共同プレス・ステートメント(日・仏)
小渕総理大臣・シラク大統領
於パリ、1999年1月7日
我々は、世界経済の動向、及び、日仏両国間の協力を拡大するとともに国際金融通貨制度を強化するための方策につき、幅広く、また、忌憚のない意見の交換を行った。
我々は、経済と金融の国際化から得られる利益を全ての国家と国民が享受できるような条件整備を図ることを共通の目的としており、この目的を達成するため、我々は、世界市場、並びに、マクロ経済及び通貨協調にかかるルールを改善すべきこと、国際機関を強化すべきこと、そして、グローバル化の社会的側面により一層の注意を払うべきことにつき合意した。国際通貨制度は、こうした方向で改善されなければならない。
我々は、こうした目的に向け、金融監督規制の強化、ヘッジファンド等国際的に活動する機関投資家に関する問題への取り組み、為替制度の問題についての対応、暫定・開発両委員会の改革等を含めた諸方策によるIMFのプログラム及び手続きの改善等の様々な分野において、他のG7国と協力しながら一致して対処していくことで合意した。
我々は、新通貨ユーロが円滑に発足した後の国際通貨制度にかかる問題について議論を行い、為替市場の一層の安定が両国経済のみならず世界経済全体にとって重要であるということを確認した。我々は、外国為替市場において、ユーロと円とのレートの安定がとりわけ重要であるという点で合意し、その観点から、ユーロ発足を前提として、マクロ経済政策についての相互の対話の強化を含む為替市場についての新たな協調体制を確立していくことで合意した。