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高村総理特使のエジプト、サウジアラビア訪問
(概要と成果)


平成15年3月


1.概要

 高村総理特使は、3月2日から7日までエジプト、サウジアラビアを訪問し、カイロにおいて3日にマーヘル・エジプト外相、ムーサ・アラブ連盟事務総長、4日にオベイド・エジプト首相と会談、またジェッダにおいて5日にアブドッラー・サウジアラビア皇太子、サウード外相と会談を行った。

(1) 日本側からのメッセージ

(イ) イラク情勢緊迫化の中で平和的解決をもとめるぎりぎりの外交努力を行うことが重要と考え小泉総理は特使を派遣。

(ロ) 時間は限られており、イラクが最後の機会を活かし査察に全面協力するようイラクに対し一層働きかけてほしい

(ハ) アラブ首脳会議による委員会の設置等平和的解決に向けた努力を評価。イラクが安保理決議を履行し問題が平和的に解決されるようイラクへの働きかけを期待。

(ニ) 不幸にして武力行使が始まった場合には、地域の安定のために協力する用意あり

(2) エジプトの反応

(イ) イラク政府には毎日のようにメッセージを送り査察への協力を求めている。引き続きイラクに対し査察への全面的協力を働きかけていきたい

(ロ) イラク問題の平和的解決がイラク、中東の安定を保つ。戦争は犠牲者と被害をもたらし、テロを誘発し、中東地域を不安定化するだけで益なし。

(ハ) 戦争回避をめざす点では日本と立場は同じ。平和的解決のために日本を含めた友好国と協力していきたい

(ニ) アラブ首脳会議は(a)武力行使反対、安保理決議1441の枠組み内での平和的解決、(b)査察に時間的猶予を与える、(c)イラクに安保理決議の遵守を求める、ことで一致した。首脳レベルの委員会を設置し、安保理理事国、イラク等に働きかけていくことを決定。

(3) サウジアラビアの反応

(イ) これまでも国連諸決議に従うようイラクに求めており、努力を継続

(ロ) 安保理の分裂がイラクに誤ったメッセージを送っており、イラクは時間稼ぎの余地があると思っている

(ハ) イラクの占領はイラクの分割と地域全体の不安定化を招く

(ニ) 戦争回避が重要。安保理が一致することが重要である。


2.成果

(1) イラクが最後のチャンスを逃さないようイラクへの一層の働きかけを行うことにつきエジプト、サウジアラビアより協力の意思表明を得た。ただし、フセインが能動的な姿勢に根本的に転換することにはエジプト、サウジアラビア共に懐疑的。なお、エジプト、サウジアラビア共に武力行使が地域の不安定化を招くことを懸念していた。

(2) 日本がイラク問題の平和的解決のためにぎりぎりの外交努力を続けていることをアラブ諸国に示すことができた。武力行使による中東地域の不安定化をおそれるアラブ諸国にそうした我が国の姿勢を印象づけたことは対アラブ関係において重要な布石である。



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