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日・EU関係
総理より、本日は自分が総理に就任して1周年に当たることから、先ほど5時から記者会見を行ったが、その中で「日本はもっと自信を持つべし。日本の潜在力は強い」という貴委員長の本日の国会演説を引用させていただいた旨述べた。これに対し、委員長より、日・EU関係は極めて良好である。現在は歴史的に極めて重要な時期にあたり、世界の安定に向けて日本とEUの一層の協力が不可欠である。多国間による多面的な協力が不可欠である、日本とEUは世界のGDPの45%近くを占めるのみならず、開発援助については両者で世界の75%を負担している、特に、日本が難しい時期にもかかわらず多額のODAを行っていることに印象づけられている旨の発言があった。
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EU情勢
委員長より以下の説明があった。
【ユーロ】ユーロ通貨の導入は混乱もなく、順調に導入が進んでいる。国際社会において、ユーロはドルの3分の2くらいの役割を果たすまでになっているなど、できたばかりにしては良くやっていると言えるのではないかと評価。また、日本からのユーロに対する期待ぶりも嬉しく思う。
【EU統合の深化・拡大】EUの拡大も着実に進んでおり、数年後には5億人を越える人口となる。また、バルセロナ欧州理事会ではエネルギー市場の自由化や、金融市場の更なる統合、ガリレオ計画の導入等を決定する等、EUは統合の深化を続けている。
【EUの将来】ジスカールデスタン元仏大統領の下で欧州の未来を議論するコンベンションが始まった。EUはかつて経済的には大人、政治面では子供と言われていたが、現在は政治面でも大人になりつつある。
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テロ問題及びアフガニスタン
総理より、2001年12月の日・EU定期首脳協議ではテロに関する宣言を発出し、2002年1月のアフガン支援国会合においては日・EUで共同議長を務める等、これからも更に協力していくことが重要である旨述べた。また、アフガンの再建のためには国際社会の支援が必要であり、日・EU間で協力を進めていきたい旨述べた。
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中東情勢
委員長より、中東情勢については大変心配している、従来よりEUが提案しているように、全ての関係国が一つのテーブルに集まって議論することが解決のために不可欠である旨述べた。
総理より、テロとの戦いは、イスラム社会やアラブ諸国との戦いではない、中東和平のためには米国が大きな力を持っており、一番関与すべきであるが、日本とEUも連携して協力すべきである、日本は米国程の大きな役割は果たせないが、出来る限りの役割を果たしたい旨述べた。
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日・EU間の協力
総理より、首脳協議や行動計画を通じて日・EU間の対話が深まっていることは好ましい旨述べた。委員長より、環境の問題、中東の問題にも見られるように、日・EUはお互い対応する上で共通点、共通の土台といったものがあり、お互い更に協力していく余地がある旨述べた。
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