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森前総理のインド訪問(成果と概要)

平成13年10月30日

 森総理特使(前総理)は、10月28日から31日にかけインドを訪問し、29日にフェルナンデス国防相及びアドヴァニ内相との会談、30日にヴァジパイ首相との会談を行った。(なお、30日に予定されていたシン外相との会談は、シン外相の体調不良により直前にキャンセルされた。)森特使インド訪問の成果と概要は以下のとおり。

I.成果

  1. 米国における同時多発テロ
     米国における同時多発テロは国際社会に対する重大な挑戦であり、国際社会全体が断固たる姿勢で取り組むべきこと、日印が協力して国際的な対応を支持していくことで一致

  2. カシミール問題
     森特使より、平和的な二国間対話による解決及び地域の大国としての自制的対応を強く要請
     これに対しインド側より、パキスタンとの話し合いによる問題の解決に努めている。対話は終わったわけではなく、インドとしては引き続き対話を行う用意がある。インドは自制的にカシミールの管理ラインを尊重している。カシミール問題を悪化させる考えは全くないが、国を守る必要はある。日本の懸念についてはよく理解できる旨発言

  3. アフガニスタン情勢
     森特使より、アフガニスタンに国民各層の広範な支持を得た、国際社会に友好的な政権が誕生する必要がある旨発言。アフガニスタンの和平と復興のために、国際社会が協力していくことの重要性について一致

  4. 軍縮・不拡散
     ヴァジパイ首相他インド側要人より、98年5月の核実験以降我が国がインドに対してとってきた措置が停止されたことに謝意を表明(注:ヴァジパイ首相については、冒頭自ら謝意を表明。)。森特使より、軍縮・不拡散分野におけるインドの前向きな姿勢を評価し措置を停止した。軍縮・不拡散分野におけるインドの一層前向きな対応を期待している旨伝達。核廃絶という共通の目的に向け協力して取り組んでいくことについて一致

  5. 二国間関係
     森特使より、「21世紀における日印グローバル・パートナーシップ」に基づいて日印関係が緊密化していることを評価。幅広い分野において関係構築が進んでいることは喜ばしい。ヴァジパイ首相訪日を歓迎する。ヴァジパイ首相訪日、来年の日印国交樹立50周年を通じ、日印関係が益々発展していくことを期待する旨発言
     これに対しヴァジパイ首相より、訪日を楽しみにしている旨発言。他のインド側要人も、ヴァジパイ首相の訪日に期待感を表明

  6. 今回の総理特使のインド訪問は、昨年8月の森総理(当時)インド訪問後初めての本格的なハイレベルでの日印対話の機会となった。インド側は、森特使をインド政府賓客として手厚く接遇し、ヴァジパイ首相、アドヴァニ内相、フェルナンデス国防相との会談が実現する等、日印の関係構築に大きな成果を挙げた

II.概要
  1. 米国における同時多発テロ
     森特使よりヴァジパイ首相に小泉総理の親書を手渡し、米国における同時多発テロは国際社会に対する重大な挑戦であり、国際社会全体が断固たる姿勢で取り組むべきである旨述べた上で、テロ対策特措法の成立、難民支援、周辺国支援、アラブ諸国への総理特使派遣、テロリスト規制のための国際的な法的枠組み強化に向けた努力等、米国における同時多発テロ後に我が国がとった対応について説明。インドが、事件後にいち早く国際社会のテロとの闘いに協力姿勢を示したことを評価する旨発言。インドと協力してテロとの闘いに全力で取り組んでいく旨述べた。
     これに対しヴァジパイ首相より、テロとの闘いのための国際的連帯を完全に支持する。インドは米国に最大限の協力を行う旨発言。
     他のインド側要人より、日本がテロ問題に理解を示したことを評価する。インドはカシミール地方を中心とした(パキスタン側からの)「越境テロ」の問題に長年悩まされている。日本の対応は大変心強いものであり、テロに対して日印が協力して対応すべき旨発言。
     森特使より、インドとの間でテロ問題に関する対話を継続することは有益であり、適当な機会に意見交換を実施したい旨述べたところ、インド側より、日本ともテロ専門家会合を開催したい旨の反応あり。

  2. カシミール問題
     森特使より、カシミール問題を含むインド・パキスタン間の諸問題が、平和的な二国間対話で解決されることを期待する旨発言。カシミールにおける緊張の高まりは、南西アジア地域の平和と安定に望ましくない影響を与えるものであり、地域の大国として自制的な対応をとるよう強く要請。
     これに対しヴァジパイ首相他インド側要人より、インドはパキスタンとの話し合いによる問題の解決に努めている。対話は終わったわけではなく、インドとしては引き続き対話を行う用意がある。インドは自制的にカシミールの管理ラインを尊重している。カシミール問題を悪化させる考えは全くないが、国を守る必要はある。日本の懸念についてはよく理解できる旨発言。
     また、カシミールにおいては依然としてテロが止んでいない。米国における同時多発テロに対しては世界的な対応が行われており、インドもこれに協力しているが、カシミールのテロについても理解を示して欲しい旨述べた。

  3. アフガニスタン情勢
     森特使より、テロの温床を排除するためにはアフガニスタンの安定が重要であり、国民各層の広範な支持を得た、国際法、国際慣行を遵守し、国際社会に友好的な政権が誕生することが必要である旨発言。インドとも協力しつつ、和平の実現と復興に貢献していく旨説明。
     これに対しヴァジパイ首相より、インドはアフガニスタンに対して食糧、医薬品を供与している。また、アフガニスタンが広範な基盤を持つ政府を樹立すること。その政府が独立した外交政策を持ち、中立的であること。また、弱者に支援の手を差し伸べる政府であることが重要である。北部同盟が全てを握るわけではないが、北部同盟が政府に入ることが必要。他方、タリバーンは排除されねばならない旨発言。日本とも協力して和平に取り組みたい旨述べた。

  4. 軍縮・不拡散
     ヴァジパイ首相他インド側要人より、98年5月の核実験以降我が国がインドに対してとってきた措置が停止されたことに謝意を表明。経済面を含む種々の協力の進展について期待感を表明。
     森特使より、核実験モラトリアム維持、CTBT早期署名に向けての取り組み等の諸施策実施の意図表明等、インドの前向きな姿勢を評価し、98年5月の核実験以降とってきた措置を停止した旨説明。軍縮・不拡散分野におけるインドの一層前向きな対応を期待している旨伝達。核廃絶という共通の目的に向けて、国連等においても協力して取り組んでいきたい旨述べた。
     これに対しインド側より、唯一の被爆国である日本の核に対する懸念はよく理解しているが、インドにとって核抑止力が必要であることを理解して欲しい。インドは核抑止力以上のものを望んでおらず、核実験後にはモラトリアムを維持している。核軍縮のために日本と協力していきたい旨発言。

  5. 二国間関係
     森特使より、昨年8月の総理としての訪印後、「21世紀における日印グローバル・パートナーシップ」に基づいて日印関係が緊密化していることを評価。日印21世紀賢人委員会及び日印ITサミット等の対話、防衛交流等幅広い分野において、グローバル・パートナーとしての関係構築が進んでいることは喜ばしい。ヴァジパイ首相訪日を歓迎する。ヴァジパイ首相訪日、来年の日印国交樹立50周年を通じ、日印関係が益々発展していくことを期待する旨発言。
     これに対しヴァジパイ首相より、訪日を楽しみにしている旨発言。他のインド側要人からも、ヴァジパイ首相の訪日に期待しており、この機会に友好関係の拡大を期待する旨発言。


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