![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() | ||||||||||
|
トップページ > 会談・訪問 > 過去の記録 |
![]() |
日韓閣僚懇談会(共同記者会見)
23日、日韓閣僚懇談会に引き続き、午後5時50分より6時15分まで、新羅ホテル内にて小渕総理及び金鍾泌国務総理による共同記者会見が行われたところ概要以下の通り。1.金鍾泌国務総理冒頭発言
昨年11月の鹿児島に続き、本日、ここ済州島で第2回韓日閣僚懇談会を行った。閣僚懇談会の前には、総理会談と各分野別に個別閣僚会議が行われた。今回の閣僚懇談会では、両国から昨年よりも多くの閣僚が参加し、政治・経済分野だけでなく、国民・文化・地方・観光等多様な分野にわたる交流と協力の方策について建設的な意見交換がなされた。一言で言えば、大成功で意義深い会議であったということを申し上げ、各分野別の結果を簡単に御説明申し上げる。
両国は、最近の日韓両国首脳の相互訪問を通じ、21世紀に向けた未来指向的な友好協力関係を構築して以来各方面で交流と協力が大きく増大し、両国国民間の友好や信頼も高まっているという認識を共にした。両国は、2002年のワールドカップの共同開催を成功させること等を通じ、両国国民間の友好と親善を増進させ、朝鮮半島を含むこの地域の平和と安定のために協力し、両国の経済関係を一層互恵的に拡大させ、この地域及び世界の平和と繁栄のために共に努力していく、世界の中の韓日関係に発展させていくよう共に最善の努力をすることとした。
韓国側は、在日永住外国人の地方参政権が早期に実現されるよう、日本政府や与党の努力を要請し、日本側は本件が最近発足した自民・自由・公明連立政権の政策合意事項として採択され、三党間で検討されていると表明した。両国は、対北朝鮮包括的アプローチを基調に、韓日米三ヶ国間の協力体制を一層強固なものにしながら、北東アジア地域の安定と繁栄のためのこの地域の国家間の安保協力対話を実現するため、共に協力していくこととした。
また、両国が民主主義と市場経済の理念を共有する中核をなす友邦として、この地域における民主主義と市場経済の拡散のためにも、積極的に協力していくことが時代的な要請であることを確認した。両国は、貿易の拡大・均衡を目指し、投資協定の早期締結や基準・認証分野における協力の推進のために努力し、WTO等多国間のフォーラムにおいて緊密に協力していくことで、韓日経済協力の新しいパラダイムを構築していくこととした。
また、金融、通商、貿易・投資、部品素材及び産業協力、水産、農林、交通等様々な分野において両国間の協力方向に関する有益で建設的な意見交換が活発に行われた。
特に、韓日両国の漁業分野での協力について、「水産資源増殖センター」の設立を積極的に推進していくこととし、具体的な方策を相互に協議していくこととした。
皆様も、今この席でご覧になったが、両国の外務大臣の間で新たな日韓租税条約発効のための公文の交換が行われた。30日後に発効すれば、両国民の相手国においての経済活動が一層円滑になるものと期待される。両国は、ワールドカップが開催される2002年を「韓日国民交流の年」とすることで合意し、ワールドカップをきっかけとして青少年、地域・地方、学術、文化等様々な分野での交流事業を一層拡大・強化していくことで、より近くて近い韓日関係を作るために協力していくこととした。
両国は、次回閣僚懇談会を来年中に日本で行うことに合意し、時期・場所・出席閣僚等については、外交ルートを通じて協議していくこととした。
最後に、21世紀を目前にして行われた今回の第2回韓日閣僚懇談会を通じ、両国の出席者の皆様と共に韓日関係が21世紀に向かって着実に進展していることを確認し、未来指向的な韓日善隣友好協力関係を一層増進させていくための決意を新たにしたことを嬉しく思っている。2. 小渕総理冒頭発言
この度、豊かな自然と神秘性に彩られた魅力あふれる済州島において、第2回日韓閣僚懇談会が行われた。行き届いたご配慮を頂いた金鍾泌国務総理閣下を始め、韓国政府及び済州島関係者の皆様に、心からの感謝を申し上げる。
ちょうど1年前、金大中大統領が我が国を訪問され、ともに日韓共同宣言を策定して以来、日韓のパートナーシップ構築は、多くの分野で具体的な進展が得られてきた。
今回の閣僚懇談会においても、日韓間の間断なき政治対話の一環として、友情あふれる雰囲気の中で、広範囲の分野に関する真摯な意見交換が行われた。そのような対話を通じて日韓両国の閣僚間で培われた信頼関係は、今後の両国関係を構築していく上で、強固な基盤をなしていくものと確信する。今回の閣僚懇談会において、我々は先ず、21世紀に向けた未来志向の日韓関係構築が、多彩な分野と幅広い層において推進されていること、また、両国国民間の相互理解や信頼関係が深まりつつあることにつき、認識を同じくした。
21世紀に両国が様々な分野で協力の成果を上げていくことは、国際社会の期待に沿うものでもある。我々は、今後も引き続き間断なき政治対話を行い、両国国民間の友好・親善関係を強化し、各般の分野における協力を増進していくことを確認した。対北朝鮮政策につき、我々は、日韓米が共同で練り上げた「包括的かつ統合されたアプローチ」が軌道に乗り始めたことを確認し、日韓米の緊密な連携の下、このプロセスを更に前進させていくとの観点から、非常に有益な議論を行うことができた。
また、北東アジア地域の安保対話に関しても、意見交換を行った。経済面については、我々は、日韓投資協定の早期締結、基準・認証分野における協力の推進、ASEM、WTOなどの多国間フォーラムにおける緊密な協力について一致し、日韓経済協力の新しい枠組みを構築していくことと致した。
また、金融、貿易、投資及び産業協力、農業、水産、運輸などの経済関係の各分野における両国間の協力につき、有意義な意見交換が行われた。我々は、日韓両国がワールドカップサッカー大会を共同開催する2002年を「日韓国民交流の年」とすることに合意した。そうした大きな枠組みの下で、ワールドカップを成功させ、文化、スポーツ、青少年、地域、学術、産業、観光等の各般の分野に亘る全面的な交流事業を日韓両国の協力の下、推進していくことと致した。
2000年、更には21世紀を目前とする時点で行われたこの閣僚懇談会において、我々は、21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップの構築が着実に進展していることを確認し、更にこのような日韓関係の潮流を未来に向けて、一層推進し、発展させていく決意を新たに致した。
次回の閣僚懇談会は、明年の然るべき時期に、日本で開催することとした。具体的な時期や場所については今後調整されることとなる。
最後に改めて、今回の閣僚懇談会開催にご尽力頂いた関係者の皆様に感謝の意を表しつつ、冒頭発言とさせて頂く。3. 質疑応答
(1)キム・ミョンジョン次長(KBS)
(問)
金総理に伺う。2002年を国民交流の年とされたが、それだけ両国が近くなったということであると思う。我々の念願である天皇陛下の御訪韓については、いつ頃可能であり、両国はどの程度具体的に話を進められているのか。
次に、小渕総理に伺いたい。韓国政府が関心をもっている、在日韓国人の地方自治参政権の実現がいつ頃可能となるか、具体的な時期をお聞かせいただきたい。また、済州島に来られた感想をお聞きしたい。(金総理)
天皇陛下の御訪韓は、韓日関係を画期的に変える象徴的な機会になると思う。時期に関しては、日本側で具体的に提示して下されば、検討するようになると思う。天皇陛下が安らかなお気持ちで訪問できる環境を両国がいかにうまく整えるかが、御訪問時期を決定する上で重要な要因となる。この1年間に成し遂げた両国関係の画期的な発展を考え、また、東亜日報と朝日新聞の共同世論調査の結果にも現れているとおり、天皇陛下の御訪問の実現のための雰囲気がこれまでよりはるかに実り、高まりつつあると信じている。両国国民が歓迎する雰囲気の中で御訪問が行われるよう、両国政府と国民が現在の友好的な韓日関係のモメンタムを最大限活かしていくことが重要ではないかと思う。
(小渕総理)
在日韓国人の方々への地方参政権付与問題に対する韓国側の関心の大きさは常々よく理解している。先般、自民・自由・公明三党間において、「三党において議員提案し、法律を成立させる」との合意がなされたところである。この与党合意を受け、連立与党内で様々な議論が真剣に始まったところである。私もその推移を関心を持って見守ってまいりたい。したがって、いつと限定した日を指定することは不可能だが、御案内のとおり、今般、自由党に加えて公明党も参加した連立内閣が成立したところであり、与党としての話し合いが始まってきているので、その動向を政府としても注視していきたいというのが、現在申し上げられる立場である。
(2)佐藤記者
(問)
小渕総理に伺う。冒頭発言でもおっしゃったとおり、北朝鮮に対する包括的アプローチが軌道に乗り始め、日米韓で緊密な連携をとりながら、このプロセスを前進させるということだが、その中で日本のとる措置も重要な役割を果たすと思う。いわゆる制裁緩和について、いつどのような内容の措置をとるべきと現時点でお考えか。
金総理に伺いたい。2002年のワールドカップを機に日韓の国民交流の年とすることだが、多くの分野にわたる交流事業をこれから検討されると思う。中でも重要視され、具体化すべきだとお考えのものがあれば教示いただきたい。
また、在日韓国人の地方参政権問題についての先ほどの小渕総理の発言について何か御感想があれば伺いたい。(小渕総理)
先般、北朝鮮は米国との協議が行われている間はミサイルを発射しない旨発表したが、我が国は、この発表を、日米韓と北朝鮮との関係をよい方向に進める重要な動きとして歓迎している。また、これに至る米側の努力を高く評価している。
今後、米朝協議などを通じて北朝鮮当局にミサイル発射凍結の意思がよりはっきりしてくる中で、更なる北朝鮮の前向きの対応を引き出すべく、対応を検討しているところである。現時点では、北朝鮮に対する制裁をいつどのような形で解除するかについては、米朝間の今後の動向をも見極めつつ、対処したいと考えている。(金総理)
本日の閣僚懇談会で、2002年を国民交流の年に指定することとし、文化、芸術、学術、青少年、地方等各分野にわたる多様な事業を行っていくことで合意した。具体的な事業については、両国政府及び民間の協議体を通じ、緊密に協力していく予定であるが、例えば両国の文化財の相互展示や両国の伝統芸術を紹介する方法も考えられる。両国国民が新世紀には真の意味での隣国になるためには何よりも両国国民が相手国を理解する機会を与えられるべきであるので、本日の閣僚懇談会で2002年を国民交流の年に指定したことは時宜を得たものであると思う。
第二の質問については、日本に永住する在日韓国人の同朋たちが日本で居住する義務と責任をすべて果たせるよう参政権を与えることは、市民として基本的なことだと思う。可能な限り早期に地方参政権が実現することを希望する。(小渕総理)
先ほどの質問にここでお答えしたい。
天皇陛下の御訪韓については金総理からもお答えがあったが、自分としても先年大統領閣下、本年金総理から大変御懇篤な御招待をいただいていることに国民を代表して感謝申し上げる。
日韓両国における様々な意見や考え方がある中で、両国間におけうる雰囲気の醸成が重要であると考えている。先ほど、金総理からも両国民の本件に関する意識に大変変化が起こりつつあるという数字を示してのお話があった。政府としても、今後とも日韓双方で協力して、天皇陛下の御訪韓実現に向けて、引き続き環境整備に努めたいと考える。
済州島についての感想のお尋ねがあったが、かねがね伺っていた風が強いことについては、到着後すぐにわかったところである。その後直ちに閣僚懇談会に入り、本当に素晴らしい懇談会ができたと思っている。特に日本側としては、先般内閣改造を行って新しい閣僚とともに参上したわけだが、それぞれの発言も時間不足気味なほど忌憚のない意見交換ができた。したがって、現時点では島の印象を申し上げるのは難しい。ただ、自分はかなり以前に済州島を訪問し各地を回ったことがあるが、明日は知事の招待により島のことを勉強させていただくと同時に、牧場を見学する予定であるので、満喫したいと思っている。また、観光問題を担当する二階運輸大臣も同行されているが、共々にこの島の観光についても大いに宣伝役を努めさせていただきたいと思う。金大中大統領は、韓国の観光のために自ら宣伝役という大役を果たされて金賞を受けられたと伺ったが、自分もこの島のためにぜひ金賞をいただきたいと考えている。(金総理)
小渕総理のお話について、一言付け加えさせていただきたい。済州島は「三多島」と呼ばれているが、これは、石、女、風が多いという意味である。風の多いことは先ほど取り上げられたが、残りの二つはこれからご覧になることと思う。古えから、済州島に入るときは島の事情を知らないので寂しくて泣くが、発つときは発つのがいやで泣くと言われるほどに、いいところである。そうしたことを念頭において、明日楽しんでいただきたい。
目次 |
| ||||||||||
![]() |