、総理を始めとする政府関係者、及び国会関係者等との会談、懇親も含むものとなり、日・パレスチナ関係の一層の強化に資するものとなった。



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