3. 各国首脳の発言 |
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マレーシア |
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初めて参加する日ASEAN首脳会議が、ASEAN域外で初めて一堂に会するこの会議であることを嬉しく思う。日・マレーシア関係を今後も更に発展させたい。特に、これまで東方政策がマレーシアにとってプラスになった。今回、マレーシア日本国際工科大学(MJIUT)の設立を進めており、これはASEAN全体にとっても科学技術の発展に大きく寄与するものと期待。 |
(2) |
ブルネイ |
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日・ブルネイ関係は来年国交20周年。日本人専門家から伝えられた知見・経験は、ブルネイの社会・文化・技術における発展に大きく寄与。日本人から勤勉さも学んだ。日本の貢献に感謝。 |
(3) |
カンボジア |
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日・カンボジア関係は、昨年、外交関係樹立50周年。両国友好の基礎は、カンボジアの発展に対する様々な形での日本の貢献である。政治・経済分野において両国関係を一層深化・発展させ、日・ASEAN関係の発展に寄与したい。日本はカンボジアの最大の友人である。 |
(4) |
タイ |
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日ASEAN関係は、経済関係から政治安全保障面での協力に発展しつつあり、今後信頼関係の更なる深化を通じて、社会・文化の面でも重要な柱を築くであろう。特に、人材育成、お互いの発展に資したベスト・プラクティスの情報交換、青少年の交流を進めたい。特に、今後、ASEANが日本と共に東アジア・コミュニティの中核となって共同体を構築していく。この協力において、安定した牽引力としての日本の役割、日本がASEANと共に歩み共に発展するという役割に期待する。 |
(5) |
フィリピン |
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1997年のアジア通貨危機の際、日本のコミットメントが試されたが、日本がその危機に対応しASEANを助け、試練に打ち勝ち、更なる日ASEAN関係の強化を実現できた。日本のこれまでの努力、特に、小泉総理が2002年に発表した日本AESAN交流年、包括的経済連携構想等「5つの構想」が、日本とASEANの一体性を更に現実のものとしていると評価。 |
(6) |
ベトナム |
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日本は、ASEANとの協力関係を率先してきた。福田スピーチ、宮沢構想、小渕プラン、さらには「共に歩み共に進む」というスローガンの下、小泉総理が提唱した「5つの構想」は、ベトナムにとって極めて重要。日本とASEANの長期的に活力のあるパートナーシップに向けて、ベトナムとしても最大限の努力をしていきたい。 |
(7) |
ミャンマー |
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日本のASEAN新規加盟国への支援は、ASEAN経済の統合に大きな役割を果たしており、ASEAN全体に寄与するもの。日本ASEAN交流年を通じて高めた一体性を基礎に、反テロ、麻薬、人の密輸などについて引き続き協力を強化していきたい。 |
(8) |
ラオス |
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日本とASEANの連携を強化し、ASEANが再び危機に陥らないよう、経済連携を強め、互恵の関係を深化させていきたい。 |
(9) |
シンガポール |
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(イ)日本がASEANに対し如何なる役割を果たしてきたかは、既に発言されているので、以下の3点について述べたい。
(a) |
日本からの直接投資は雇用を促進し、「アジアの虎」の成長を生んだ。 |
(b) |
日本の熟練労働者が、ASEANの人材育成に大きく寄与した。 |
(c) |
日本のODAが極めて重要な役割を果たした。 |
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(ロ)以上は良いことのみ述べてきたが、日本がこうすれば良かったという苦言として以下の3点を述べたい。
(a) |
もっと早い段階で、日本が技術移転を行っていれば、ASEANの発展に更に貢献したはずである。 |
(b) |
もっと早い段階で、現地の日系企業の経営のトップに現地職員を就任させるべきであったこと。 |
(c) |
日本はASEANを生産拠点と見なしているが、日本はもっと早く市場を開放すべきであったこと。 |
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