3. 意義・成果 |
(1)全般 |
(イ) |
ASEAN諸国の全首脳が初めて域外国に一堂に会し、当該域外国首脳とともに開催された歴史的首脳会議。30年有余年に及ぶ日本とASEANの友好協力関係を回顧し、特別の絆を再確認するだけでなく、首脳レベルで、幅広い分野にわたり今後の日ASEAN関係の目指すべき方向性を打ち出すことができ、大きな成果があった。特に、経済、開発のみならず、政治・安全保障分野のパートナーシップに協力を拡大すべきとの点で一致した。 |
(ロ) |
我が国としての対ASEAN重視政策は不変との方針を再確認し、ASEAN各国から評価・歓迎された。また、ASEANからも、日本が引き続き重要なパートナーであるとの見解が改めて表明された。 |
(2)ASEANの発展のための我が国の経済支援 |
|
ASEANの経済発展に対する我が国のODAの果たしてきた役割について、各国より高い評価が与えられ、我が国よりは、ODAの供与においてASEANに引き続き優先度を与える旨を明確にするとともに、人材育成のため、今後3年間で15億ドルを超える協力を行う用意があり、人材育成に関わる日・ASEAN間の人の交流が今後3年間で4万人規模と見込まれる旨表明。また、メコン地域開発への協力(3年間で15億ドル)、BIMP-EAGA(東ASEAN成長地域)等統合強化のための支援を表明。 |
(2)東アジア・コミュニティ |
|
日本とASEANは、東アジア・コミュニティづくりの推進のために、その中核として協力していくことで一致した。 |
(4)「東京宣言」・「行動計画」:価値・原則の共有 |
|
新時代の日・ASEAN関係の目指すべき方向性を規定し、その基本原則として「法の支配」、「人権及び基本的自由の擁護と促進」、「公正で民主的な環境」、「アジアの伝統と価値観の重要性」を確認し、包括的経済連携の更なる推進、東アジア・コミュニティ創造等を規定した「東京宣言」を発出した。同時に「東京宣言」の付属書として、約120もの具体的な日・ASEAN協力措置を盛り込んだ「日本ASEAN行動計画」を発出し、原理原則にとどまらず、具体的な施策を以て日・ASEAN協力を拡大・深化させていく方針を示した。 |
(5)東南アジア友好協力条約(TAC) |
|
我が国によるTACの締結の意図を表明する宣言への署名を行い、我が国がASEANと「共に歩み、共に進む」という友好協力関係へのコミットメントをさらに明確にすることができた。 |
(6)経済連携 |
|
二国間首脳会談においては、タイ、フィリピン、マレーシアとの二国間経済連携協定の正式交渉の開始に合意した。 |
(7)北朝鮮 |
|
核、ミサイル、拉致問題等の諸懸案を包括的に解決して日朝国交正常化を図るとの我が国の考えを説明し、ASEAN各国首脳の理解が得られ、朝鮮半島問題の平和的解決は、地域全体の安定という観点から、ASEAN諸国の関心でもある旨の見解が表明された。 |
(8)イラク |
|
イラクの人道復興支援のための自衛隊派遣の方針について各国に説明を行い、ASEAN側から、イラクの復興を支援するとの我が国の姿勢に対する理解が得られた。 |