日仏首脳会談の概要
平成16年6月9日
G8首脳会合に出席するため米国ジョージア州シーアイランド島を訪問中の小泉総理は、8日(火)18時15分から19時まで(日本時間9日(水)7時15分から8時まで)、同島内のフランス大統領宿舎(マッケイハウス)において、シラク・フランス大統領との間で首脳会談を行った。同首脳会談の概要は以下のとおり。(仏側よりグルドー=モンターニュ大統領府外交顧問他、我が方より、杉浦内閣官房副長官他が同席)
1.二国間関係
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シラク大統領から、経済・文化・政治分野の幅広い分野で日仏関係は極めて良好であって、これを更に発展させていきたい旨発言。
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(2) |
小泉総理より、シラク大統領の早期訪日を期待している旨述べ、これに対しシラク大統領から、近いうちに是非訪日したい旨発言。
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2.イラク
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国連安保理決議が全会一致で採択されたことの意義及び重要性につき、両首脳の意見が一致。また、イラク人自身が変化を実感できるようにすることが重要で、この政治プロセスの進展のために国際社会の協力が重要であるとの点で基本的に意見が一致し、相互に協力していくことで合意。
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(2) |
シラク大統領は、安保理決議が全会一致で成立に至ったことに関し、米国の努力及びブラヒミ国連事務総長特別顧問が行った人選を評価しつつも、シーア派とスンニ派との対立等様々な問題が存在し、暫定政権の直面する困難は小さくないと思われるとし、国際社会がこのイラク人自身による努力を支援して困難を乗り越えていく必要性を強調。
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3.北朝鮮
(1) |
小泉総理から、先般の訪朝について、趣旨次のとおり説明。
(イ) |
日本の対北朝鮮姿勢は不変であって、完全な核廃棄を目指して六者協議を通して協調し、中国にも働きかけていくつもりである。
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(ロ) |
日朝国交正常化は、核・拉致問題を含め包括的な問題解決が前提である。
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(ハ) |
今回の訪朝の際に小泉総理が国際的検証を伴う完全な核廃棄とそれに伴うメリットを強調したのに対し、金総書記は朝鮮半島の非核化が最終目標であるとしつつ、米国の政策への不安を強調し、六者協議を活用しつつ米国との話し合いを強く望んでいた。また、金総書記は、核開発の凍結提案は検証を伴うと言及した。
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(2) |
シラク大統領から、小泉総理の訪朝の成果は、日本のみならず世界中にとってすばらしいもので、フランスのみならず欧州で総理のイニシアティブと成果が高く評価されている旨発言。また、拉致被害者の5人の子供の帰国に対する祝意を表明するとともに、フランスは北朝鮮を巡る問題の包括的な解決に向けた日本の努力、立場を全面的に支持しており、今後ともできる限り協力していきたいと発言。
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4.国際熱核融合実験炉(ITER)
(イ) |
シラク大統領から、国際熱核融合実験炉(ITER)に関するフランスの立場について理解を求める旨発言。
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(ロ) |
これに対して小泉総理から、わが国の立場、考え方について改めて説明を行い、今後関係諸国の間で決着を目指した進展が得られることを期待したい旨発言。
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