日米首脳会談概要

平成13年10月20日
小泉総理大臣は、現地時間20日午前11時50分(日本時間同日午後12時50分)より約30分間、上海におけるAPEC首脳会議に際してブッシュ大統領との間で首脳会談を行った。
【同席者】米側:パウエル国務長官、ベーカー駐日大使、カード大統領首席補佐官、ライス国家安全保障問題担当大統領補佐官他、日本側:上野官房副長官他。
【会談概要】
1.米国における同時多発テロへの対応
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総理より、日本は武力行使には参加しないが、物資協力や輸送協力等の面で協力していきたい、これがテロ対策特措法案の一つの目的である、自衛隊に役割を与えることにつき国民の理解を得つつある、軍事行動以外にも経済努力、外交努力、テロ資金源断絶などが必要である、本件には軍事的成功、政治的な安定、復興の3つが重要であり、日本としては政治的安定及び復興に出来る限りのことをしていきたい旨述べた。 |
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大統領より、日本の進めていることに感謝する、軍事作戦に参加しないということは日本との友情に比較すれば第二義的であり、日本の支持に心から感謝している、将来の復興の努力が必要になるが、日本はカンボジア和平での成功の経験があり、アイデアや進め方の面でも幅広い貢献が出来ると思う旨述べた。 |
2.周辺国への支援
大統領より、先般の日本の4000万ドルの対パキスタン支援は、大変寛大な支持である、周辺国の将来を考えていく上で日本の参加が重要であると考えている旨述べた。
3.中国・韓国との関係
総理より、先般訪中、訪韓し、江沢民主席及び金大中大統領と会談した、現在、両国との間の関係改善に努めている、テロ問題に関して、両国それぞれと協力していくことを確認したと述べた。
4.経済
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(大統領からの質問に答え)総理より、改革全般については皆支持しているが、手段については色々意見がある、今般のテロ以降、世界不況に直面していることから、経済成長をプラスにすべしという声もあるが、いずれにせよ持続的成長に持っていくためには是非改革が必要である、目先の成長を目指すのではなく、長期的な視点に立って改革を進めるつもりである旨述べた。 |
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これに対し、大統領より、父の第41代ブッシュ大統領は、現在日本が抱えているような不良債権の問題について、貴総理と同様、長期的な視点を重視した解決策をとった旨述べた。 |
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大統領より、今度ドーハで行われるWTOで、新たな貿易ラウンドを立ち上げるよう進めていきたい旨述べ、総理は首肯した。 |
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