外務省 English リンクページ よくある質問集 検索 サイトマップ
外務省案内 渡航関連情報 各国・地域情勢 外交政策 ODA
会談・訪問 報道・広報 キッズ外務省 資料・公開情報 各種手続き
トップページ 会談・訪問 小泉総理大臣
小泉総理大臣


小泉総理大臣の欧州訪問
(成果と概要)


平成15年5月3日


 小泉総理大臣は、4月26日から5月2日まで、英国、スペイン、フランス、ドイツ及びギリシャ(EU議長国)を訪問し、欧州5ヶ国首脳との会談、日・EU定期首脳協議等を行った。また、本訪問には安倍官房副長官が同行した。

  【成果】

1.総論

(1) イラク問題、北朝鮮問題を始めとする国際情勢上の主要課題について、欧州主要国首脳と率直な意見交換を行い、日本の基本的考え方に対する理解と支持を得た。また首脳間の個人的信頼関係を深め、価値観を共有するパートナーとしての日欧間の関係を一層堅固なものとした。

(2) 特にEUとの間では、日・EU定期首脳協議を開催し、日欧関係強化の観点から、包括的な内容の共同プレス・ステートメントを発表した。


2.各論

(1) イラク問題
 英国、スペイン、フランス、ドイツ及びEUとの間で、イラクの復興過程においては国際協調の再構築が重要であり、またその際に国連の役割が大きいとの考え方について、各国首脳と認識を共有し、復興に向けての国際的な取組の推進に寄与した。

(2) 北朝鮮問題
 核開発問題や拉致問題を始めとする北朝鮮問題への対応についても、各首脳より、日本の立場に対する支持を得ることができた。特にEUとの間では、拉致問題や安全保障問題の解決を謳う「平壌宣言」の重要性が、文書のかたちで確認された。

(3) 二国間の投資・貿易関係及び観光の促進
 小泉総理より、日本の対日投資拡充、対日観光の促進に関する取組につき説明した。各首脳との間では、特に双方向の投資拡大が重要であることを確認できた。


【概要】

1.各国における主要行事

(1) 英国 ブレア首相との会談

(2) スペイン アスナール首相との会談、ホァン・カルロスI世国王の謁見

(3) フランス シラク大統領との会談、ブッシュ米大統領との電話会談、松浦ユネスコ事務局長による総理表敬

(4) ドイツ シュレーダー首相との会談、ラウ大統領表敬

(5) ギリシャ 第12回日・EU定期首脳協議(シミティス・ギリシャ(EU議長国)首相、プローディ欧州委員会委員長等出席)、シミティス首相との会談、ステファノプロス大統領表敬


  2.イラク問題

(1) 小泉総理は、各首脳との間で、将来に向けての国際協調の再構築が重要であり、また復興過程における国連の関与が重要であるとの認識で一致した。

(2) 小泉総理より、イラク人のイラク人によるイラク人のための政府を速やかに樹立する必要性を強調し、また日本は、イラク国民の生活基盤回復のため、日本独自の支援、ORHAを通じた支援、国連・国際機関を通じた支援を、アラブ諸国や周辺国と協力しつつ進めていく旨説明した。

(3) イラク復興に関する各国の考え方は次のとおり。

(イ) 英国 国連の参加は必要である。ただし、全てを管理するわけではなく、当面連合国が当然負う責任とのバランスが重要である。あり得べき国連決議のあり方に関しては、包括的な、あらゆる問題を含めるというやり方(いわゆる「オムニバス決議」)よりは、個別の問題について可能なものから作成していく方が現実的と思う。

(ロ) スペイン いわゆる「オムニバス決議」よりも個別方式が現実的ではないか。

(ハ) フランス シラク復興段階に入った現在、将来に目を向けなければならない。イラクの治安維持については連合国が責任を負うべきだが、復興には国際的秩序の中核として、国連の担う役割が大きい。

(ニ) ドイツ 過去にとらわれるのではなく、目を将来に向けなければならない。移行期においては連合国が治安確保を中心に責任を負うべきだが、その後は国連傘下での復興を図るべし。

(ホ) EU 国連の役割に関する主張は単に政治的な主張として行っているのではない。復興に経験を有する国連の関与は、実際的観点からも是非とも必要である。


  3.北朝鮮問題

(1) 小泉総理より、各首脳に対し、北朝鮮については、(イ)核開発問題等安全保障上の問題のみならず拉致問題も極めて重要な問題であること、(ロ)イラクへの対応と北朝鮮への対応は自ずから異なり、北朝鮮については、平和的、政治的、外交的解決が重要であること、(ハ)核、ミサイル、拉致、植民地支配をめぐる過去の清算等すべての問題を包括的に解決し日朝国交正常化を図るという「平壌宣言」に盛られた基本方針は不変であることを説明した。

(2) これに対して各首脳より、日本の立場に対する理解と支持が得られた。特に仏よりは、仏は日本の意向を尊重・支持しており協力を惜しまない、日本にとっての拉致問題の重要性を理解していると発言があった。また日・EU定期首脳協議において、小泉総理より、EUの拉致問題に関する様々な場での協力に謝意を表明したのに対し、EU側は、引き続きできる限りの協力を行いたい旨述べた。

4.二国間関係

(1) 英国 日英協力に関し、英側から、環境分野、特に自動車や電力に関する技術で日英の協力が可能であると考える旨述べたのに対し、小泉総理は、環境と開発の両立の鍵は技術である旨応じた。

(2) スペイン 小泉総理より、日本の経済状況、小泉政権の改革努力等につき説明するとともに、観光促進のため観光大国たるスペインに学びたい旨述べた。

(3) フランス イラク問題を巡る立場の違いが日仏の友好・信頼関係に影響を及ぼすものではないこと、及び両国協力強化のための新しい行動計画策定を進めることに合意した。また、相互の投資拡大の重要性を確認した。

(4) ドイツ イラク問題を巡る立場は異なったが、日独の友好関係はかわらないこと、2005年の「日本におけるドイツ」、「日・EU市民交流年」に向けて協力していくことを確認した。またシュレーダー首相より、2003年8月に小泉総理を独に招待したい旨表明があり、小泉総理より楽しみにしている旨応答した。

(5) ギリシャ 両首脳は3年連続となる首脳会談を行い、良好な二国間関係を確認。また、経済関係の進展のみならず、文化・学術面においても交流が進展していることを評価した。


5.第12回日・EU定期首脳協議

(1) イラク問題 北朝鮮問題等を中心とする主要国際情勢につき意見交換を行うとともに、「日・EU協力のための行動計画」に基づき、次回首脳協議までに取り組むべき重点事項に合意した。戦略的パートナーとして関係を一層強化していくことを確認した。

(2) 北朝鮮につき、核、ミサイル、拉致問題等の包括的解決を定める「平壌宣言」の重要性、及びイラク問題に関する国際的な連帯の強化の必要性に言及した共同プレス・ステートメントを発表した。

(3) 日欧双方向の投資促進が重要であることを確認し、「日・EU投資イニシアティブ」を発表した。また観光の促進についても議論した。

(4) 小泉総理より、EU拡大の努力を評価する旨表明した。今後、EU拡大が日・EU経済関係等に与える影響を議論するために日・EU協議を開始することにした。

(5) 環境問題に関して、「京都議定書」早期発効の重要性及びそのための一層の努力が必要であることについて意見が一致した。


目次

外務省案内 渡航関連情報 各国・地域情勢 外交政策 ODA
会談・訪問 報道・広報 キッズ外務省 資料・公開情報 各種手続き
外務省