日ASEAN特別首脳会議
(各国首脳・外相との会談)
平成15年12月
今回の特別首脳会議の際に行われた各国首脳及び外相との二国間会談の概要は以下の通り。
1.総論
(1)日ASEAN関係
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小泉総理より、日本のASEAN重視の姿勢は揺るぎないことを明確に述べ、「共に歩み、共に進む」率直なパートナーとしての関係を更に発展させていくことを確認。各国より今回の日本のイニシアティブを高く評価された。 |
(2)イラク
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各国より、2人の日本人外交官が亡くなったことへの弔意が示された。 |
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総理より、9日に閣議決定を行ったイラクへの自衛隊派遣の方針につき説明。イラク復興を支援するとの姿勢に対し、各国から理解が得られた。 |
(3)経済連携(FTA)
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マレーシア、タイ、フィリピンの3カ国との間で、来年の早期に経済連携協定交渉を立ち上げることで一致、それぞれ首脳間の共同発表を発出した。 |
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インドネシアとの政府間協議についても、作業加速化で一致。 |
(4)メコン地域開発
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タイ、ベトナム、カンボジア、ラオスとメコン地域開発の重要性を確認。 |
2.各国との会談ポイント(日付は首脳会談)
(1)インドネシア(10日)
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総理より、同国の改革努力を評価するとともに、平成15年度の新規円借款案件として1,000億円を超える供与を決定した旨述べた。 |
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外相会談において、10月にASEANが合意したバリ・コンコード II への支持を表明。また、第三国研修等の南々協力のためのパートナーシップ・プログラムに関する枠組み文書に署名。 |
(2)ベトナム(10日)
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首脳会談時に双方の官民代表から「日越共同イニシアティブ」最終報告書(日本語・英語)(PDF)を提出。越側より、日本からの投資、経済協力への期待が示された。 |
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越側より、来年1月1日から日本人短期訪越者に査証を免除する旨表明。 |
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外相会談においては、越のASEM首脳会合主催(04年)に関する協力、対アフリカ協力等を確認した。 |
(3)カンボジア(10日)
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カンボジア新政権の早期樹立を望む旨述べるとともに、クメール・ルージュ裁判の早期実現への期待と、人的・財政的支援の意向を表明。 |
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先方より、日本の経済協力への謝意と引き続いての支援に期待が表明された。 |
(4)マレーシア(11日)
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アブドゥラ首相より、東方政策の意義について改めて確認。 |
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マレーシア日本国際工科大学(MJIUT)設立に向け、引き続き協力を確認。先方より、本件大学をASEAN人材育成の拠点にしたいとの意向が示された。 |
(5)シンガポール(11日)
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総理より、日シンガポール経済連携協定(JSEPA)の成果は他国との経済連携を進める上でも重要と評価。また、閣僚レベル(川口外相、中川経済産業相出席)で、成果と展望につき意見交換を行った。 |
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総理より、ナザン大統領の来年度中の訪日を招請。 |
(6)タイ(11日)
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両首脳がパートナーとして地域・国際の諸課題に取り組む旨を確認。両首脳の立ち会いの下、外相間で「日タイ・パートナーシップ・プログラム・フェーズ2」に署名。 |
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総理より、タクシン首相の来年度の訪日を招請。 |
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外相会談では、ミャンマー問題やメコン地域開発等に関する協力を協議。 |
(7)ブルネイ(11日)
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今次特別首脳会議を通じ、更に両国の友好関係を強化していくことで意見が一致(注:明年は国交樹立20周年)。 |
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ボルキア国王より、テロはイスラムの教義からかけ離れている旨説明。テロを容認しないことにつき確認。 |
(8)フィリピン(11日)
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テロ、海賊対策として、海上安全分野における協力の重要性について意見が一致。 |
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ミンダナオ支援を含む日本からの支援を評価している旨発言あり、東ASEAN成長地域(BIMP―EAGA)支援に期待が示された。 |
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総理よりアグノ川統合灌漑事業(約153億円)への借款供与を表明。 |
(9)ラオス(12日)
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外相間で技術協力協定に署名。ラオス側より、日本の経済協力への謝意と引き続いての支援に期待を表明あった。 |
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総理より、次期ASEAN議長国としてのラオスの尽力に期待を表明した。 |
(10)ミャンマー(12日)
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同国の民主化問題に関し、首脳間で十分な意見交換が出来た。 |
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キン・ニュン首相より、国民各層から参加を得た形で民主化プロセスを進展させるよう精一杯努力している旨説明。総理より、国際社会と協力する形で民主化が進展し、日本が協力できる環境が整えられることを期待している旨述べた。 |
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外相会談では、キン・ニュン首相がスー・チー女史と個人的にコンタクトしている旨説明あった。 |
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