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小泉総理大臣


日米首脳会談の概要


平成16年6月9日


 G8首脳会合に出席するため米国ジョージア州シーアイランド島を訪問中の小泉総理は、8日、12時30分より13時45分まで、同島内の米国大統領宿舎(ダンバーハウス)において、ブッシュ大統領との間で日米首脳会談(ワーキングランチ形式)を行った。冒頭約10分間のプレス取材の機会が設けられ、その後12時40分から約1時間、昼食会が行われた。同首脳会談の概要は以下のとおり。


1.冒頭

  (イ) 首脳会談の冒頭、プレスによる取材の機会が設けられた。その中で、大統領より以下のとおり述べた。

 小泉総理との会談は常に建設的なものであり、小泉総理を歓迎したい。日本経済が大変好調であることは喜ばしい。小泉総理との間では、安全保障、テロ、北朝鮮、イラクなどの問題について議論したいと思う。自分は、小泉総理を深く信頼しており、小泉総理の判断を信頼している。

  (ロ) これに対し総理より以下のとおり述べた。

 レーガン大統領の逝去に心より弔意を表したい。レーガン元大統領の日米関係への貢献に強い敬意を表したい。本日の会談では世界の中の日米同盟ということを念頭に、イラク・北朝鮮等の問題について意見交換したい。イラクの問題について、国際協調体制を作り上げられたブッシュ大統領に敬意を表する。北朝鮮について、ブッシュ大統領が日本の立場を支持しておられることに感謝しており、今後とも緊密に連絡をとっていきたい。ブッシュ大統領が厳しい状況の中、一貫して努力をしておられることに敬意を表する。今後とも日米で協力していきたい。


2.会談

(1) イラク

(イ) 大統領より以下のとおり述べた。

 イラクに対する日本の貢献に感謝する。国連決議も全会一致で今後数時間の間に採択されると期待しているが、極めて良い安保理決議だと思っている。今後はイラクにおいてイラク人自身の手で民主主義が実現されていくことになる。これをG8として支援していきたい。くれぐれも申し上げておくが、日本の協力、寛大なる支援に感謝する。

(ロ) これに対し総理より次のとおり述べた。

 まさに安保理決議が採択されようとしていることを歓迎する。これは、決して米国の譲歩ではなく、アメリカの大義の中での勝利であると考える。自分は、かねがねイラク人自身がイラクの再建について固い決意を持たないとだめであるということを言ってきているが、我々はこのようなイラク人自身の努力に最大限の支援の手を差し伸べる用意がある。

(ハ) また総理より、日本としてイラク暫定政府にも歓迎される形でイラク人道復興支援特別措置法に基づく自衛隊の派遣を継続する考えであり、これとODAを活用した資金協力を車の両輪としてイラクの再建に努めていく考えである旨述べた。これに対し大統領より日本の貢献を高く評価する旨述べた。

(ニ) さらに総理より、日本は過去に米国と戦争を行い、戦後米国との信頼関係をもとに国の再建が行われたが、これと同じことが他のいくつかの国について言える、イラクもそうだと思う旨述べた。これに対し大統領よりも、自分は常に小泉総理に言及し、今や日本とは平和をいかに構築するかについて話し合う仲になっているという話をしている旨述べ、引き続きこうした話を続けていきたいと考えている旨述べた。

(2) 北朝鮮

(イ) 総理より、日本の北朝鮮に関する姿勢は不変であり、日米として引き続き緊密に連携し、完全な核廃棄を目指して、六者協議を通じ日米韓で協調し、中国にも働きかけを強化していく考えであり、また、日朝国交正常化は、拉致、核、ミサイル問題の包括的解決が前提であるということに変わりはない旨述べた。

(ロ) また総理より、先般の訪朝の際、金正日国防委員長に対し、国際的検証を伴う完全な核廃棄とそれに伴うメリットを強調したところ、同委員長は、「非核化」が最終目標であるとしつつ、米国の政策への不安を強調し、六者協議を活用しつつ、米国との話し合いを渇望していた旨、また、同委員長は、「凍結」提案は検証を伴う、とも言っていた旨紹介した。

(ハ) これに対し大統領より、小泉総理が訪朝の際、核の問題について明確な立場を金正日委員長に伝えて頂いたことを評価している旨述べた。また大統領は、米国としても、六者協議が適切な枠組みであると考えており、日米韓の連携の下、中国の役割を重視しつつ、平和的解決に向けて努力していく所存である旨述べた。

(ニ) 拉致問題に関し、総理より、これまでの米国の支持に謝意を表明するとともに、曽我さんの件につき説明を行った。これに対し大統領は、小泉総理の拉致問題への取組に対する強い支持を改めて表明しつつ、ジェンキンズ氏に関する状況につき説明を行った。両首脳は、本件に関し、引き続き連絡を取り合うことに合意した。

(3) BSE

 BSE問題については、大統領より提起があり、総理より、専門家の間の議論が進展しつつあると承知している旨述べた。

(4) イラン

 大統領より小泉総理はどう考えるかと質問したのに対し、総理より、核開発問題について日本として強い働きかけを継続しており、引き続きイランのIAEAに対する全面的協力が必要であると考えている旨答えた。これに対し大統領より、イランについて米国は強い懸念を有しており、日本が引き続きイランに働きかけを行って頂いていることを評価する旨述べた。

(5) 国連改革

 総理より、イラク問題もそうであるが、権威は国連から生まれるわけであり、そのためにも国連改革が必要である旨述べた。総理は、また、日本は、国連にておいて米国に次ぐ第二位の財政負担を行っており、イラクとの関係でも多大な資金援助を行っている旨述べたのに対し、大統領より、日本は安保理の常任理事国になるべきだと考えており、今総理が述べた考えはよくわかり、自分は引き続き支持すると述べた。

(6) 日米安保

 総理より、日米安保体制につき、沖縄の負担軽減及び抑止力の維持という観点が重要であると思う旨述べるとともに、米軍の兵力構成の見直しの問題については良く事務的に協議させていきたい旨述べた。これに対し大統領よりは、韓国の米軍の体制の見直しについては小泉総理もご存じであろうが、米軍の能力は上がっており、兵力を削減しても抑止力は低下することはない、引き続き緊密に連絡していきたい旨述べるとともに、この地域における米国のコミットメントは引き続き強力である旨強調した。

(7) サミット

(イ) 総理より、重要な時期に今次サミットが行われる、イラク主権の移譲がこれから行われるが、G8は結束して、イラク人自身がイラクの再建のために立ち上がることを支援していく旨を印象づけるサミットにする必要がある旨述べた。

(ロ) これに対し大統領より、このような小泉総理の考えに感謝する旨述べた。また、大統領より、日本が拡大中東構想を支持していることにも謝意を述べるとともに、テロとの闘いを進めていくためにも、改革を進めていくことが極めて重要であるとの認識を述べた。

(8) ITER

 総理より、ITERの六ヶ所村への誘致に関し、米国の支持に謝意を述べたのに対し、大統領より、日本を支持するとの立場に一切の変化は無い旨述べた。

(9) 日本経済

 大統領より、日本経済の現状については喜ばしく思うと述べた。これに対し総理より、現状は3年前とは違う、自分は改革なくして成長なしという方針を貫いてきたが、現状は不良債権も減り、失業率も減少し、株価も回復し、GDPは実質・名目ともにプラス成長となっている旨述べた。また総理より、現在の日本経済の成長の特色は、決して輸出に依存した経済成長ではなく、設備投資や消費を中心とした内需拡大によるものである旨述べるとともに、米国の経済も好調であることについても祝意を表したい旨述べた。



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