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小泉総理大臣


APEC首脳会合の際の小泉総理と
カシヤノフ・ロシア首相の会談
(概要)

平成14年10月27日


 10月27日午前10時00分から10時50分(現地時間)まで、APEC首脳会合に出席のためメキシコを訪問中の小泉総理はカシヤノフロシア首相と会談を行なったところ、概要以下の通り。(ロシア側同席者は、イワノフ外相、メルズルヒン首相府室長他、当方同席者は安倍官房副長官、高野外務審議官、別所総理秘書官、上月ロシア課長。)

1.劇場占拠事件

(1) 冒頭小泉総理より、今般の劇場占拠事件の人質解放に当たり、多くの犠牲者が出ことにつき、犠牲者及びそのご家族の方々に哀悼の意を表した。更に総理より、この決定に際し、プーチン大統領は苦渋に満ちた果断な決定を行った、このようなテロ行為は決して許させるべきではなく、今後、国際テロリズムに対する闘いにおいて、日露で緊密に連絡を取り合っていきたい旨述べた。

(2) これに対して、カシヤノフ首相より、小泉総理からの、一体感と同情を込めた発言に感謝したい、今回の事件は、国際テロに対してすべての国が協力する必要性があるということを確認するものであった旨述べた。

(3) 更に小泉総理より、今回のモスクワの劇場占拠事件を、我々は、そして、世界は息を詰めて見ていた、このような卑劣なテロの行動は人ごとではない、プーチン大統領にとって困難な決定であったであろうと推察する旨の発言があった。


2.訪ロと行動計画

(1) カシヤノフ首相の方から、プーチン大統領は2003年1月の総理の訪露を楽しみにし、小泉総理の訪露を是非成功させたいと思っている、その観点から、行動計画は、今後の中・長期的な日露関係の展望を担い、協力の分野を記す重要な文書である旨述べた。

(2) これに対し、総理より、自分の訪露の時には、行動計画を署名することに合意しているが、これは今後の日露関係の基本方針となる重要な文書である、訪ロの準備を着実に進めたい旨述べた。


3.領土問題

(1) 小泉総理より、両国は、第二次大戦後残された領土問題を抱えていて、これは長年の懸案であると同時に日露関係の発展の障害であり、この克服に努めなくてはならない、日露関係の潜在的可能性は大きい、例えば日本とアメリカは第二次世界大戦では敵対関係にあったが、戦後は最も緊密な友好関係となっている旨述べた。

(2) 更に総理より、北方領土問題の解決を目指して幅広い日露関係を進め自分の訪露が成果の上がるものとしたいと考えている旨領土問題解決への決意を述べた。

(3) これに対し、カシヤノフ首相から、平和条約締結問題については、専門家の間で詳細な話し合いのための努力を続けていかなければならない、この問題が未解決であることが、他の分野の発展への影響を与えることを避けていかなければならない旨述べた。


4.日露経済関係等

(1) 小泉総理より、日露間の貿易額は、日米間の40分の1、日中間や日EU間の20分の1に止まっており、ロシアの国力を考えれば日露の経済関係の発展には大きな潜在的可能性がある、ロシアの市場経済化の進展、欧米への接近にプーチン大統領は大きな役割を果たした、これまでの成果の上に日露経済関係を更に発展させていきたい、そのためには行動計画が大きな意義を有している旨述べた。

(2) これに対してカシヤノフ首相より、日露の経済関係の潜在的可能性が極めて大きいとの評価に賛成する、現在の日露の貿易水準はその潜在的可能性に応えていない、二国間の発展の分野として、貿易、科学技術、文化等があげられる、ロシアにおいては、日本の経済的成果、技術の進展を高く評価しており、また文化交流を発展させたいとの希望も強い、貿易・経済分野の具体的な協力分野としてエネルギー、木材、漁業、シベリア・極東の資源開発、運輸等の分野がある旨述べた。


5.支援委員会

(1) 小泉総理より、支援委員会に関しては多くの批判があり今年度末をもって廃止することとなった、同委員会の廃止が日露関係の後退ではなく前進につながるよう進めていきたい、更に、支援委員会の廃止が北方四島周辺水域における操業枠組み協定に悪影響を及ぼし両国の友好関係に影響を与えることのないよう、この問題を政治問題化することなく良く話し合い、協定の維持に努めたい旨述べた。

(2) これに対し、カシヤノフ首相より、支援委員会の廃止に関する日本政府の決定についての説明は良く理解した、支援委員会がロシアにおける人材育成のために大きく役立ったことをロシア側は高く評価している旨述べた。


6.北朝鮮問題

(1) 小泉総理より、自分の北朝鮮訪問に際しては、プーチン大統領から、適切かつ有益な助言を頂いた、改めて感謝の意をプーチン大統領に伝達して欲しい旨述べた。

(2) これに対してカシヤノフ首相から、ロシアでは、総理の北朝鮮訪問を歴史的な出来事と捉えており、これは日朝関係のみならず、アジア、更には世界の安定につながるものだ、朝鮮半島政策について日露両国が調整して行かなくてはならない旨述べた。

(3) 更に小泉総理から、日本としては、北朝鮮との関係では拉致問題、工作船の問題があるが、安全保障の問題も重要であると考えており、まさに今日この問題について日・米・韓で話し合う予定である、安全保障、核の問題は、日朝だけの問題だけでなく北東アジア、ロシア、中国にも影響を及ぼす重要な問題である旨述べた。更に小泉総理より、北朝鮮が、国際約束を遵守して責任ある国家となることが、北朝鮮自身の利益ともなることを分からせる必要があり、プーチン大統領及びロシア政府が北朝鮮に働きかけることを期待している旨述べた。

(4) )これに対してカシヤノフ首相は、朝鮮半島問題に関しては日露がよく調整していくことが必要だと強調した。



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