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小泉総理大臣

日・ASEAN特別首脳会議

日ASEAN特別首脳会議 全体会合
(1日目概要)

 11日午後1時30分頃から約1時間半、迎賓館にて日ASEAN特別首脳会議の全体会合が行われたところ、概要以下のとおり。

 
1. 冒頭
 (1) 小泉総理より、歓迎の挨拶を行った後、14世紀に遡る日本と東南アジアの交流の歴史は、1977年の福田スピーチで掲げられた「心と心のふれあい」がスタートとなり、貿易・投資、人的交流の分野で深く形成されてきたが、この日ASEAN関係を、今回の特別首脳会議で更に進めていきたい旨強調し、特に、日本のASEAN重視政策は揺るぎない旨発言。
 (2) これに続き、共同議長を務めるメガワティ・インドネシア大統領より、福田スピーチにおいて、日本は「真の友は良い時のみではなく困難な時にも手を差し伸べるものだ」と述べ、こうした考えに基づき、日本とASEANの関係は進展してきたが、今後、この関係を更に強化し、活き活きとした日ASEAN関係の増進の機会となるよう、この特別首脳会議を成功させたい旨発言。

2. 全体会合における議論のポイント
 (1) 協力分野の拡大・深化
  日本とASEANの関係が、経済・開発分野のみならず、安全保障分野においても、パートナーシップを構築する段階に来ていると認識。多くのASEAN首脳から、日本がTAC締結の意図を表明する文書に署名する決定を行ったことに対し、TACはASEAN諸国の基盤であり、政治・安全保障分野のパートナーとしても象徴的な意義を有する。
 (2) 東アジア・コミュニティの形成
  この特別首脳会議は、「日本と東南アジア」という協力関係が、日本とASEANが「中核」となりつつ、将来、東アジア・コミュニティに向けて更に発展・形成されていく新たな出発点となる。
 (3) 対等なパートナーシップへ
  タクシン・タイ首相より、日本とASEANの関係が、「援助国と被援助国」の関係から、近年、「対等な関係」に進んできているとの認識が示され、その具体例として(イ)二国間についてはタイ、フィリピン、マレーシアとの経済連携協定(EPA)の正式交渉開始につき合意したこと、(ハ)昨年合意されたシンガポールとのEPAについても極めて有効に機能していることが挙げられた。

3. 各国首脳の発言
 (1) マレーシア
  初めて参加する日ASEAN首脳会議が、ASEAN域外で初めて一堂に会するこの会議であることを嬉しく思う。日・マレーシア関係を今後も更に発展させたい。特に、これまで東方政策がマレーシアにとってプラスになった。今回、マレーシア日本国際工科大学(MJIUT)の設立を進めており、これはASEAN全体にとっても科学技術の発展に大きく寄与するものと期待。
 (2) ブルネイ
  日・ブルネイ関係は来年国交20周年。日本人専門家から伝えられた知見・経験は、ブルネイの社会・文化・技術における発展に大きく寄与。日本人から勤勉さも学んだ。日本の貢献に感謝。
 (3) カンボジア
  日・カンボジア関係は、昨年、外交関係樹立50周年。両国友好の基礎は、カンボジアの発展に対する様々な形での日本の貢献である。政治・経済分野において両国関係を一層深化・発展させ、日・ASEAN関係の発展に寄与したい。日本はカンボジアの最大の友人である。
 (4) タイ
  日ASEAN関係は、経済関係から政治安全保障面での協力に発展しつつあり、今後信頼関係の更なる深化を通じて、社会・文化の面でも重要な柱を築くであろう。特に、人材育成、お互いの発展に資したベスト・プラクティスの情報交換、青少年の交流を進めたい。特に、今後、ASEANが日本と共に東アジア・コミュニティの中核となって共同体を構築していく。この協力において、安定した牽引力としての日本の役割、日本がASEANと共に歩み共に発展するという役割に期待する。
 (5) フィリピン
  1997年のアジア通貨危機の際、日本のコミットメントが試されたが、日本がその危機に対応しASEANを助け、試練に打ち勝ち、更なる日ASEAN関係の強化を実現できた。日本のこれまでの努力、特に、小泉総理が2002年に発表した日本AESAN交流年、包括的経済連携構想等「5つの構想」が、日本とASEANの一体性を更に現実のものとしていると評価。
 (6) ベトナム
  日本は、ASEANとの協力関係を率先してきた。福田スピーチ、宮沢構想、小渕プラン、さらには「共に歩み共に進む」というスローガンの下、小泉総理が提唱した「5つの構想」は、ベトナムにとって極めて重要。日本とASEANの長期的に活力のあるパートナーシップに向けて、ベトナムとしても最大限の努力をしていきたい。
 (7) ミャンマー
  日本のASEAN新規加盟国への支援は、ASEAN経済の統合に大きな役割を果たしており、ASEAN全体に寄与するもの。日本ASEAN交流年を通じて高めた一体性を基礎に、反テロ、麻薬、人の密輸などについて引き続き協力を強化していきたい。
 (8) ラオス
  日本とASEANの連携を強化し、ASEANが再び危機に陥らないよう、経済連携を強め、互恵の関係を深化させていきたい。
 (9) シンガポール
  (イ)日本がASEANに対し如何なる役割を果たしてきたかは、既に発言されているので、以下の3点について述べたい。
(a) 日本からの直接投資は雇用を促進し、「アジアの虎」の成長を生んだ。
(b) 日本の熟練労働者が、ASEANの人材育成に大きく寄与した。
(c) 日本のODAが極めて重要な役割を果たした。
  (ロ)以上は良いことのみ述べてきたが、日本がこうすれば良かったという苦言として以下の3点を述べたい。
(a) もっと早い段階で、日本が技術移転を行っていれば、ASEANの発展に更に貢献したはずである。
(b) もっと早い段階で、現地の日系企業の経営のトップに現地職員を就任させるべきであったこと。
(c) 日本はASEANを生産拠点と見なしているが、日本はもっと早く市場を開放すべきであったこと。

4. 1日目の総括
 (1) 1日目の総括として、小泉総理より、日本への感謝をありがたく受け止めた、今後もしっかりと皆様の声を受け止めていく、これからもASEANが必要とする支援を実施しなければならないと考えている旨述べた。また、長年の交流を通じて、日本とASEANは互いに必要としているとうことははっきりしており、「共に歩み共に進む」パートナーであることを確認し、日ASEAN関係を更に強化していきたい旨発言。
 (2) これに対し、共同議長であるメガワティ・インドネシア大統領より、日本とASEANは、パートナーとして、地域の問題及び地球規模の問題の解決のために、共に手を携えていきたい旨述べた。


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