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主な要人の来日日程
ゴー・チョクトン・シンガポール首相の訪日
(概要と評価)

平成15年3月28日


 3月25日(火)に来日したゴー・チョクトン・シンガポール首相の訪日の概要と評価は以下のとおり。なお、同首相には、ジャヤクマール外相兼法相、コー・ブンワン運輸兼情報通信芸術担当上級相ら閣僚のほかに国会議員2名が同行した。

1.日程

25日(火) 夕刻  東京着
26日(水)~
27日(木)
  小泉総理との会談
川口外相の表敬をはじめ政財界の要人との懇談
28日(金)   講演(於経済産業研究所)
29日(土)   名古屋視察予定
30日(日)   帰国予定


2.主な会談の概要

(1) 小泉総理との会談(26日(水)19:00~20:40)
 小泉総理とゴー首相はこれまで何度も会って緊密な関係を維持してきており、非常にうち解けた雰囲気の中で忌憚のない意見交換が行われた。主な話題は以下の三点。
(イ)イラク問題
 米国のイラク攻撃に対して、日本とシンガポールが同じ立場であることを双方が確認した。イラクが12年にも亘り、問題の平和的解決に向けた国際社会の努力に応えてこなかったことから、大量破壊兵器の撤廃のための米国等による武力行使はやむを得ないとの認識で一致した。
(ロ)北朝鮮問題
 総理より、日本として、米国や韓国などの関係国と協力しつつ、対話を通じてねばり強く働きかけを行っていくとの基本方針を説明した。ゴー首相より、こうしたわが国の姿勢に対し、賛意と期待が示された。
(ハ)テロに関連した地域情勢
 双方は、一昨年9月の同時多発テロ事件以降、テロに対する闘いが東南アジアをはじめとする国際社会の重要な外交課題となっているとの点を再確認した。


(2) 川口外相の表敬(26日(水)17:45~18:15)
(イ)イラク情勢
 ゴー首相より、シンガポールと日本は大量破壊兵器の拡散防止の重要性という観点から、現下のイラク問題についての考え方を基本的に同じくしているとの認識が示されたのに対し、川口大臣より、我が国の支援策を紹介しつつ、イラクに適切なメッセージを送ることが重要であること、また、復興においては米に批判的な国を含め国連が果たすべき役割は大きいこと等を述べた
(ロ)東アジア情勢
 北朝鮮の核開発問題に関して、川口大臣より、関係国と協調しつつ平和的解決のための努力を行っている旨述べた。また中国について、ゴー首相より、新指導部は基本的に前政権の政策を継承するであろうとの認識が示されたのに対し、川口大臣より、軍事費の透明性を高めることなどにより、自国に対する国際社会の信頼を高めていくよう中国に働きかけていること等を述べた。
(ハ)日・ASEAN関係
 日・ASEAN関係については、川口大臣より、引き続きODAや経済連携構想、日・シンガポール・パートナーシップ・プログラム(注)を進めながら、日ASEAN関係の緊密化に努めたい旨述べたのに対し、ゴー首相より、日本の積極的関与を評価するとともに、より開発の遅れたベトナムやインドネシア等に対する支援において両国でも協力していきたい旨述べた。

(注)日・シンガポール・パートナーシップ・プログラム
 ODA卒業国であり、技術協力についての開発援助実績を有しているシンガポールと、従来の南南協力とは異なり、イコール・パートナーシップに基づき共同して途上国支援を行うもの。平成14年度には、ASEAN諸国、南西アジア諸国、アフリカ諸国、南太平洋諸国を対象とした第三国研修17コース(貿易促進、生産性向上、交番システム、都市環境管理、観光管理等)が実施されている。


3.評価

(1) シンガポール側は、今回のゴー首相の訪日目的を、「日本の政治・経済情勢について理解を深め、また、日本の東南アジアに対する関心を高めるため」として、有力閣僚らを連れての訪日であったが、一行は東京滞在中の2日間に精力的に政財界の要人と会い、意見交換を通じて、現況におけるわが国の立場や考え方を詳細に確認し、また、シンガポールの立場につき説明できたものと思われる。特に、首脳レベルでの理解促進により、今後の緊密な協力関係の基礎をより強固なものとすることができた。

(2) 今回のゴー首相訪日は日本の招待ではない形の訪日であった。対イラク武力行使が開始されて1週間も経たない中での訪日は、先方が如何に日本との関係を重視しており、東南アジアへの日本の関与に期待するところが大きいかを窺わせる。その観点からは、川口大臣より、経済連携やODAなどにより、日本としてASEANとの関係を強化していくとの考えを明確に伝えたことは、シンガポールの日本に対する期待に応えるものであり、小泉総理の5つのイニシアティブを着実に実行し、12月の日ASEAN特別首脳会議の成功につなげていく上で効果的であった。

(3) シンガポールはアジア地域における先進国の一つであり、わが国とは平等なパートナーとしてこれまでも緊密な意見交換や協力を行ってきた。特に、今回、イラクや北朝鮮の情勢に国際社会の注目がこれまでになく集まっている中で、これらの問題につき認識のすりあわせを相互に行い、率直な意見交換を行うことができたことは、互いの信頼関係を高め、今後も協力してこれらの問題に対処していく上で大変意義深いものであった。




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