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小泉総理大臣


ASEAN+3首脳会議における日中首脳会談
(概要)


平成15年10月7日


 10月7日午後、インドネシアのバリにおいて、小泉総理と温家宝国務院総理との間で日中首脳会談が約40分間にわたり行われたところ、概要は以下のとおり(当方:細田内閣官房副長官他、先方:李肇星外交部長、王毅外交部副部長他同席)。

1.日中関係

(1)総論

(温家宝総理)
 小泉総理の総裁再選に祝意を表したい。本年は日中平和友好条約締結25周年。呉邦国全国人民代表大会委員長の訪日、福田官房長官及び石破防衛庁長官の訪中等が成功裏に実施され、日中関係が進展を見せている。

(小泉総理)
 福田官房長官訪中の際の中国側のもてなしに感謝。日中平和友好条約締結25周年の本年、幅広い分野での交流が拡大していることは喜ばしい。先月、呉邦国全人代委員長が訪日し、その際のレセプションに自分(総理)も参加したが、日中関係が一層進展していることを実感した。日中平和友好条約は、福田総理在任中に締結された。福田元総理はその後、鄧小平氏の招きで訪中したが、その際に、森前総理、福田官房長官及び自分(総理)の3名が同行した。
 現在自分(総理)は61歳、胡錦濤国家主席、貴総理も同い年であり、日中両首脳が同い年であることはめずらしい。同い年の間で、未来志向の日中関係を発展させることは、アジア太平洋地域、ひいては世界全体にとって有益である。

(2)未来志向の日中関係

(小泉総理)
(イ) 両国間に色々と懸案があることは承知しているが、同時に、未来に向けた協力を進めていきたい。遺棄化学兵器の問題についても、誠実に対応する考えであり、事務当局間の協議を通じて双方が満足できる結果を得たい。
(ロ) 福岡一家殺人事件について、中国の協力に感謝している。今後治安面での協力を進めていきたい。
(ハ) 日中二国間において、あらゆる分野で協力を進め、国民の交流、特に若い世代の交流を深め、日中関係を発展させて行きたい。本日、貴総理とは初めての会談であるが、早期に訪日していただきたい。


(温家宝総理)
 自分(温総理)は、本日の会談を極めて重視している。貴総理とは初めての会談であるが、日中関係における重要な問題について、友人のように率直にお話したい。
(イ) 中国は極めて日中関係を重視している。中国の周辺諸国との関係の中でも最も重要である。日中関係の発展は、歴史の流れであり、国民が求めるところでもある。日中関係の深さと幅広さはかつてない程進展しており、昨年の日中貿易額は1000億ドルを超え、日中間の人的往来は400万人近くとなっている。
(ロ) 日中関係には、明確な基礎がある。それは3つの基本文書(注:日中共同声明、日中平和友好条約、日中共同宣言)。幾世代の指導者の努力により、「歴史を鑑として未来に向かう」ことで一致。
(ハ) 小泉総理は日中関係を重視し、そのために努力され、2001年の訪中の際には盧溝橋を訪問され、昨年のボアオ・フォーラムにも出席いただき、中国脅威論を採らないとの立場を明確に示された。
(ニ) 歴史問題は、両国関係に影響を及ぼす敏感な問題である。その責任はかつての軍国主義者にあり、日本人民もその被害者。しかし、正しく歴史に対処することは、両国関係にとり重要である。
 チチハル市における毒ガス事故を早く妥当に処理し、これを契機として、遺棄化学兵器処理を加速して欲しい。それによって、中国人民の心の中のしこりを解くことができる。
(ホ) 引き続き日中関係を発展させることは、国民の利益。そのために指導者の相互訪問が重要。小泉総理が適当な時期に訪中されることを歓迎。また、自分(温総理)も訪日を希望している。そのために良好な雰囲気を作る必要がある。指導者の決断力が重要であり、是非小泉総理の知恵を活かしていただき、両国関係上の問題を解決していただけるよう希望している。


(小泉総理)
 日中関係を進展させ、いずれ両首脳が相互訪問できるよう互いに努力したい。

2.北朝鮮情勢

(小泉総理)
 先般の六者協議開催に向けての貴国の努力に敬意を表する。自分(総理)は、昨年金正日氏に会い、日朝平壌宣言に署名。北朝鮮を国際社会の責任ある国にすべく努力しているが、日本一国のみでできることではない。国際社会における協力の枠組みとして、日米韓に、中露を加えた六者協議の場を協力の枠組みとして重視している。
 核の問題は日本と関係がないと北朝鮮は言っているが、そのようなことはない。かつて拉致の問題もそのような事実はないと主張していたが、昨年よりその事実を認め、謝罪し、このようなことを再び起こすことはないと述べている。このように北朝鮮の態度も変化している。米、韓、中、露もこの問題に関心を有している。各国の協力の下で、平和的解決に導くために協力していきたい。

(温家宝総理)
 核問題解決のため、中国としても平和的解決を求めていく。拉致問題についての日本の関心を理解しており、日朝両国が妥当にこの問題を解決されることを希望している。

(小泉総理)
 日本としては、核、拉致、ミサイル等の問題を包括的に解決する方針である。そのためにも中国の役割が重要である。北朝鮮は挑発的発言を行っているが、日本は冷静に対応している。盧武鉉大統領、ブッシュ大統領とも協調しており、中国とも一層緊密に協力していきたい。


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