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総論
胡主席
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中国人民及び政府を代表し、SARSに関する日本からの支援に心から感謝。また、先般の東北地方での地震に心からお見舞い申し上げる。
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小泉総理は就任後、日中関係の意義を強調され、中国の経済発展が「脅威」ではなく「チャンス」であり、win-win関係を構築していくことが重要である旨発言。この点を積極的に評価したい。
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小泉総理
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国家主席への就任を祝福。新しい日中関係構築のため共に努力したい。本年は日中平和友好条約締結25周年。当時は福田総理の時代。福田総理は退任後、トウ小平氏の招きにより訪中され、自分(小泉総理)も同行。その後も、自分は郵政相・厚生相として訪中し、日中関係の重要性を理解。
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中国の発展につき、我が国の一部には警戒論あり。しかし、自分は、これを「チャンス」と捉え、互恵の関係を築いていくべきと考えている。この点は、昨年のボアオ・アジア・フォーラム、米国外交評議会でのスピーチでも発言。
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戦前の一時期、日中間には対立の歴史があったが、これは短い一時期。日中間の二千年にわたる歴史は友好交流の歴史。日本はかつて米国とも対立したが、今は同盟国。今後、日中両国は一層協力していくべき。胡主席と共に、新たな賢人会議(新日中友好21世紀委員会)を組織し、各種協力・交流を推進したい。
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SARSについては、互いに協力することが世界にとり重要。協力の必要があれば申し出て欲しい。
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胡主席
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日中両国は一衣帯水の隣国。二千年以上の長い友好交流の歴史がある。両国間には一時期、不幸な過去があったが、善隣友好が主流。国交正常化後30年を経たが、両国の数世代の努力により、日中関係は広く深く発展し、両国国民に根を下ろしている。歴史が示すとおり、両国が平和・友好的に交流することが、両国、アジアひいては世界に利益をもたらす。
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新世紀に入り、世界情勢に変化。世界はいまだ天下太平とは言えない。両国は平和・発展のため、アジア・世界において極めて重要な責任を有している。両国の政治家は、このような戦略的観点から両国関係を捉え、日中友好の流れをつかみ、前に進めていくべき。
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新世紀の日中関係を発展させるため、歴史の経験と教訓を学び、三つの文書(日中共同声明、日中平和友好条約、日中共同宣言)の原則と精神を遵守すべきである。双方は共通の利益を追求し、相手方の困難を理解し、解決することが重要。歴史と台湾の問題を適切に処理してほしい。相手方の国民感情を傷つけてはならない。
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2003年は日中平和友好条約25周年。「歴史を鑑とし、未来に向かい、長期的視野に立ち、大局を踏まえる」との考えで、新世紀の日中関係を築きたい。同25周年を機に賢人会議を開き、両国政府への建設的提言を求めることに同意。
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(2) |
首脳レベル交流
会談後立ち去り際に、小泉総理から、首脳レベルの交流を進めようと述べたのに対し、胡主席は、互いに努力しましょうと応答。
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(3) |
SARS
胡主席
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SARSは突然降って沸いた問題。中国政府は、勇気をもって立ち向い、国民の生命と健康を第一にするとの方針で、国際社会とも協力して取り組んでいる。現在は成果が現れてきている。
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SARSの問題は中国のみの問題ではなく、国外への拡散を防ぐことが国際社会に果たすべき責任。自分(胡主席)から人民まで皆この戦いに臨んでいる。我々は、本問題を解決する自信を有している。この分野での協力を日中で進めたい。
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小泉総理
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北京・上海高速鉄道
小泉総理
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本計画については、日本の産業界が関心を有しており、実現すれば日中協力の大きな可能性を秘めている。
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胡主席
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与党三幹事長からも熱意ある表明があった。現在、リニア方式と鉄道方式のいずれを採用するか検討中。結論が出た段階で日本との協力を検討。
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