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小泉総理大臣


日・マレイシア首脳会談
(概要)


平成14年1月11日

 1月10日、日本時間午後4時から約45分間、首相府において、小泉総理とマハディ-ル首相による首脳会談が行われ、同首脳会談に先立ち、約20分間、総理のマハディ-ル首相表敬が行われたところ、概要以下のとおり。

1. 東アジア外交ビジョン

(1) 小泉総理より、「福田スピーチ」から25年が経過し、この間の日・ASEAN関係の進展や世界情勢の変化等を踏まえ、日本の東アジア外交の新たなビジョンを打ち出したいとしつつ、その中核となるASEAN諸国との関係については「率直なパートナー」として「共に歩み共に進むコミュニティ」の構築が日本の究極の目標であると述べた。具体的な協力としては、(イ)改革推進と繁栄確保、(ロ)共同の取組みを通じた地域の安定、(ハ)未来のための協力の3つの柱として協力を行っていくことを説明した。また、コミュニティの形成はオープンであるべきで、他の地域や世界との密接な連携を目的としている旨述べた。

(2) マハディ-ル首相は、総理の説明を多としつつ、福田スピーチからの変化を踏まえ、地域協力のコンセプトを考える必要があり、ASEAN+3の協力の強化が必要であると述べた。

2.改革の推進と繁栄確保

(1) 小泉総理より、日本経済の現状、構造改革について説明すると共に、マレイシアとの関係を重視し、教育、ITなどで協力関係を進めたいと述べた。また、開かれたコミュニティの中で、日本は改革により開発経済の牽引役となって行くと共に政治分野でも積極的な役割を果たしたい旨述べた。更に、地域の繁栄のため、貿易・投資・科学技術・教育・観光等の幅広い分野での日・ASEAN間の経済連携強化を目指した「日・ASEAN包括的経済連携構想」を提案し、日・ASEAN首脳会議での合意を目指したい旨述べた。

(2) マハディ-ル首相は、日本経済の活性化、東アジア経済の活性化の必要性に触れた上で、9月11日のテロ事件による世界経済への影響について考える必要がある旨述べた。また、マハディ-ル首相は、日本の援助に対する感謝を表明し、インフラ整備のために依然として援助を必要としていると述べた。

(3) 小泉総理より、ASEANの競争力強化の一環として、マハディ-ル首相より提案のあった教育・訓練の面での協力について説明し、マハディ-ル首相は、日本の教育コストは非常に高いので訓練施設や大学をマレイシアに設立することについて検討して貰いたいと述べた。

3. 地域の安定への共同の取組み

(1) テロ対策、パレスティナ問題
 小泉総理より、コミュニティの中で、ASEAN+3の場を最大限活用しながら、経済連携、テロ、海賊問題等国境を越える問題について協力強化に取り組んで行きたい旨述べた。マハディ-ル首相は、テロ対策が重要であり、マレイシアはテロと闘っているが、軍事的に対応するだけでは不十分であり、根本的な原因の解決を図らねばならない、イスラムの国にとってはパレスティナ問題の解決が必要と述べた。これに対して、小泉総理は根本的な問題解決のためにパレスティナ和平について日本として何ができるか考えていきたいと応答した。

(2) ミャンマー
 小泉総理より、ミャンマー問題について、マレイシアのミャンマーに対する働きかけ・努力に対して、特に、マレイシア出身のラザリ国連事務総長特使の役割を評価し敬意を表すると共に、日本もミャンマーの民主化支援を行っていきたいと述べた。

4.未来のための協力(東方政策20周年と日本ASEAN交流年)

 小泉総理より、東方政策受け入れ20周年に当たる本年に、両国で記念行事を開催することや、2003年を「日本・ASEAN交流年」とすることを提案した。これに対し、マハディ-ル首相は深く頷き同意の意を表した。

5.その他

 小泉総理より、2005年の国際博覧会へのマレイシアの参加を慫慂した他、アフガニスタン情勢につき意見を交換し、マハディ-ル首相よりは、アフガンの現状は不安定さが残っているが、多国籍軍が存在することによって、民族間・地域間の戦いが起こる可能性が抑制できると思うとの発言があった。



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