外務省 English リンクページ よくある質問集 検索 サイトマップ
外務省案内 渡航関連情報 各国・地域情勢 外交政策 ODA
会談・訪問 報道・広報 キッズ外務省 資料・公開情報 各種手続き
トップページ 会談・訪問 小泉総理大臣
小泉総理大臣


日米首脳会談の概要


平成15年5月26日


 小泉総理は、5月22日から23日にかけ、テキサス州クロフォードにあるブッシュ大統領私邸を訪問し、日米首脳会談を行った。両首脳は、極めて打ち解けた雰囲気の中で、日米両国及び世界が直面している様々な課題につき、じっくりと率直な話し合いを行い、信頼関係を一層深めることができた。
 現地時間23日午前9時40分~11時に行われた日米首脳会談の概要は以下のとおり。

1.総括

 両首脳は、日米交流150年の歴史を振り返りつつ、今日の日米同盟が真にグローバルな「世界の中の日米同盟」であることを確認し、この同盟関係を強化することで一致した。会談では、日米安保(ミサイル防衛を含む)、経済に加え、テロとの闘い、大量破壊兵器、北朝鮮、イラク及び中東といった喫緊の課題について忌憚無い意見交換が行われた。また、これらに加え、国連改革、横田飛行場の軍民共用化についても議論された。
 なお、同23日、午前8時半から9時半まで、大統領の発意により、総理及び安倍官房副長官が、大統領のインテリジェンス・ブリーフィングに参加した。

2.各論

(1) 「世界の中の日米同盟」/日米交流150周年
 両首脳は、日米交流150周年の機に「世界の中の日米同盟」を強化することを約した。

(2) 日米安保
(イ) 総理より、安全保障面での日米協力を更に強化するため、グローバルな課題への取り組みを含め、両政府間の協議を更に進める旨述べた。また、総理より、ミサイル防衛は日本の防衛の極めて重要な課題であり、検討を加速していく旨述べ、大統領は、ミサイル防衛に関する協力を深め、強めていくこととしたい旨述べた。
(ロ) 両首脳は、沖縄の負担軽減の重要性につき一致した。


(3) 経済
(イ) 大統領より、日米は世界の成長の原動力たるべしとした上で、構造改革特区、銀行改革、産業再生機構等に関する総理の決断力・取組みを讃える、不良債権問題やりそな銀行への資本注入についても主導的な役割に敬意を表したい、支持すると述べた。
(ロ) 総理より、日銀とも協力し、デフレ克服に全力をあげ、消費者物価の上昇を確保したい。りそな銀行については、金融危機に陥る前に公的資金を注入した。株価は「底」であり、日本経済の実態は、言われているほど悪くない旨述べた。
(ハ) 大統領より、強いドルを望んでいる、いずれにしても市場が評価することであるがと述べた。総理より、米国にとって強いドルが良いというのであれば、双方の利益が合うのかもしれないと述べた。


(4) イラク復興及び中東
(イ) 総理より、イラクの戦闘が早期に収束したこと、安保理決議1483が採択され、国際協調が再度構築できたことは良かった、ブッシュ大統領も、国連を始め国際協調の重要性を理解してくれていると思う、今後とも日米で協力していきたい旨述べた。
(ロ) 大統領は、イラクでの軍事行動への支持に感謝する、復興については目に見える協力が役立つ旨述べた。これに対し総理より、イラク復興については、主体的に何をするか考え積極的役割を果たす、自衛隊については、まずは現行法の下でイラク周辺国で人道物資の輸送のためにC-130を派遣する考えがあり、検討したい旨、また、イラク復興支援についての自衛隊等の派遣については、日本自身の問題であり、日本の国力を踏まえ、日本としてふさわしい貢献をしていきたい旨述べた。更に総理は、エジプト等と協調したイラク支援を検討する旨述べた。
(ハ) 総理より、米国の中東和平に関するリーダーシップを期待する旨述べた上で、(a)イラクの復興を中東和平に結びつけることが重要であり、中東和平プロセス及びイスラエルに対して最も影響力を有する国は米国である、(b)日本は今後自分が訪問するエジプト等の周辺国との協力も通じて中東和平を側面支援したい旨述べた。


(5) 北朝鮮
(イ) 総理より、(a)拉致問題等の解決なくして国交正常化はない、国交正常化は拉致のみならず、核、ミサイル、過去の問題を包括的に解決してから行うとの日朝平壌宣言の立場は変わらない、(b)全てのオプションをテーブルにおくという米国の立場を理解する、ただし、イラクと北朝鮮では対応振りが違う、(c)平和的な解決が重要、(d)日米韓が協調することが重要、(e)(マルチの協議に)日韓が参加することは不可欠、(f)もし、北朝鮮が更に事態を悪化させれば、一層厳しい対応が必要になる、(g)平和的な解決のためには対話と圧力が必要、(h)北朝鮮の違法行為の規制・取締まりを一層強化する、(i)拉致問題被害者が訪米した際の米国の対応に感謝する旨述べた。
(ロ) これに対し大統領より、(a)北朝鮮の脅迫には屈しない、(b)中国が責任ある行動をとり始めたことには意味がある、(c)(日韓の参加を得た)5カ国協議を開催して北朝鮮を説得することが重要、(d)問題を平和的に解決できると確信しており、そのためにも強い行動が必要、(e)北朝鮮からの核や麻薬の拡散は絶対に容認できない。(f)拉致は忌むべき行為、拉致された日本国民の行方が一人残らず分かるまで日本を完全に支持する、北朝鮮の拉致に対して強く抗議をしたい(総理より謝意を表明)旨述べた。


(6) テロ及び大量破壊兵器の拡散の脅威との闘い
(イ) 総理より、我々は、テロや大量破壊兵器との闘いを断固たる決意で進めていく、役割、方法は違うが、テロ根絶のため、断固たる決意で協力を進めていきたい旨述べた。
(ロ) 大統領は、我々は、テロとの闘いにおけるパートナーであり、アフガニスタンでは、日本の海上自衛隊艦船が連合軍艦船に給油支援を行った、現在我々は、アフガニスタンの幹線道路の完成に向け協力している旨述べた。


(7) 横田飛行場の軍民共用化
 総理より、横田飛行場が在日米軍の中枢の施設・区域として極めて重要な役割を果たしていることは承知している、また、現在の日本周辺の国際情勢を考えれば、在日米軍の能力、即応体制を害し、日米安保条約の目的達成を阻害するようなことは行い得ない、しかし、同飛行場が都心に近い場所にあることから、何らかの形で民間との共用化を行い、同飛行場を一層有効に活用できないか検討して欲しい旨述べた。大統領からは、了解した、実現可能性についての検討を行うとの発言があり、共同で検討することとなった。

(8) グローバルな問題
(イ) 国連改革
 総理より、イラク後の国連の権威を高めていくためにも安保理を含む国連の改革が重要である、敵国条項の問題等の現状も踏まえ、国連を強化するための改革に取り組むべきであり、米国とともに種々努力していきたい旨述べた。大統領は、完全に理解する、米国としても国連改革につきフォローアップしていきたい旨述べた。
(ロ) 貧困、飢餓、疾病との闘い、WTOの下での貿易交渉、ITERの誘致
 両首脳は、日米両国が、グローバルな貧困や飢餓、疾病との闘いにコミットしていること、世界中で更なる繁栄をもたらしていくためにも、WTOの下でのグローバルな貿易交渉を妥結することにコミットしていることを確認した。総理より、ITERの六ヶ所村誘致について協力を要請。大統領は、検討してみると述べた。


目次

外務省案内 渡航関連情報 各国・地域情勢 外交政策 ODA
会談・訪問 報道・広報 キッズ外務省 資料・公開情報 各種手続き
外務省